Ride on a ちゃり

パワー不足のエンジン搭載ロードバイクの走行記録

伊豆半島グルっと一周、ようやく完結

2017年から伊豆半島の外周走破に取り組んできました。

2017.01 東伊豆(熱海-下田)

2017.01 西伊豆パート1(沼津-土肥)

2018.01 南伊豆(下田-松崎)

冬シーズンのイベント行事で、残るは西伊豆パート2(土肥-松崎)なのですが、そのコース設定に悩みました。土肥〜松崎の距離自体は30kmほどですが、土肥、松崎共に鉄道路線からは離れています。このため

  1. 起点をどこにするのか?
  2. どちらの方向に走るか? 土肥から松崎、松崎から土肥
  3. 終点をどこにするのか?

を決めねばなりません。色々な選択肢があり、迷いました。

まずは、2.を「松崎から土肥」としました。伊豆半島は、時計回りが海側ルートですし、北上するので太陽を背に受け写真撮影にも好都合です。次に 1.です。はじめは、下田からアプローチすることを考えていましたが、自転車旅CAFEのNAGAさんの記事を発見し、稲梓(いなずさ)に決定しました。最も悩んだのが 3.です。

散々迷って、結論は「当日、現地で時間と余力を考慮して決定する。」となりました。

6:16@熱海で伊豆急行下田行きへと乗り換えます。まだ日の出前ですが、水平線がオレンジ色に染まっています。乗り換える列車はすでに入線しており、寒いホームで待たずに済みました。5両編成の伊豆急行ですが、後ろ2両は伊豆高原で切り離されるので注意が必要です。

 7:53@稲梓駅に到着。河津の一つ先、下田の二つ手前の非常にローカルな駅です。下車したのは私一人。ホームに降り立ったものの駅舎が見当たりません。よ〜く目を凝らすとホーム先端部の線路脇に小さな駅舎がありました。

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伊豆急行 稲梓駅

駅舎の外(駅前?)は、猫の額ほどの広さしかなく、すぐに階段となっています。駅舎の中で自転車を組み立てさせてもらいました。20分ほどの準備の間に通過した乗客は二人でした。

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小さな駅舎

8:22@自転車を担いで階段を降り、続けてコンクリ舗装の激坂(この日一番の斜度)を下ると、本日のスタート地点となります。雲ひとつない好天、故に超寒いです。

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松崎へは県道15号線を利用し、稲生沢川の右岸を遡ります。山の影になった路面は凍結しており、寒い&怖いでした。婆娑羅峠へのヒルクライムがスタートするあたりまで来て、ようやく太陽の恩恵に預かれました。

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県道15号線

9:04@婆娑羅峠を通過。峠の名前の由来が分からなかったのですが、ようやく以下のような記事を発見しました。

伊豆半島婆娑羅山は弘法大師が「婆娑羅三摩耶」を修得した所との地名由来説話を伝えます。「三摩耶」はサンスクリット語サマヤ(samaya)の写音で、「サマヤ」は密教では、仏と衆生が本来平等であると解していうこと、といいますから、婆娑羅山・婆娑羅峠は「サンスクリット語ヴァジラ」(金剛・金剛杵)に通じる地名といえます。

日本歴史地名大系ジャーナル

 分かったような、分からないような、日本全国津々浦々、どこにでも弘法大師様が出現します。

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婆娑羅

路面凍結の恐れがあるため、峠からは慎重に下りました。那賀川沿いの日差しのあるところまで来ればひと安心です。この那賀川の堤沿いには、桜並木が延々と(約6km、1,200本)続いていました。シーズンには美しい桜の景色を楽しめそうです。

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那賀川

昨年の南伊豆ルートの際にも松崎を訪れていますが、時間がなくなり補給のみで通過、観光は全くできませんでした。今回は、きっちり観光します。

9:47@明治時代のレトロな建造物、伊豆文邸。いかにも観光スポットといった印象で、若干消化不良でした。

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伊豆文邸

フラフラ走っていると対岸にリアルなまこ壁を発見しました。

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なまこ壁

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現役の住居のようです。凄い!

さらに進むと松崎の港に出ました。駿河湾越しに南アルプスが見えます。今日は一日この景色を追いかけて行くことになります。

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松崎港

10:10@西伊豆随一の景勝地堂ヶ島。しかし、陸から眺めているだけでは、いまひとつです。その魅力を満喫するには、船で観光する必要がありという結論に達しました。

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堂ヶ島:釣り客を運ぶ船

今回の西伊豆パート2(松崎〜土肥)区間は、西伊豆パート1や南伊豆ほどのアップダウンはありません。故に、海岸線の街は全て訪れてみるというのが、今日の方針です。

10:25@ニュー銀水の先でR136を田子方面へ離脱。途中に田子瀬浜への分岐があったのですが、田子の集落へと下りました。

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田子の集落

入江に沿って街が形成され、海岸線は防波堤でガードされています。防波堤のところどころに鉄の扉があり、そこを抜けると港でした。田子瀬浜に行った方が面白かったかもしれません。

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田子港:対岸が田子瀬浜

10:40@安良里(あらり)の街も基本的な構造は田子と同じでした。湾内に浮かぶ弁天島の有無が大きな違いです。

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安良里の街

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弁天島

10:54@R136に復帰すると、ちょっと長い黄金崎トンネル(964m)。ライトを点灯し、覚悟を決めて突入。この日は、交通量もそこそこ、怖い思いをせずに済みました。

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黄金崎トンネル

トンネルを抜けるとすぐに黄金崎への左折ポイントです。下り坂なので、うっかりすると通り過ぎてしまいます。

11:02@宇久須隧道を通過し、緩く上って行くと右手に西伊豆の海岸線が広がりました。

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さらに進むと、駿河湾を望む場所に黄金崎の石碑があります。

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今日一番の絶景です。手前の売店で「馬ロック」と書かれた文字を見たときは、

特産のアルコール飲料か?

とピンときませんでしたが、岬の展望台に立つと納得でした。

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黄金崎 馬ロック

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黄金崎 南アルプス

黄金崎からは富士山も見えます。馬ロックに連なる前方のピーク(富士見の丘)に行けば、さらに富士山がよく見えそうです。

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黄金崎 富士見の丘

富士見の丘への遊歩道は、よく整備された階段路でした。慎重に歩けばロードのシューズでもアプローチできます。この時期に雪のない富士山はレアです。

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黄金崎 富士見の丘からの富士山

内陸へ視線を転じると、仁科峠付近と思われる稜線が見えました。次回は上から黄金崎を確認しましょう。

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黄金崎 仁科峠

11:59@宇久須の街を通過すると、道は上りに転じます。街の出口にあった「ひものの駅」では、干物製造中。写真では止まって写っていますが、実物は高速で回転して乾燥させていました。

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宇久須 ひものの駅

12:13@10分ほどのヒルクライムの末、辿り着いたのが恋人岬でした。おじさんには関係ないかと思いましたが、一応、チェック。

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恋人岬

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恋人岬 富士山

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恋人岬 南アルプス

恋人岬から土肥へは、富士を眺めながらのダウンヒル快走路となります。

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R136 富士山

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R136 菜の花

12:39@土肥の街が見えてきました。黄金崎で時間を使ったので、予定より40分遅れです。

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土肥

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土肥温泉

いつものコンビニランチではなく、今日はお店で昼食と決めていました。あらかじめ目星をつけておいた食事処「さくら」で煮魚定食(この日は金目鯛)をいただきました。あまりの空腹のため写真はありません。

食事を終えると13:40です。終点をどこにするか決めねばなりません。疲労感はないので、問題は日没です。沼津を目指し海岸線を進むルート(距離50km)は、前回の経験から寄り道なしでも4時間はかかりそうで日没確定です。となると土肥峠を越えて、修善寺、三島を目指すしかありません。

13:54@前回走った際に工事を行なっていた区間が開通していました。路肩が広く走りやすい道ですが、何気に斜度10%です。

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R136 新しい道

14:12@前回泣きが入ったR136の斜度12%区間も、今回はあっさりクリアし、旧道との分岐点に到達します。旧道は静かで良いのですが、かなり遠回りとなるため、今日は直進しました。

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R136 旧道分岐

14:31@さらにR136を1kmほど進んでから左折、船原トンネルを回避し、土肥峠を目指します。

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R136 左折ポイント

左折後、旧道めがけてそれなりの斜度の上りとなることは覚悟していましたが、Max.15%、平均斜度12%は予想以上でした。

14:38@旧道に合流。

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R136 旧道

14:53@土肥峠に到着。今日の天気なら西伊豆スカイラインから富士山を拝めそうです。そのためには距離4kmで更に350mのアップが必要ですが、珍しくまだ脚に余力があります。行くべきか、自重するべきか、グルグル迷った末、無理はいかんと撤退を決断しました。

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土肥峠

天城北道路が開通し、大部分の車がそちらへ流れるので、修善寺へ向かう道はスムーズでした。

15:40@修善寺に到着。駅裏のテラスで、夕日を浴びながら輪行の準備ができました。暖かくライドを終了できたので、これでOK!と思ったのですが、電車が三島に近づくと車窓から大きな富士山が見え、

やっぱり西伊豆スカイラインへ行くべきだったか、、、

と後悔してしまいました。

走行距離:77.6km、獲得標高:1,501m、消費エネルギー:1,723C

西伊豆パート2区間は、西伊豆の海岸線としてはアップダウンが小さく、走りやすかったです。黄金崎はちょっと寄り道になりますが、オススメの観光ポイントです。また、コンビニは土肥と西伊豆にありますし、R136沿いには飲食店も多く、エネルギー補給に困ることはありません。問題は、アクセスの悪さにつきますが、この部分をどうコースに組み込むのかは、ルート設計の楽しさでもあります。