Ride on a ちゃり

パワー不足のエンジン搭載ロードバイクの走行記録

2020-紅葉狩りライド:奥只見樹海ライン序章(南会津編)

紅葉の奥只見樹海ラインを走ることが長年の夢でしたが、ルートを作成しては、”私の脚力では無理じゃない…”と躊躇していました。しかし、今年の走行距離は過去最高を記録し、脚力も少しアップ。年齢を考えるとこれがラストチャンスになるかもしれないと決断しました。

当初の計画では、10/25昼に出発して新潟県小出に前泊、10/26早朝から枝折峠(しおり峠)にアプローチして、樹海ラインを走り、燧ヶ岳(ひうちがたけ)の麓を越えて福島県桧枝岐で宿泊。10/27は、元気であれば新白河まで走って東北新幹線、疲れていれば会津高原尾瀬口から東武線で帰宅の予定でした。天気予報で10/26, 27に晴れマークがあることを確認して宿を手配したのですが、出発当日になって新潟魚沼の天候が悪化、10/25, 26には雨マークが付きます。かろうじて10/27は曇りマークなしの晴れです。どうするべきかと悩んだ結果、10/25に会津若松で前泊、10/26は南会津を走って桧枝岐で宿泊、10/27に樹海ラインと、計画を変更。ガーミンのルート情報を急遽入替えて、あたふたと旅立ちました。

初日の10/25は基本移動日、磐越西線猪苗代駅から猪苗代湖岸を通り会津若松までの区間をのんびり走る予定でした。しかし、曇り空の郡山を列車が出発し、山間部に差し掛かると水滴が窓に付き始めます。猪苗代付近は小雨で路面はビチャビチャ。この日のライドは諦めて会津若松まで直行しました。幸い、会津若松に到着すると雨は止んだので鶴ヶ城観光ができました。

f:id:saetta0404:20201029211745j:plain

夕食後、テレビニュースで翌日の天気を確認すると、

福島県は、浜通り「晴れ」、中通り「曇り」、会津地方は午前を中心に「雨」

と衝撃の予報が告げられます。昨年の秋山郷も初日が雨だったことを思い出します。今回の旅の先行きに不安を感じながらの就寝となりました。

7:12@コンビニで二日分の行動食を調達して会津若松をスタート。宿で朝食を済ませて 8:00に出発の予定でしたが、天候を考えて出発を1時間繰り上げました。そんな訳でコンビニで朝食です。辛うじて雨は降っていませんが、路面にはたっぷりと水が浮いています。

f:id:saetta0404:20201029211810j:plain

この日のゴールは桧枝岐村ですが、予約した宿「七入山荘」は桧枝岐村の中心から更に5km程奥のため、走行距離は116km。獲得標高は、RIDEwithGPSの場合、表示の70%程度なので、1,800mと見積もりました。標高グラフの2つの突起部分はトンネルです。

7:57@会津盆地を南下して盆地の端に到達。県道131号線大内宿こぶしラインへと入ります。

f:id:saetta0404:20201029211834j:plain

白く煙った山並みが見えてきました。道路脇に設置された温度計は、7℃と表示しています。これから向かう氷玉峠(ひだま峠)は、冷たい雨との戦いになりそうです。

f:id:saetta0404:20201029211901j:plain

標高800m付近まで登ると山は色づいていました。平均斜度6%のヒルクライムのお陰で寒さも感じません。ここまでは、雨は時折水滴が顔に当たる程度で済んでいます。

f:id:saetta0404:20201029211925j:plain

f:id:saetta0404:20201029211943j:plain

9:28@氷玉峠(標高820m)。ここからはっきりと雨となりました。加えてダウンヒルが始まります。一枚重ね着をプラスしてダウンヒル開始しましたが、寒い!

f:id:saetta0404:20201029212004j:plain

9:52@寒さに震えながら大内宿に到着。観光する気分にもなれず、通りを往復しただけで出発します。平日、しかもこの天気なのに駐車場には待ち行列ができていて驚きました。

f:id:saetta0404:20201029212026j:plain

大内宿から国道121号線へのダウンヒルは、雨と寒さでこの旅一番の苦行となりました。関東平野は秋晴れなのに、俺はこんなところで何やってんだ?と思考は超ネガティブ。湯野上温泉を見て、このまま温泉に入って帰宅するべきかと真剣に考えました。とりあえず、コンビニでホットコーヒーとあん饅で暖を取り、一息入れます。少し回復した結果、最終判断は会津田島で行うことにして出発しました。

計画では、塔のへつりに立ち寄る予定でしたが、この天候でパス。大型車の水飛沫を浴びながらR121を黙々と走ります。

11:30頃@会津田島に到着、国道沿いの定食屋で昼食としました。入店の際に検温されるのですが、体が冷え切っているので測定不能となります。店員さんは「仕方ないですよね」と言って、入れてくれました。熱いお茶で冷えた体が生き返ります。

f:id:saetta0404:20201029212049j:plain

12:20@ソースカツ丼を腹に収めて会津田島を出発。地域共通クーポンを利用しました。お釣りは出ないので、1,000円近辺の料理を注文するのがポイントです。

12:27@右折が計画ルート、左折は撤退ルートとなる交差点。食事休憩中に雨雲ズームレーダーをチェックしたところ、只見方面に雨雲は無さそうです。折良く薄日も射してきました。これを信じて右へと進路をとります。

f:id:saetta0404:20201029212122j:plain

今回、出発直前でのルート変更がスムーズに行えたのは、こちらのブログのお陰です。ほぼこのブログで紹介されたルートをトレースしています。

a-perfect-day-for-cycling.blog.jp

13:13@七ヶ岳林道をチェック。当初計画(新潟側からのアプローチ)では、二日目にこの林道を走るつもりでした。この林道は次回のお楽しみです。この林道入り口を通過すると、本日二つ目のピークへのヒルクライムが始まりました。斜度9%程度の上りが階段状に出現します。

f:id:saetta0404:20201029212203j:plain

七ヶ岳林道入口

13:21@突然、曇り空に穴があき、青空が!この日初めてテンションが上がります。

f:id:saetta0404:20201029212146j:plain

13:48@駒止峠(標高940m付近)。本来の駒止峠は国道289号線の旧道に位置し、標高も1,135mですが、現在は全長2kmの駒止トンネルでショートカットされています。旧道の方に興味が湧きますが、ルートに組み入れるのは時間と体力的に厳しく断念しました。

f:id:saetta0404:20201031101121j:plain

トンネルを抜けると別世界。太陽の光が紅葉した山を照らします。諦めなくて良かった!と思った瞬間でした。

f:id:saetta0404:20201029212351j:plain

14:18@道の駅「きらら289」で休憩。食堂はすでに本日の営業を終了していたので、自動販売機でホットココアを購入して、おにぎりを食べます。ここまでの走行距離は81km、残りは35kmです。

f:id:saetta0404:20201029212418j:plain

14:37@紅葉を楽しみながら、国道401号線で伊南川を遡上します。

f:id:saetta0404:20201029212444j:plain

f:id:saetta0404:20201029212548j:plain

f:id:saetta0404:20201029212514j:plain

15:13@内川で今回の旅のメインとなる国道352号線に合流。しかし、残り24km(平均斜度2%)、日没までに宿に到着できるかが怪しくなって来ました。

f:id:saetta0404:20201029212615j:plain

先を急がねばならないのに、写真を撮りたくなるような場所が次から次へと現れます。

f:id:saetta0404:20201029212705j:plain

 

f:id:saetta0404:20201029212744j:plain

f:id:saetta0404:20201029212802j:plain

16:45@道の駅「尾瀬桧枝岐」を通過。すっかり暗くなりライトを点灯。気温も下降し7℃となります。

残り6km程のはずですが、もはや脚に余力はなく、時速10kmをキープするのがやっとです。真っ暗な山道のボッチ走行は心細く、まだかな、まだかなと思いつつペダルを回します。ブルペで夜間走行する人達は凄い!と改めて認識しました。

17:20@ようやく本日の宿「七入山荘」に到着。宿のおかみさんに「大変だったでしょう」と向かい入れられます。部屋に荷物を置き、風呂へと直行。疲れた体を湯船に浸けてホット一息。この日の緊張が溶けて行きました。

樹海ラインの入口に辿り着くために全力を出し切ってしまいました。明日の朝、体が動くのだろうか?と思いつつ眠りにつきました。

走行距離:116.5km、獲得標高:1,774m、消費エネルギー:2,482C