5mmの効果
今回は、珍しく機材の話題です。2018年2月にグラベルロードに乗り換えてから4年が経過し、昨年あたりから色々とパーツ交換が必要となってきましたので、その辺りを紹介したいと思います。
まずは、消耗品でもあるディスクブレーキ関連。
・ブレーキパッド
リアは、走行距離2,000kmから3,000km、フロントは、3,000kmから4,000kmで交換しています。最もブレーキを使用するダウンヒルの割合により変動します。私がビビリのため、ブレーキを多用していることも、交換回数が多くなる要因と思われます。
・ローター
リアは1年、フロントは2年でメーカーの許容値を超えて摩耗し交換となりました。
最近フルメンテナンスを行いましたが、シマノのパーツ類が入手困難となっており、ブレーキパッドは、オートバイのパーツメーカーであるVesrah(べスラ)のパッドに変更、ローターは発注から2ヶ月ほど待つ必要がありました。Vesrahは、制動音が若干大きくなりますが、問題なく運用できています。
次は、準消耗品。昨年辺りからペダリングに同期してカチカチと異音が発生するようになりました。原因を追求したところチェーンとスプロケットの噛み合わせがスムーズでない箇所があり、そこで異音を発生していました。何度も転倒していたり、輪行の際にぶつけたりしているので、スプロケットの一部に微妙な歪みが生じているようです。そんな訳で、スプロケットの交換を検討していました。
これまでは、シマノのCS-HG800-11(11-34T)を使用し、34Tの恩恵に預かってきたのですが、大きな不満もありました。CS-HG800-11のギアコンビネーションは、
11-13-15-17-19-21-23-25-27-30-34T
です。しかし、ギア比的に、フロント50T、リア17Tの2.94が私の限界であり、11-13-15Tは全く使用していないのです。最も利用するのが、フロント50T、リア19Tのギア比2.63なので、この辺りがクロスレシオで構成されたスプロケットが欲しいところですが、シマノにはありません。そこでネットを検索してみると、MICHE(ミケ)というブランドが、シマノ互換の多様なスプロケットを提供していました。その中に、
14-15-16-17-18-19-21-23-25-28-32T
という希望するレンジがクロスレシオのスプロケットがありました。唯一の問題は、最小のギア比です。現在、フロント34T、リア34Tで、ギア比1.00ですが、フロント34T、リア32Tでは、ギア比1.06となってしまいます。ギア比1.00は手放したくないし、グラベルのヒルクライムを考えると1.00よりも小さいギアが欲しいくらいです。少し悩みましたが、
それならフロントも変えてしまおう!
と決断。フロント歯数とギア比を計算してみました。
|
50T |
34T |
48T |
31T |
46T |
30T |
14 |
3.57 |
2.43 |
3.43 |
2.21 |
3.29 |
2.14 |
15 |
3.33 |
2.27 |
3.20 |
2.07 |
3.07 |
2.00 |
16 |
3.13 |
2.13 |
3.00 |
1.94 |
2.88 |
1.88 |
17 |
2.94 |
2.00 |
2.82 |
1.82 |
2.71 |
1.76 |
18 |
2.78 |
1.89 |
2.67 |
1.72 |
2.56 |
1.67 |
19 |
2.63 |
1.79 |
2.53 |
1.63 |
2.42 |
1.58 |
21 |
2.38 |
1.62 |
2.29 |
1.48 |
2.19 |
1.43 |
23 |
2.17 |
1.48 |
2.09 |
1.35 |
2.00 |
1.30 |
26 |
1.92 |
1.31 |
1.85 |
1.19 |
1.77 |
1.15 |
29 |
1.72 |
1.17 |
1.66 |
1.07 |
1.59 |
1.03 |
32 |
1.56 |
1.06 |
1.50 |
0.97 |
1.44 |
0.94 |
私が利用しそうなゾーンに色をつけてみると、一目瞭然、46T-30Tに決定です。
フルメンテナンスを依頼するにあたり、自転車屋さんにこの内容を伝えると、ショートクランクへの変更を提案されました。
私の身長は167cmなので、クランク長の目安が「身長の10分の1」であるとすると、167mmとなります。現在のクランク長は170mmですが、パワー不足であることを考えると165mmの方がケイデンスを上げやすく向いているとのこと。僅か5mmの差でそんなことあるのか?と思いましたが、信頼している自転車屋さんのアドバイスですのでショートクランク化に踏み切りました。
将来のコンポーネントGRX化を視野に入れ、クランクもGRXを採用しました。
MICHEのスプロケットは、海外通販で調達。希望するギア構成が常時あるわけではないようで、見つけた際に購入しておくことがポイントです。
1月15日、ショートクランクとクロスレシオのギアの効果確認をヤビツ峠で行いました。
今年の冬は一段と寒く、太陽光を求めて鎌倉から国道134号線に入ります。このR134で、ショートクランクとクロスレシオの効果をさっそく実感しました。脚が自然にグルグル回るのです。シフトアップも脚への負担がそれほどありません。これまでケイデンス80から90で巡航していましたが、それが85から95にアップ、時速的にも少し速くなっています。違いがはっきりわかります。
昨年2月にヤビツ峠自己ベスト(60分04秒)を更新したものの、直近3回のヤビツのタイムは、05月04日 69分24秒、09月10日 70分08秒、12月30日 67分20秒と安定の遅さです。このタイムがどうなるでしょうか?
ヤビツ峠にアタック開始。蓑毛の上りはやっぱり辛く、バス停付近でインナーローのギア比0.94に頼ります。ギア比1.00と0.94の違いは、ほとんどわかりません。路面が荒れていた場所が昨年秋に整備されたおかげで、ヤビツは随分と走りやすくなっており、崩落するのではないか?と心配されていた箇所も今は綺麗な路面となっています。足への負担が少ないのか、年末よりも楽な気分で菜の花台を通過。ラスト1km位から路肩に雪が残っていましたが、問題なく走行できました。そして、土曜日なのに自転車のいないヤビツ峠に到着。
タイムはというと、
63分29秒
12月30日の記録を3分51秒短縮です。僅か5mmがこれほど違いを生むのかと驚きでした。
まとめとして、ショートクランクは、私のような貧脚ライダーは検討してみるべきアイテムと思います。クランク長が5mm短くなった分、サドルを5mmアップしています。これにより、ハンドルまでの距離が微妙に遠くなったわけですが、その辺りの微調整はこれからです。
クロスレシオを提供してくれるMICHEのスプロケットは、変速のスムーズさの点では、シマノに及びません。特にロー側への変速がギクシャクする感があります。しかし、実用上は問題のない範囲ですので、メリットがデメリットを上回るかなと考えています。シマノがスプロケットのバリエーションを増やしてくれるのがベストですが。