奈良子林道で大峠へ向かったのですが、、、
5月5日7時2分、中央線猿橋駅に到着。最後部の車両からホームに降り立ちます。いかにも輪行の朝という写真ですが、猿橋駅の改札はホーム最前部でした。日中は夏日の予報ですが、朝7時の気温は10℃あるかどうか。風の冷たさに震えながら、重い自転車を担いでトボトボ歩くことから1日が始まりました。
駅近くのコンビニで食料を調達し、まずは、観光です。名勝「猿橋」に行きました。
「岩国の錦帯橋」「木曽の棧(かけはし)」と並ぶ、日本三奇橋のひとつとして有名ですが、実物を見るのは初めてです。橋脚なしで構築されている構造がユニークとのことです。瓦屋根は必要なんでしょうか?重量アップで不利なような気がします。
今日のルート図です。奈良子林道を走って、大峠(1,560m)を目指し、帰路は、真木小金沢林道で深城ダムへ出て、大月駅から輪行(横浜直通「はまかいじ」が狙い)する計画を立てました。ラインが途中から青くなってますね、そう、これが今回のメインテーマです。
7:50@県道505号線で奈良子集落入口を目指しました。雲ひとつない晴天ですが、空気は冷たいです。かなり迷ったのですが、長袖アンダーと登山用のタイツを履いてきて正解でした。気温が上昇する前に高いところへ上ってしまえば、暑さに苦しむことはないという読みです。
8:11@途中で国道139号線に合流し、起点となる奈良子入口に到着。このあたりで標高350m、林道最高地点は1,400mを超えますので、1,000mのヒルクライムです。
このルートを走ったブログに必ず登場する七保町林のキリンを確認。道路からは少し離れていたので、危うく見落とすところでした。
8:33@奈良子のバス停、終点です。ここが奈良子の中心部かと思いきや、入口でした。この先の斜度10%の道沿いに集落が点在していました。
8:47@奈良子林道の起点に到着。民家の脇が起点というのも珍しいパターンです。
林道案内板の地図がわかりやすかったので、写真から切り取りました。奈良子林道の描くラインは面白い形をしています。見る人により色々なものに見えてきますね。私には竜の落とし子に見えますし、東京湾の地図のようにも見えます。
新緑が眩しいです。斜度10%が随所に現れますが、適度に緩んでくれるので、そんなに苦しい思いはせずにすみました。
落石が多い林道です。路面への注意を怠ると、鋭利な石を踏んでパンクとなりかねません。写真のように、特に落石が多い区間では、押し歩きが必要でした。
顔が細っそりしていたので、ハクビシンかと思いましたが、尻尾の形状から狸だとわかりました。一目散に逃げる訳ではなく、しばらくこちらを見つめ、トボトボと道路を横断し森に入って行きました。空腹なのかな?
狸と遭遇した付近から路面はボロボロ、走りやすい未舗装路といった感じです。
9:25@林道ゲート周辺には、登山者の車が数台停まっていました。あの道を運転して来るとは、皆さん度胸あります。
ゲートを通過後、斜度10%〜12%の上りがしばらく続き、高度をグイグイ稼いで行きます。
この10%超区間をエッチラオッチラと上っていると、前方から軽トラックが下ってきて、私の横でストップ。引き返せと言われるのかと緊張が走ります。
軽トラックの人:山の上で道が崩れているから、この先行けないよ!とんでもなく酷いや!
道路状況を教えるために停まってくれたのでした。ありがとうございました。
事前に確認した山梨県県営林道通行規制情報は、
法面崩落および落石の危険性が高いため、起点より全線にわたり通行止めとします。
となっていますが、この半年この記述に変化はなく、インターネットを検索した限りでは、通行不能なほど崩れているという情報はありませんでした。車は駄目でも、自転車を担げば先へ進めるケースもあります。自分の眼で判断しようと、前進することにしました。
9:33@斜度が緩むと同時に路面状況が良くなってきました。
9:37@林道船窪線の起点を通過します。斜度8%〜10%の上りが淡々と続きますが、マイペースでゆっくり進むには、適度で心地良い負荷です。私には走りやすいタイプの林道でした。
9:45@ワサビ沢橋を通過すると未舗装路が出現。
珍しい砂地でした。グラベルキングSKの本領を発揮できる路面です。楽しく走っていると100mほどで舗装路となってしまいました。つまらんな〜。
10:04@そろそろスタートして2時間経過。ちょっと厳しい九十九折れを上りきったところで休憩しました。いつのまにか標高1,100mまで上って来ました。完全な日陰よりも、木漏れ日を浴びることができる場所が最も快適です。
対面する斜面を見上げるとガードレールが見えます。最高地点まで、まだ300m上昇する訳なので、あそこまで行くんでしょうね。
10:30@休憩地点から見えたガードレールのところまでやって来ました。全く期待していなかったので、
お〜!!!!!
と声が出ました。
富士山が見えるように、ここだけ伐採されているのでした。この季節に、これだけ見えたのはラッキーです。
次のコーナーの先には、ガレガレの未舗装路が待っていました。押し歩きスタートです。軽トラの人は、「このガレガレ未舗装は自転車じゃ無理!」と思ったのでは、な〜んて勝手な想像をします。
ところが100mほどで舗装路が復活。そして再度、ガレガレ未舗装路と路面状況が慌ただしく変化します。
2つ目のガレガレの先には、落ち葉に埋もれたダート。これなら乗車できそうです。堆積した落ち葉の下には何があるかわかりませんので、慎重に土の部分をトレースして進みました。
落ち葉ダートも100mで終了し、再び、舗装路となります。そして、右カーブを回ると、
どっひゃー!
何じゃこりゃー!!
路面消失・・・
先週、御荷鉾スーパー林道の大崩落跡を見たばかりですが、ここも法面からゴッソリ崩落していました。標高1,300m、ルートマップにオレンジ色の丸印を付けたポイントです。軽トラの人のコメント通り、酷い状況です。右サイドは、更に崩れてもおかしくない急峻な斜面でとても歩けません。僅か10mなんですが、迂回路は無く、撤退するしかありませんでした。
自転車を担いで山越えするというのが残された最後の手段かと、適当な場所を探しながら引き返しました。唯一可能性がありそうだったのが、この斜面です。
苦労してコンクリートブロックの上まで登ったのですが、その先の落ち葉ゾーンで膝下まで足が沈み込み、とても自転車を担いで進むことはできませんでした。
11:09@富士山を眺めながら昼食としました。
おにぎりだけの昼食に飽きて来たので、今日は、惣菜付きのおにぎり&いなり弁当。大峠で食べる予定でしたが、富士山を見ながらいただきました。
落石が多いし、路面の荒れた場所もあるので、慎重にダウンヒル。途中、山躑躅が綺麗だったのでパチリ。ヒルクライムの最中には、余裕がなく目に入らなかったようです。
12:07@林道起点まで戻って来ると、お帰りなさいと猫が出迎えてくれました。さて、これからどうしましょう?
道が崩落、消失してしまっているので、奈良子林道の復旧はかなりの時間がかかりそうです。自然林が多く、紅葉が楽しみな林道だったので、とても残念です。
走行距離:35.4km、獲得標高:1,016m、消費エネルギー:1,172kcal