通行止め解除の国道299号線を十石峠へ
2022.05.10
GWが終了したらガンガン動くぞ!とじっと身を潜めていたのですが、天気予報は、梅雨のような天候の到来を告げ、ガックリ。唯一晴れマークの付いた5月10日火曜日の行動は最重要課題となりました。あれこれ悩んだ結果、久しぶりに通行止めが解除された国道299号線の十石峠を選択。群馬県上野と長野県佐久穂間は、酷道299号線と称される区間ですので、大雨でも降ればまた通行止めとなりかねません。走れるときに走っておかねば後悔します。スタート地点を埼玉県小鹿野の道の駅「両神温泉薬師の湯」とすることで、未走の志賀坂峠(往路)、土坂峠(復路)も楽しめるルートを作成して準備完了、早朝4:30に自宅を出発しました。
8:00@道の駅「両神温泉薬師の湯」をスタート。残念ながら火曜日がこの道の駅の定休日で、ライド後に即温泉という当てが外れてしまいました。しかし、期待した以上の青空に出迎えられ、気分上々です。
国道299号線は、埼玉県入間から長野県茅野に至る204kmの一般国道です。ルートには、志賀坂峠、十石峠、麦草峠などが含まれているので、これを一気に走破するサイクリストも存在しますが、私には関係のない話。今回走るのは、武州街道と呼ばれる部分となります。
交通量は極少、冷んやりとした風を浴びながら、赤平川沿いをユルユルと遡上して行きます。
8:59@坂本集落。前方の山腹にガードレールを発見、いよいよヒルクライムスタートです。
10分ほどでガードレール地点まで到達してしまいました。
9:14@林道西秩父線の入口を通過。この林道も走ってみたいリストに登録済み。現在は、矢久峠まで通行可能ですが、その先が通行止めです。
9:18@大きなカーブを廻っていくと視界に二子山を捉えます。
9:23@今度は両神山が見えてきます。驚くほど交通量が少なく、立派な国道を独り占めです。
9:36@志賀坂トンネル(標高780m)に到着。なかなか楽しいヒルクライムでした。峠からの眺めも良く、赤平川の谷筋の先には武甲山が見えます。ここから八丁峠へと向かう県道中津川線には工事通行止めの看板。工事期間が7月28日までとなっているので、秋の紅葉シーズンには開通していることを切に願います。
9:42@昨年整備された志賀坂トンネルを抜けると群馬県神流町、ダウンヒルを開始。
9:51@「恐竜の足跡」の看板の下に、「この手前50m」とあります。どういうこと?と反対側から見ると「この先50m」です。ということは既に通過してしまったということです。そんなのあったっけ?と自転車を置いて50m程歩いて戻ると、確かにありました。
R299の拡張工事の際に発見された瀬林の漣(さざ波)跡。約1億2千万年前、神流町のあたりはアジア大陸の東端に位置し、海に面した河口だったそうです。そこを歩いた恐竜の足跡が、漣の紋様と共に化石化したとのこと。近づいて見ると確かに足跡、貴重なものを見ることができました。
9:59@古鉄橋で神流川を越えると国道462号線に合流します。
10:03@ここもちゃんと見学しなければと思いつつ、いつも素通りしてしまう神流町恐竜センター。
神流川をユルユルと遡上するR299も素敵な道でした。
10:21@道の駅上野で休憩。2018年にぶどう峠を訪れた際にベースとした道の駅ですが、リニューアルされて奇麗になっていました。平日とあって店舗奥のウッドデッキが開放されており、ゆったりエネルギー補給できました。
10:46@ついつい長居してしまった道の駅上野をスタート。間も無く上野スカイブリッジが見えてきます。
11:10@川の駅上野を通過すると道標に十石峠が登場。ここから距離16km、標高差760m程です。2018年の時は、R299が通行止めでしたが、現在は、ぶどう峠へ至る県道124号線が通行止めです。
砥根平トンネルの手前で急停車。R299の標識は、左のトンネルを迂回するルートにあります。どうせすぐに合流すると思いましたが、R299に拘って左へ。やはりトンネルを抜けたところで道は合流しました。
11:14@R462が右へ分岐。直進するR299の舗装の色が明らかに異なり、頭の中に「酷道」の二文字が浮かび上がります。この先は大型車両通行不可なので、ダンプ、トラックなどは右折して行きます。
11:25@ゲートの先は離合困難な道幅、まるで魔境の入り口です。
黒川沿いに無理矢理切り開かれた道は、岩壁がオーバーハングしています。道幅が極端に狭かったのは、この区間だけで、路面の状態も酷道と呼ばれるほどには酷くありませんでした。
11:37@昭和36年11月竣工の天狗滝橋。かなり傷んでいます。次の大雨でこの橋が流されても不思議ではありません。この辺りの雰囲気は裏ヤビツに似ています。違いは勾配と随所に現れる巨木です。驚いたのは交通量、平日なのでほぼ皆無と予想していたのですが、5分毎に車両に遭遇しました。
11:58@いつの間にか脚が重くなっています。視覚的にはそれ程の勾配に見えなかったのですが、10%超区間に突入していました。陽射しを遮るものはなく、汗が噴き出します。堪らずファイナルローのギア比0.9を投入して這うように進みます。
12:10@10%超区間を突破すると標高1,000mになっていました。新緑のライトグリーンで癒されます。
12:17@明らかに最近補修した路面に新品のガードレール。この手の路面崩落したと思われる場所を何箇所か通過しました。
12:37@大規模な森林伐採区間。道の外側にアスファルトの路面が存在します。かつての道が崩落したので、その内側の斜面を削って新たな道としたようです。対面の斜面には、どう見ても勾配10%はありそうな角度でガードレールが見え、ため息が出ます。
12:47@先程のガードレールのところまで進むと、山の稜線越しに榛名山、更にその先には、雪の残る谷川連峰が見えました。R299は、苦労したご褒美が貰える道でした。
12:54@R299通行止めの際に迂回路となっていた林道矢弓沢線が合流。R299よりハードなヒルクライムルートで有名です。
13:04@何度目か分からなくなってきた10%区間を上り切り、漸く尾根筋に到達。このまま十国峠までフラットかと思いきや、一旦下って上り返します。
13:15@ついに十石峠に到達。13:00到着を目論んでいたので、まずまずです。
残念ながら展望台は閉鎖中で絶景を見ることはできませんでした。標高1,351mの峠は、まだ芽吹きの段階、山桜が咲いています。陽射したっぷりですが、吹き抜ける風はヒヤリとします。風の当たらないベンチで、持参したコンビニおにぎりで昼食し、まったりしました。
13:47@名残惜しいですが、小鹿野まで戻らねばなりません。ウィンドブレーカーを羽織りスタート。間も無く、この日唯一となる自転車とすれ違いました。半袖短パンの若者、私と違い元気で溌剌としています。
14:29@往路の半分以下の時間で川の駅上野まで戻って来ました。ここも火曜日定休、写真だけ撮って通過。
下り基調なれど向かい風のR462を走っていると、紫色の花をたわわに付けた木が目にとまりました。見たことのない花です。帰宅後にネットで調べてみると、桐の花でした。桐の木に花が咲くことを自体を初めて知りました。
15:46@漸く土坂峠へ至る県道71号線(高崎神流秩父線)の分岐点に到達。予定より46分遅れです。いかに上野村が奥地にあるのかを実感します。体力的にも限界が近づいているので、休み休み行くかとスタートしましたが、上り始めると意地になってペダルを廻し続けてしまいました。
16:30@ヘロヘロ状態で土坂トンネルに到達。ルート作成時に、県道282号線で矢久峠を越えることも考えたのですが、より楽そうな土坂峠を選択して正解でした。
トンネルを抜ければ埼玉県です。r71も交通量は極少、埼玉と群馬は交流が少ないのか?などとたわいのない事ことを考えながら、二車線道を気持ちよく落ちて行きました。
16:47@久しぶりに見た塚原交差点の信号機が新鮮でした。右折すれば、合角ダムへ至ります。
17:18@スタート地点の道の駅に帰着。疲労度Max.なれど久しぶりに充実した1日となりました。ネットで検索した日帰り温泉「星音の湯」で汗を流しましたが、疲れすぎて食欲が湧かず、ワラジカツ丼をパスせざるを得なかったことが唯一の心残りです。
走行距離:112.2km、獲得標高:1,889m、消費エネルギー:2,406C