Ride on a ちゃり

パワー不足のエンジン搭載ロードバイクの走行記録

シルバーウィーク遠征一日目:林道湯沢線で毛無峠へ

2021.09.24

荒涼、殺伐とした風景が売りの毛無峠(標高1,823m)に行ってみようと計画を立て始めたのですが、意外とアプローチしにくい場所にあります。地図を眺めると、長野側の須坂から県道112号(大前須坂線)というのが自然なルートですが、途中に6kmに及ぶ勾配10%超の激坂区間が立ちはだかるのです。これを回避しようとすると、群馬側の万座温泉からアプローチする訳で、ルート的には、渋峠へ行った際に元気ならば立ち寄るというパターンとなってしまいます。ここはやはりr112の激坂突破か!と似たようなスペックのチェリーパークラインで予行演習などしてましたが、DUN氏のブログに以下の記事がアップされました。

なんと林道湯沢線を利用すると平均勾配7%で毛無峠にアプローチできるのです。14kmに及ぶ未舗装林道を私の技術と体力で突破できるかという根本的な問題がありますが、最悪のケース、押し歩きで突破することを想定して行動計画を作成すれば何とかなると判断。10月中旬の方が紅葉も楽しめてベストですが、日中の行動時間確保を優先し、天候も安定していたシルバーウィークに決行することにしました。

8:00@長野駅東口で輪行解除。観光色の強い善光寺口とは対照的、実用本意な駅前です。この大きな石のベンチは、自転車の組み立てにも、輪行袋を畳むにも役立ちました。支度を整え、コンビニで食料を調達しながら県道58号線を須坂方面に向かいます。今日のゴールは、草津温泉です。

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今回は一泊二日の旅で、自転車旅用に新たに購入したリュック(トランスアルパイン24L)のデビュー戦です。サドルバックなしで、一泊分の荷物を収納できましたが、手に持つとちょっとずっしりくる重さです。サドルバックも利用して荷重を分散させるべきだったか?と不安になりましたが、背負ってしまうとそれほどの重さを感じることなく走り切れました。

8:35@1998年の長野オリンピックのメイン会場だったエムウェーブの前を通過。この手のモダンな建築物は街の景観としてもアクセントになりますが、維持費かかるんだろうなぁ〜 と頭の痛いところです。

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8:44@屋島橋で千曲川を渡河。初めて走るコースは、周囲のあらゆるものに興味が湧くのでスピードが出ません。長野駅からこの屋島橋までは、6km程の平坦区間にもかかわらず30分もかかっています。須坂市に入ると緩く上りが始まりました。

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9:03@墨坂神社。立派な参道だったので、ここならトイレがあるかと自転車を押して探索。隣接する公園にトイレがありました。勿論、旅の安全祈願も行いました。帰宅後、「須坂市 墨坂神社」で検索すると、須坂には墨坂神社が2つあることが判明。私が立ち寄ったのは、墨坂神社(八幡)の方でした。

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須坂駅を通過し県道54号線に入ると平均4,5%の勾配が始まります。ラストコンビニは高山村千本松でした。道は徐々に勾配をアップさせながら、果樹園の斜面を上って行きます。この区間は、日陰は全くないので、夏場は危険そうです。

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10:09@チャオルの森を過ぎると山がグッと迫り、決戦の場が近づいていることがわかります。

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10:16@山田温泉方面と万座温泉方面の分岐。万座温泉方面へ進むと、r112の激坂区間がスタートしました。直線的な10%超の上りが続きます。交通量が少ないことだけが救いです。

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10:30@激坂を1km程這い上がったところに林道湯沢線への分岐がありました。ストリートビューで確認した際には、「福井原ゴルフ場」という目印となる看板があったのですが、既に無くなっていました。

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柞沢川(ナラサワガワ)に架かる橋を渡ると林道湯沢線起点(延長17.895km)の標識があります。左折すれば湯沢林道ですが、薄暗い如何にも怪しげな道です。ストリートビューで予習していたので、直進して福井原集落を抜ける道を行きました。

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10:39@福井原集落のはずれの防獣ゲートのところでエネルギー補給。

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10:56@毛無峠へと出発。道は湯沢林道と合流し、林間の静かな舗装路が続きます。

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11:05@林道ゲートを通過するといよいよ未舗装路スタート。桶沢川の橋まで下ると、再び林道湯沢線起点(延長14.368km)の標識が出現、距離が3km程短くなっています。ガーミンの走行距離を確認して、林道終点の走行距離の見当をつけました。これが後々役立ちます。

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橋を渡ると再び舗装路となり、ちょっと肩透かしですが、いい感じの林道です。

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11:16@ジグザグと森の中を上って行くと、唐突に未舗装路がスタートしました。勾配6,7%のよく整備された道です。ダート区間は快適、石の多い区間もしっかり走行ラインが確保できます。

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走りやすいと油断していると、所々に罠が仕掛けられていています。

よく整備されている=補修工事が行われている

な訳で、雨で路面が流れたような場所は、土砂が投入され、たっぷりと小石が撒かれていました。こんな場所にうっかり突入するとズルっとなります。この日、林道で遭遇したのは、オフロードバイク5台、軽トラック2台で、これらの車両の轍跡があるのですが、轍跡が明瞭な場所(路面が柔らかいと跡が付く)ほどスリッピーでした。

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12:09@閻魔橋(2つ目の起点から5km地点)に到着。この林道の数少ないランドマークです。ここまではとても順調だったのですが、、、

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閻魔橋から下流方向

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閻魔橋から上流方向

12:25@エネルギー補給をして閻魔橋をスタートすると、押し歩きとなりました。見た目には、石の量が若干増えたものの路面に雨裂などはありません。しかし、昨今の気象状況を考えれば、この手の山岳ルートに水の流れた痕のない方がおかしいです。そうなんです。この林道は、本当によく整備されているのです。従って、この上りはズルズル、私の技量では太刀打ちできませんでした。

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13:00@30分押し歩いて次の橋を通過。閻魔橋以降の橋は、桶沢川に流れ込む沢筋に架かる橋です。この辺りから再び乗車できるようになりましたが、一進一退の状況です。

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13:11@石南花橋(2つ目の起点から6.8km地点)を通過。ほとんどランドマークのない林道なので、橋梁は記録しておきます。

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13:22@最近路肩の整備が行われた地点。ご覧の通り、大量に砂利が投入され、自転車にとってはトラップゾーンと化しています。疲れが蓄積し、スリップした際のバランスコントロールが辛くなり、押し歩く区間が次第に増えて行きます。

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道端にトリカブトを発見。季節の野草の花に巡り合うと、何となく嬉しく、元気付けられます。

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14:00@押し歩きに疲れて休憩。ガーミンの走行距離からすると、林道終点まで、まだ4kmはありそうです。日没までに草津の宿に到着できるか怪しくなってきました。

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14:25@こんな風に補修されている区間もありました。自転車的には、この補修仕様を全面的に支持します。

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山の稜線からガスが降りてきました。これは、毛無峠は真っ白かもしれません。

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14:33@休憩ポイントに予定していた土管のように見えるベンチのある場所を通過。ゆっくり腰を落ち着ける場所のない林道に設置された貴重な人工物です。このベンチ周辺には、リンドウが群生していました。

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14:36@両沢橋(2つ目の起点から12.3km地点)。残り2km程ですが、足取りが更に重くなって来ました。

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14:45@山肌にr112の白いガードレールが見えたときには、ホッとしました。少し先で林道工事の人に、「バイクは時々見るけど、自転車は初めてだ!」と驚かれ、「あとちょっとだから頑張れ!」と激励されます。

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15:13@林道湯沢線終点に到達。閻魔橋からの9kmに3時間を要しましたが、ともかく湯沢林道突破。天国のような走り心地の舗装路を毛無峠へと向かいました。

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15:18@予想通り毛無峠はガスっていましたが、風もありました。標高1,823mの風は冷たく、ウィンドブレーカーを着込みます。風でガスが吹き流されて、時々陽が射すという慌ただしいコンディションの中、ガスが消えた瞬間を狙って何とか写真を撮影。荒涼とした峠を堪能する予定でしたが、大幅遅れの到着となってしまい、日没時間が気になります。このルートはリベンジすることにして、峠を後にしました。

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標高1,900mは、黄色く色づき始めていました。

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15:55@県道466号号牧干俣線との分岐に到着。ここから万座温泉(標高1,750m付近)まで下り、白根山(標高2,000m付近)まで上り返す必要があります。消耗した脚で距離10kmの山岳ルートかと弱気になります。

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16:17@万座温泉が見えて来ました。ここまでは下り区間、問題はこの先です。

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万座プリンスの先からr466ヒルクライムが始まりました。万座温泉でボトルに水を補給できることを期待していたのですが、自動販売機を発見できず、水無しの辛いヒルクラとなります。それでも平均勾配6%と脚を回せるギリギリのラインだったので救われました。

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17:00@R292交差点に到着。本日二度目のホッとしましたです。

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17:07@夕日に染まる白根山の紅葉。こんなタイトルの写真を撮ることになるとは、全くの想定外です。

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白根山からは、R299を直滑降して、草津の宿に18:00過ぎに到着。とりあえず無事?に遠征一日目を終了しましたが、体はボロボロ、明日は大丈夫か?

走行距離:68.8km、獲得標高:1,686m (STRAVA 2,044m)、消費エネルギー:2,200C