Ride on a ちゃり

パワー不足のエンジン搭載ロードバイクの走行記録

SDA王滝の舞台を探検

夏休み木曽遠征第一日目の御嶽山HCは雷鳴にヒヤヒヤしたものの無事終了。17:00に木曽福島の宿に到着すると同時に夕立が降り始めました。梅雨が開けても今年は天候が不安定です。夕食を終えて部屋に戻り、翌日の天気を確認すると、木曽福島周辺は昼過ぎから雷マークが乱立。明日は、開田高原に向かい地蔵峠、九蔵峠などを巡る予定だったのですが赤信号点灯です。木曽から早めに脱出して、蓼科付近でも走るしかないかと考えながら眠りにつきました。

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木曽福島の古い家並み

翌朝、天気予報を確認すると、木曽も蓼科も15:00頃から雷雨マークとなっています。こうなってくると、木曽で走った方がより多くの走行時間を確保できます。しかし、天気は不安定、計画通り開田高原に行くことはリスクありです。そこで、第二プランを発動しました。王滝川を遡上し、王滝村最深部の三浦ダムに至る王滝村探検プランです。ピストンルートですが、雲行きが怪しければ即引き返すことができます。また、王滝村は国内屈指のMTB XCマラソンレース「セルフディスカバリーアドベンチャー・イン・王滝」の舞台、興味津々です。

木曽福島のコンビニで水とおにぎりを調達し、今日も牧方ダム駐車場へと向かいました。

8:18@昨日より2時間前倒しでスタート。まずは、ダム本体を撮影するためにちょっと寄り道します。

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牧方ダム

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六段橋:この橋の上から撮影しました。

今日は、木陰の多い御嶽湖右岸を走ります。

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御岳湖

予想通り、木陰の道は快適でしたが、右岸には標高差30mほどのアップダウンがありました。2つの赤い橋を渡ると王滝村の中心部です。

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瀬戸川橋-大滝村中心部

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大岩橋

8:53@右へ行けば御嶽山、左へ行けば王滝村最深部の滝越地区です。

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滝越方面分岐

左岸のフラットな道を遡上します。長閑な風景が続きます。

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王滝川左岸の道

9:04@SDA王滝のスタート地点となる松原スポーツ公園。小高いところにありました。当然、自然の高台と思いましたが、地震で生じた土石流の処理の結果できた人工的な高台だそうです。

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松原スポーツ公園

NHKチャリダーのSDA王滝の回に映っていたドーム。これは何のための施設だろう?と考えたのですが、簡易体育館ですかね???

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公園内には、王滝森林鉄道の線路がありました。1975年に廃止された木曽森林鉄道ですが、有志の手によりこの公園内に約1kmの往復軌道が復元されています。この森林鉄道もこの地を理解する上で重要なファクターでした。

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王滝森林鉄道

SDA王滝というと山の中のダートを100kmという印象がありますが、コースの一部となっている県道486号線は舗装路です。木曽檜の森の中をフラットに近い上りの道が続きます。

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県道486号線

9:29@王滝川に架かる橋が見えてきました。あの橋を渡るのかな?と思いましたが、道は分岐していました。道標には、自然湖、滝越方面は王滝川に沿って直進とあります。が、橋のある左方向については何も表示されていません。SDA王滝のルートマップを見ると、左方向は氷ヶ瀬林道、そしてここがSDA王滝のフィニッシュポイントのようです。時間もあるので左方向を探検してみましょう。

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小さなトンネルを抜けると、先ほどの橋に出ました。橋の名前は大鹿渕橋です。橋の上から覗くとエメラルドグリーンの渓谷。Googleマップには、氷ヶ瀬渓谷となっており、現在は、この付近を氷ヶ瀬と呼ぶようです。

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氷ヶ瀬渓谷

帰宅後、この先氷ヶ瀬林道がどこへ続いているのかと調べてみると、1km程先で道は分岐し、一方は柳ヶ瀬を経て滝越に至ります。もう一方は、うぐい川を遡上し、真弓峠を越え、中津川市付知へと向かいます。「自転車 真弓峠」で検索すると、興味深いコンテンツが色々ありましたが、現在は通行止めとなっているようです。

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SDA王滝コースマップ

元のルートに戻り少し進むと、木材が集積された広場に出ます。この時は、「ああ木材集積場だな」としか思わなかったのですが、このブログを書くために色々調べると、この場所はかつての王滝森林鉄道の大鹿渕操車場のあった場所であることが判明。ならばきっちり撮影するべきだったとちょっと後悔です。

氷ヶ瀬からトンネルが現れ始め、道は上り始めます。最初の氷ヶ瀬隧道に突入すると、水の流れる轟音が聞こえてきました。

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氷ヶ瀬隧道

そしてトンネルを抜けると迫力ある水流の景色が出現します。

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9:45@昨日の御嶽山の疲れが残る中、エッチラオッチラとひと上り。視界が開けると、

あれあれ、ガードレールが下に見えるじゃん???

いつもと逆の展開です。

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せっかく獲得した位置エネルギーの80%を解放し、先ほどのガードレール付近へ至ると、今度は白い橋が見えてきました。

おい、おい、あそこまで、上るのかよ???

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白い橋は送水管のようで、その下を通過しました、ホッ。

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次に現れたのは、ちょっとした湿原風景。御嶽山よりも撮影ポイントがたくさんあります。

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10:02@濁川橋を通過。名前の通り、川の水が茶色く濁っていました。

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濁川

ジワジワと上ってきてようやく標高も1,000mを越えましたが、道は再び下り始ます。

10:13@下りきったところが自然湖でした。それにしても自然湖という名前は不自然な気がするのですが、1984年に発生した長野県西部地震によって御嶽山の山体崩壊が発生、その土石流が先ほど通過した濁川から王滝川の渓谷に流れ込み、流れを堰止めて形成された天然湖だそうです。水没した渓谷の森の木々は立ち枯れし、水面からその先端部分を覗かせていました。途中の湿原のような場所も自然湖の一部と思われます。

詳細は以下にまとめられています。

www.ontake-adv.com

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カヌースクールのベンチで一休みして、エネルギー補給しました。スタートから既に2時間、まだ滝越集落に到達していません。予想以上に王滝村は奥が深いです。

10:32@滝越へ向け出発。幾つかトンネルがありますが、照明はなく、ライトは必需品です。

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トンネルを抜けると王滝川ダム湖、その先に滝越集落が見えて来ました。

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王滝ダム湖

10:49@滝越集落の外縁部に沿って道なりに進むと、まずは林道王滝線が右方向へ分岐して行きます。XCマラソンレースの舞台とあって、林道が複雑に入り組んでいます。

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林道王滝線分岐

10:52@続いて滝越三浦林道(左)と上黒沢林道(右)の分岐。地図上は、どちらに進んでも三浦ダムへ到達できますが、滝越三浦林道は舗装路、上黒沢林道は未舗装路です。上黒沢林道は、斜度もあり、かなり荒れていて、サスのあるMTBでなければ厳しそうな印象でした。安全第一で滝越三浦林道を行きます。

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滝越三浦林道起点

10:56@林道ゲート。やっぱりこの地域にもあるんですね。ここから先は自己責任です。

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林道ゲート

ハードな山道を予想していましたが、斜度3%とマイルドな上りが続きます。ゲートにより交通量ゼロという訳ではなく、三浦ダム関係と思われる車両数台とすれ違いました。

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11:03@またトンネルです。しかし、トンネル内の路面は、初めてのパターンでした。

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蜂ヶ渕隧道

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コンクリートタイルが敷かれた路面

蜂が渕トンネルを抜けると、立て続けにビューポイントが現れました。

11:11@水が勢いよく岩肌を流れ落ちています。この場所は心地よい冷気で満たされています。

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11:19@巨石の渓谷が現れます。水の透明度が遠目にも判ります。

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巨石の渓谷

11:29@透明なエメラルドグリーンの渕。思わず息を飲み、しばらくこの場所を動けませんでした。

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エメラルドグリーンの渕

11:42@三浦ダムがようやく見えて来ました。1942年竣工の重力式コンクリートダム。既に70年以上経過したコンクリートの質感は独特です。山中に密かに建設された秘密要塞の雰囲気を漂わせていました。

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11:50@一ノ瀬林道の起点。SDA王滝の42kmコースは、ここを上り、上黒沢林道を下って滝越へ戻るようです。

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一ノ瀬林道

試しに少しだけ走ってみましたが、エッジの鋭い石が多くてサイドカットのリスクが大です。交換用のタイヤを準備して挑まないと痛い目に合いそうです。

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11:55@水量豊富な三浦貯水池。

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三浦貯水池

木陰でダム湖を眺めながら昼食にしようと準備をしていると、

この場所は立ち入り禁止です、至急退出してください!

と放送が流れます。アチャー、怒られてしまいました。慌てて退散します。

12:37@気持ちよくダウンヒルして滝越まで戻って来ました。帰路は集落の中の道を選択。用水を流れる水は冷たく、タオルにこの水をたっぷり含ませました。

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滝越集落

12:54@自然湖まで戻り、ここでようやく昼食。静かで思わず長居をしてしまいそうになりますが、雲行きが怪しくなって来ました。

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自然湖

13:11@濁川を通過すると、水の色が変化しています。

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濁っていない濁川

14:20@御嶽湖左岸の道を走り、牧方ダム駐車場に帰着。

事前調査不足で臨んだコースでしたが、見所多く、期待以上に楽しむことができました。御嶽山HCで疲れた体にも程よい負荷でお勧めです。

走行距離:58.5km、獲得標高:641m、消費エネルギー:不明

 

【番外編】

車に自転車を積み込み、昨日食べ損ねた蕎麦屋へ。味、ボリューム共に満足な一品でした。濃厚な蕎麦湯を堪能し、店を出ると雨が降り始めます。御嶽神社は次回ということになりました。

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そば処さくら