新緑の御荷鉾スーパー林道(観能〜八倉峠)<後編>
御荷鉾スーパー林道の後編です。
大仁田ダムには、トイレやベンチなどがあり、休憩場所としてはベストでした。ただし、売店や自動販売機はありません。この先に控える最大の難所に備え、おにぎり1個とたまご蒸しパンを食べてエネルギーを充填しました。
11:17@大仁田ダムを出発。Peek3アタック開始。頑張るぞ〜!
気負って出発しましたが、いきなり斜度10%超の洗礼を受けます。10分ほど喘ぐと、ダムよりもずいぶん高いところまで来ていました。途中にダム湖へ向かう分岐がありましたが、とても見に行く余裕はありません。
さらに5分ほどで、見晴らしの良い場所に出ます。この谷筋のどこかに、朝に通過した南牧村中心部があるはずです。
11:34@いよいよ未舗装区間がスタート。
初めは土の道でしたが、すぐにいつものガレ道となりました。序盤は、ところどころ押し歩きするだけで、なんとか乗車して進めます。防虫スプレー効果で今日は問題なしと思っていた虫が、ここにきて出現。この虫、メマトイと呼ばれるショウジョウバエの一種だそうです。確かに目の周りを飛び交います。それにしても一番ハンドルから手を離せない場所で襲ってくるとは、敵も狡猾です。
12:05@中盤はフラットダートです。超楽しい!区間でした。もっと味わってゆっくり走ればよかったと今になって後悔しています。
次第に斜度がきつくなり、同時に路面もガレてきます。最初の斜度10%区間は、頑張ってクリアしたのですが、すぐに2つ目が現れギブアップ。押しに徹するしかありません。
12:44@屋敷山隧道に到達。K45の湯の沢トンネルがこの下を通っています。
トンネルの先に比較的新しそうな土砂崩れ現場がありました。ここは、大雨が降れば、まだまだ崩れそうです。
付近の山と同じ高さになってきました。このカーブの先が、Peek3じゃないかと期待しましたが、、、
残念!でした。
12:56@Peek3に到着。木立に隠れてよく見えませんが、特徴的な岩塊が目印。ガードレールのところから上野村です。ガーミンの表示を見ると、ちょうど標高1,111mを示していました。
40分ほど押し歩きしましたが、大仁田ダムから2時間はかかるだろうと覚悟していたので、少し早めに到着。おかげでゆっくり休むことができます。適当な場所がないので、木陰の地面に座り込んで休憩しました。
誰も来ない静かな空間を、気持ちのいい風が吹き抜けいきます。最難区間突破の余韻もあり、最高の気分でした。
13:18@おにぎりを食べて塩の沢峠へのダウンヒルを開始しましたが、林道の南に位置する山々が眼前に広がり、すぐにストップ。
K45旧道とのクロスするポイントまでは、ところどころに落石があるものの、快適なダウンヒルでした。
13:31@塩の沢峠に到着。「塩の沢峠」の標識はないかと探しましたが、それらしきものは無し、ちょっと残念です。直進すると下仁田方面で、朝確認したK93との分岐点の橋に出るはずです。スーパー林道は、右のガードレール方向。ここから展望台地点へのヒルクライムが始まります。
斜度7%〜9%の上り坂ですが、もはや脚が廻りません。Peek3攻略に全力を投入してしまったようです。焦らずに、暢んびり進むしかありません。
標識には、林道「住居附線」とあります。当然ながら「じゅうきょつきせん」と読み、頭の中を疑問符が飛び交いました。調べて見ると、笠松山の麓の集落の名前で「すもうづく」と読むことは判りましたが、その由来等は不明です。
13:58@森林伐採で視界が開けた場所に出ました。秩父方面のパノラマが広がります。
手前の新緑の淡い緑に包まれた山には、白いガードレールが見えます。V字型に谷を大きく回りこまなければ、あのガードレールには到達できません。
あそこまで行かなきゃダメかよ〜
と疲れた体には、凄く遠い場所に見えました。
このあたりから斜度が緩み、予想以上に順調に進みました。事前調査で読んだブログに登場した「我が家はヒルクライムを応援してます」と書かれた民家?の前を通過します。戸外のテーブルで談笑されている人達がいました。ここで暮らしているのでしょうか?それとも別荘?なんて考えながら先へ進みます。
さっきのガードレールはどこかな?と探しましたが、木々に遮られてこちら側からは視界がありません。
14:17@ガードレール位置を特定できないうちに、展望台入り口に着いてしまいました。「スーパー林道展望台 400m」と矢印は左を差しています。軽いギアを選択して、左折しました。
どうせ斜度10%の400mだろうと予想していましたが、それを上回る、斜度12%、Max15%の400mでした。ここは、最後の力を振り絞って頑張るしかありません。
この道は、車も通ります。運悪く遭遇してしまった場合は、安全第一に自転車を停めることをお勧めします。
頑張ったご褒美は180度のパノラマビューです。霞がかかっていますが、秩父から八ヶ岳のあたりまでをグルっと見渡すことができます。この展望台で、本日、最初で最後となるロードバイクの二人組とすれ違いました。
いつも山の名前がわからずモヤモヤするのですが、山の名前を記した写真があり、モヤモヤを軽減してくれました。それでも霞の影響で判りにくい部分があります。空気の澄んだ晩秋に訪れるしかありませんね。
展望台付近が今回のコースの最高地点です。最後のランドマークとなる林道大崩落跡へはダウンヒル、助かりました。途中で、神流町に入ります。
14:45@2007年の台風9号による大雨で大崩落が発生した場所に到達しました。正面に見えるガードレールまでの区間がごっそり崩落しています。
これまでも写真で見てきましたが、生で見るとやっぱり迫力が違います。特に、谷底へ何百メータも崩れ落ちている様子は、自然の猛威を感じます。と同時に、このポイントは絶景ポイントでもありました。霞んでしまっているのは残念ですが、妙義山方面の山並みを一望できます。
八倉峠へは、迂回路が設営されています。見た目は、これを上れるだろうか?と不安になりましたが、思ったより走りやすかったです。
500mほどで舗装路が復活します。途中に崩落箇所へ進む廃道がありましたが、流石とパスしました。
15:00@奇跡的に予定通り時間に八倉峠に到着しました。ここも「はちくら」と読むのではなく「ようくら」だそうです。
スーパー林道は、右へ続いています。50m先からガレガレの未舗装路になっているのが見えました。一日でこのスーパー林道を走りきってしまう方々は、本当に凄いです。
下仁田へのロングダウンヒルに備え、ここで最後のおにぎりを補給。標高1,200mですので、念のためウィンドブレーカを着用しました。
15:15@林道七久保橋倉線(延長10.4km)を下り始めます。
15:46@平原集落付近まで下ってきました。路面自体は悪くありませんが、落ち葉と落石のトラップ満載の下りです。ガーミンの表示は、かなりの部分で斜度-10%を表示していました。下ハンドルを握ってブレーキコントロールしないと握力が無くなると思います。途中で平原集落への分岐がありましたが、ほぼ直下降の下り坂でしたので、道なりに進みました。
更に、この橋から林道起点までの区間は、斜度15%以上の強烈な下りでした。御荷鉾スーパー林道の残りの部分に挑戦する際に、この七久保橋倉線を八倉峠へ上る案は、消滅しました。
15:52@林道起点を通過します。
平原集落からの道(右)と合流します。
前方に巨大な岩壁が見えてきました。地図上で坊主渕と記載されているところのようです。
16:07@K172に到達。ここから先は、安心してダウンヒルを楽しめました。ここでウィンドブレーカを脱ぐべきでした。下界は暑かった。
道の駅で帰り仕度をして、お土産の野菜を購入(こんにゃくが苦手のため、野菜しか買いたいものがありません)すると、すでに17:00です。下仁田の難点は、付近に手頃な温泉施設がないことです。帰宅が遅くなることを覚悟して、国道254線の偵察を兼ねて12km離れた荒船の湯まで行って汗を流すことにします。R254は幹線道路とあって日曜日にもかかわらず大型車両が通行しており、余り走りたくない印象の道でした。でも妙義荒船林道に行くためには、利用せざるを得ないのか、、、
荒船の湯は、ほどほどの入りでユッタリとお湯に浸れました。温泉施設にしては珍しく、湯温が高めでした。
GWとあって関越道は本庄児玉ICから渋滞32km。高速道路は諦めて、一般道を所沢まで走り、23:00に無事帰宅しました。
当初、スーパー林道という名前の響きに腰が引けていましたが、実際走ってみると見所満載の面白いコースでした。残り半分を秋には走破したいと思います。
走行距離:74.5km、獲得標高:1,695m、消費エネルギー:2,062kcal