ヒルクラ、観光、マニアな道と盛り沢山だった房総の一日
2021.12.11
久しぶりに房総を走りました。冬の定番エリアですが、昨シーズンはコロナで訪れることができず、2020年3月以来となります。
どこを走るか?とかなり悩んだ末、
と、各種要素を目一杯詰め込んだルートを作成しました。千葉の林道も台風の影響でかなりやられているので、マニアな道が通行可能かどうか? について、事前にネットを探しましたが情報が見つかりません。このため現地対応覚悟のルートとなりました。
6:20@自宅を4:00スタートして、久里浜から始発の東京湾フェリーに乗船。この日は、ドックダイヤ(金谷丸が定期点検[11/08-12/17]で、白浜丸のみでの運行)のため、次便は8:20発、これでは遅過ぎるので超早起きも致し方なしです。
6:58@鋸山から太陽が顔を出す瞬間を狙っていたのですが、船が陸に近づくスピードと太陽の上昇スピードが同期して、こんな日の出直前状態のまま浜金谷に到着してしまいました。
7:17@浜金谷スタート。体に震えがくる寒さです。体を暖める為にペダルを必死に回します。
7:33@海上に白い壁が発生、気嵐(けあらし)です。気嵐は、陸地の寒気が海に流れ込み、海面の水蒸気を冷やして霧に変える現象ですので、気温と無風が発生条件となります。寒いはずです。
鹿野山に向けて内陸へ進路を取りますが、どこも朝霧が立ち昇り、ちょっと幻想的。
8:36@マザー牧場を通過。この鹿野山HCルートは3回目、ラスト1Kmが記憶にある以上に辛かったのですが、タイム的にはベスト更新。ということは、前回は手抜きだったわけですね。
8:58@鹿野山九十九谷展望公園。千葉県の山上からの眺めでは、ここがベストだと思います。鹿野山が位置する上総丘陵、遠くには愛宕山(千葉県標高No.1)のある安房丘陵が見えます。まるで布に生じた無数の皺のような地形ですが、この日はこの地形を体験するライドとなりました。
9:31@鹿野山から一気にダウンヒル。メインストリートではなく地元集落の中を抜ける裏道を走り、県道93号線(久留里鹿野山湊線)へ。
10:12@久留里駅に到着。トイレを済ませ、駅前のベンチで休憩&エネルギー補給。
10:24@久留里城の入口には林道城山線の標識。トンネルの先に駐車場があり、そこから先は参道でした。
いつものように自転車を押して上り始めてしまいましたが、勾配がキツいし、最後の天守閣へは階段なので、駐車場付近に自転車を置いて徒歩で進むのが正解です。城の完成後、3日に一度、雨が降ったことから、別名、雨城(うじょう)と呼ばれているそうです。
二の丸跡からは、久留里城下を見渡せます。天守からよりも城下がよく見えました。
現在の天守閣は昭和53年に再建されたもので、その横に、江戸時代に整備された際の天守台跡が、史跡として保存されています。
天守閣は360度を見回せる展望台ですが、見えるのは山ばかりです。よく見えるのですが、写真にするのに困ります。
11:00@久留里城の山裾を回り込むように怒田(ぬだ)の集落へと向かいます。
11:09@山を強引に削ったような深い切り通しを越えると、皺と皺の合間の平地に至り、長閑な田園風景が広がります。怒田は、これぞ谷津(丘陵地が浸食されて形成された谷状の地形)というイメージの場所でした。
怒田から北向地蔵へと向かいますが、短いながらも15%オーバーの悶絶激坂が立ちはだかります。谷間の谷津地形から脱出する際は、この手の試練を乗り越えなければならないようです。
11:24@林道怒田福野線の標識の前で心拍を整え林道に突入です。杉林の中を行く極普通の林道でした。落葉、落枝は多いですが、路面の状態は悪くありません。
唯一、普通でなかったのは、これです。
11:36@北向地蔵尊を通過。階段を上ったところにお地蔵様がありました。かなり集落から離れた山中にあるにもかかわらず、それなりに維持されています。
さて、北向地蔵尊までは尾根筋を走る感じでしたが、ここから下り始めます。そして路面状況が一変しました。落葉のボリュームが大幅にアップ、その中に落石が混じるので慎重に下って行きます。北向地蔵尊から先は、道として余り利用されていない雰囲気です。
11:47@林道終点の怒田橋。次の谷津にやって来ました。Googleマップでは、ここで道が消失しているのですが、衛星写真で確認すると細い道筋があります。実際、かなり傷んだコンクリート舗装の道が続いていました。アドベンチャーライド的な雰囲気が高まります。
かつては耕作地であったと思われる、樹木のない草原の中を進みます。こんな場所でも駐車車両がありました。遠くに犬を伴った人影が見えましたので、ハンターの車のようです。
手掘り感たっぷりのトンネルで次の谷津へと移動、これまで見て来た中でもトップクラスの手掘り感です。
トンネルの出口付近で、いきなり自転車が進まなくなって驚きます。大量の砂が堆積していました。更に、トンネル出口は、湧水でビチャビチャでした。ここは転倒リスクがあるので注意ください。
次の谷津は、幅が狭く細長い形状、ここにも罠が設置されています。コンクリート舗装の傷みはさらに酷くなり、乗車できないような場所も出現します。
谷津から脱出するために上ります。流れ込んだ土砂でほとんど未舗装路です。
12:07@福野集落。人工物を見てホッとしました。
12:17@福野池の先で大福山林道に接続。房総ふれあいの道の標識があり、大福山まで残り1.1kmであることがわかります。
12:25@ピークを超えると突然廃棄物処理場が現れて驚きましたが、すぐに分岐があり林道女ヶ倉線へと入ります。
12:33@ハイキングの人達に混じり、大福山展望台で休憩&エネルギー補給。ここも360度の度の視界が有りますが、見えるのは皺々の山並みです。
もみじが紅葉のピークを迎えた女ヶ倉林道を養老渓谷へとダウンヒルして行きます。途中、月崎大久保線、加茂線、朝生原線、根向線と、4つの林道と接続していました。
13:03@養老渓谷駅近くの宝衛橋のところにやって来ました。青い橋が渓谷橋です。計画から1時間の遅れが生じているので先を急ぎます。
13:28@向山・共栄トンネルを通過。過去2回養老渓谷を通過した際は、人の気配がほとんどありませんでしたが、観光シーズンなのか、今日は多くの人がトンネルへ吸い込まれて行きます。観光客のお目当ては、トンネルの先の養老渓谷の遊歩道です。
養老渓谷を過ぎれば、静かな道となります。夕木川沿いに筒森にショートカットする道です。この道をGoogleマップで見ると、途中にグレーで着色された区間があります。普通ならばトンネルなのですが、あまりに蛇行していてトンネルとは思えず、今回の調査対象です。
13:39@奥養老の集落を過ぎると道幅が急激に減少し、同時に見たくない看板を発見。自転車であれば通り抜けられる可能性に賭けて、行けるところまで行ってみます。
Googleマップ上の謎区間は、3つの手掘りトンネルで接続されていました。2つ目と3つ目のトンネルの間に、通行止めの原因がありました。これ以上、崩落が進むと自転車でも通行不能となりそうです。夕木川の渓谷に沿って薄暗い道が続きます。
14:07@筒森の集落を抜けると国道465号線の新筒森トンネルに出ました。R465を走るのは100m程で、すぐに麻綿原(まめんばら)高原へ向かう大多喜町道老津線に入ります。麻綿原高原まで1時間とすると、ゴールの安房鴨川には日没ギリギリで到着できるかどうかのタイミングです。しかし、この老津線もグレーに着色された謎区間が存在するので"予定通り走れるか怪しいものだな"と覚悟を決めて突入しました。
老津線の謎のグレー区間は、2つのトンネルで接続された舗装路でした。ただし平均勾配7%と疲れた脚には堪える上り坂です。小田代バス停から来る房総ふれあいの道に合流すると尾根筋の道となります。麻綿原高原までは残り5.5kmです。
14:46@こんな山中に一方通行の標識がありました。6月20日から7月20日と、妙法生寺の紫陽花シーズン限定の一方通行です。ここから麻綿原高原までは、軽いアップダウンのワインディングロードで、走って楽しい道でした。
15:07@ジャスト1時間で麻綿原高原に到着、最後の休憩を取ります。もう海が近いだろうと天拝壇から見渡すと、まだまだ山の中にいることが判り、ビックリ!。アジサイ寺とも呼ばれる妙法生寺ですが、この時期の紫陽花は枯れ枝のみと化しており、とても紫陽花の名所には見えません。シーズンに訪れたいものですが、混雑していそうです。
15:27@妙法生寺から下って行くと3つの林道(奥谷林道、天津林道、一杯水林道)の交差点に出ます。林道天津線で安房天津というのが予定ルートなのですが、そこには、
この先300m倒木のため通り抜けできません
という立札がありました。「倒木」という障害内容と、「通行止め」ではなく「通り抜けできません」という表現から、自転車なら行るのでは?と考えます。距離も300mですし、これは行くしかありません。
確かに300m先に現場がありましたが、、、
こ、これが、倒木ですか?
斜面崩落現場からすごすごと引き返します。現場が2km先だったら泣いていました。
15:34@林道交差点まで戻り、ルートを検討します。林道一杯水線は、清澄寺へ至る房総ふれあいの道となっている未舗装路なのですが、崩落のため通行止めです。サイドもプロテクトした絶対に入るな的なゲートが設置されています。となると残るは林道奥谷線のみ、遠回りとなりますが致し方ありません。
16:18@安房天津で日没を迎えました。日の出、日の入りの両方を体験するライドは久しぶりです。
16:30@安房鴨川駅に到着。予定外の出来事もありましたが、盛りだくさんで中身の濃い暴走房総の一日、大いに満足です。
走行距離:121.1km、獲得標高:1,602m、消費エネルギー:2831C
年内の更新は、これで最後の予定です。暇なシニアとして、来年も情報発信していこうと思っています。オミクロン株で来年早々にも再び行動制限となりそうですが、春のシーズンまでにはそれも収束することを切に願います。