南房総林道巡り
南岸低気圧の春の雪で会社から見える丹沢の山並みは白に戻ってしまいました。すぐに溶けるだろう雪ですが、週末(3/25)はまだ影響が残っていそうです。山がダメなら花見に行こうかと思いましたが、南足柄の桜はすでに先週満開を迎えており、タイミングを逃しています。それじゃ秩父周辺は?と調べて見ると、まだ蕾のようです。どうにも選択肢がなくなった結果、久しぶりに房総半島に遠征することにしました。
4:45@まだ暗い時刻に久里浜を目指しスタートします。今日の目的地は南房総、行動時間確保のためにできるだけ早いフェリーに乗らねばなりません。房総半島遠征は、この早起きが辛いのです。
5:31@野島公園の付近で明るくなってきます。日の出も大分早くなってきて、6時前に日の出を迎えました。
結局、始発のフェリー(6:20)には間に合わず、7:20発のしらはま丸に乗船しました。自転車4台で乗船待ちをしていると、直前に10台規模のグループが到着し、係の人は大慌てです。
8:05@浜金谷を出発。保田からカエルの鳴き声を聞きながら早春の長狭街道を行きます。今日は、佐久間ダムを経由して、林道を巡りながら野島崎を目指す計画です。
この時期は、朝と昼の寒暖差への対応が必要です。早朝は冬仕様で着込んでスタートしましたが、日差したっぷりで暑くなってきたところで、重ね着していたアンダーを一枚脱いで、薄手のアンダーと春物ジャージの春仕様の装備にチェンジしました。
8:49@長狭街道の上り区間がスタートすると、すぐに佐久間ダムへの分岐ポイントがあります。この分岐で撮影していると、頻繁に車がここを曲がって行きます。天気が良いので、皆さん花見でしょうか?
8:56@少しタフな坂を上り切ると湯沢隧道。短いトンネルを抜けると大崩(をくずれ)です。
Google Mapに、「をくずれ水仙郷」とあったので少し先まで探検してみましたが、すでに水仙は終了していました。しかし、大崩地区は、静かな山里で景色もよかったです。大山千枚田へ行くのならば、長狭街道よりこちらを走った方が楽しそうです。
探検は早々に切り上げて、佐久間ダムへ気持ちのいいダウンヒル。ダム付近の丘の上に黄色い菜の花ゾーンが見えました。
一旦ダム湖の湖畔に出てから、先ほどの菜の花ゾーンを探してウロウロしていると、こんなところに迷い込みました。所謂ダート、土の道です。
楽しいダートなのでさらに先に進みます。
オ、トッ、ト!!
もうちょっとでダムなのですが、電柵に行く手を阻まれました。自転車を担いで越えようかと思いましたが、「高電圧」の三文字に威圧されて大人しく引き返します。
長閑な湖畔を周回し、佐久間ダム湖親水公園に出ました。
この公園も桜の名所のようですが、まだ五分咲きです。南房総が五分咲きなのに、東京都心部は満開というのが、どうにもしっくりきません。
9:45@ダムからひと山越えて県道184号線へ出ましたが、もっと楽な道もあったようです。
184号線の序盤は静かな里山の中を走る快走路、いい道だなぁ!と思ったのですが、道路脇にあの黄色い標識が現れます。
12%
???? Stravaに「県道186号線climb:距離1.62km, 高度差113m」として登録されている区間で、ここが本日最も斜度の厳しかった区間でした。
9:58@ヒルクライム終了。今日のコースは最高地点でも標高200m未満ということで、完全に油断していました。奥武蔵の壁の経験を全く活かせていません。
184号線のピーク地点からは、3kmのダウンヒル。広い道幅、綺麗な路面、少ない車、信号機なしと条件は揃っているので、私でも平均速度35km/hで快調に進みます。
10:07@特徴のある伊予ガ岳が見えてきます。昨年の嶺岡林道の帰路にこの場所を通過したことを思い出しました。
平久里川に沿って県道88号線を南下していきます。田園地帯の信号のほとんどない道はストレスフリー、海岸線を南下するよりもこちらの方が好きです。
養老渓谷もドヨ〜ンと流れていましたが、平久里川も同じです。逆に、これが房総の川の特徴です。
10:31@道の駅「三芳村 鄙(ひな)の里」で休憩&エネルギー補給。この道の駅は、ちょうどいい場所にあるようで、この日もたくさんのロードバイクが集結していました。
この先は補給ポイントが乏しくなるので、おにぎり(1)、ミニあんぱん(1)、ソフトクリームの載ったコヒーゼリー(1)としっかり補給して道の駅を出発しました。
安房GLは、以前に走ったことがあるので、今日はこんな道を走ってみます。
Google MapのStreet Viewで事前に確認しておいたグラベル。初心者の私の練習用に最適です。
まだ三月ですが、房総の田圃ではすでに田起こしが始まっていました。
ここからが、本日のメーンイベントです。普通であれば、快走路の安房GLを進みますが、林道マニアとしては、小松林道、山倉林道、千倉林道、畑林道1号線、2号線と走り野島崎を目指します。
11:30@県道188号線との交差点を過ぎるとすぐに小松林道の入口があります。
出だしは集落と集落を結ぶ古くからの道です。道沿いに石仏があり、これは何だ?とよくよく見ると六地蔵でした。
11:38@どこから林道になるのかと思いながら走っていると、すごく雰囲気のある小松寺の参道が現れました。
檀特山(だんとくざん)小松寺が正式名称で、小松寺のHPによると千年以上の歴史がある寺院のようです。苔むした参道に惹かれて参拝してみましたが、気持ちの休まるとても良い雰囲気のお寺でした。境内には、カエデの木があったので、紅葉のシーズンは絶景ポイントになると思われます。
小松寺を過ぎると、林道区間です。強烈な上りはなく、ゆるゆると登っていきます。マムシグサが、日当たりの良い路肩に、青々とした葉を展開しているのがとても印象的でした。
途中に、乙王の滝というマイナーな観光スポットがあったのですが、今日は先を急ぎます。
ピークには、トンネルというのが今日の林道のお約束です。1つ目のトンネルは普通のトンネルでしたが、2つ目は、房総半島らしい手掘りトンネルでした。
12:07@安房GLに一度復帰し、少し走ってから次の山倉林道に入ります。林道入口の標識を撮影したかったのですが、地元の方が車を停めて仕事の準備中のため撮影できず、少し物足りない構図となりました。
山倉林道は未舗装路と思っていたのですが、綺麗な舗装路で、アレ?です。斜度は小松林道よりもアップしますが、まあ普通です。
12:18@尾根筋まで上るとお待ちかねのダートが出現しました。戸川林道や西山林道のガレた道とは大違いの走りやすい未舗装路です。私でも乗車率95%ぐらいで走れました。
難所は水溜りだけです。ここが本日最大の水溜りで、アメンボがたくさんいました。
時々、視界が開けるのですが、山しか見えません。1kmほどで未舗装路は終了しました。
12:33@地層の切り通しを通過。離れたところからは、崖崩れ防止にコンクリートが吹き付けられた壁に見えたのですが、近づくと地層むき出しの崖であることに気がつきました。
道は再び未舗装となります。先ほどの部分より少し小石が多くなりますが、乗車して通過できるレベルでした。
シダの葉のサイズが丹沢の山中で見るよりも一回り以上デカイ!南房総サイズです。
12:45@林道入口で撮影できなかったので出口で標識を撮影。ちなみに小松林道、山倉林道で出会ったのは、ハイカー2組、山仕事の軽トラック1台です。
ガーミンにインプットした地図に従って千倉の街の周辺部を移動し、次の千倉林道に向かいます。途中に日本で唯一料理の祖人を祀る高家(たかべ)神社があり、立ち寄る予定でしたが、いつも通り、時間がなくなりパスしました。
12:54@千倉林道入口に到着。ガードレールに自転車を立てかけ、山へ突入する前にエネルギー補給(エナジーゼリー、おにぎり、ミニあんぱん)をします。誰も通りませんので、地べたに座り込み、日差しを浴びてのんびりしました。
千倉林道は、全面舗装路、前半は極々普通の林道でした。
13:27@ピークのトンネルのあたりから道路脇の堆積物が急増します。
そして、トンネルを抜けると道の様相が一変しました。路面はコンクリート舗装となります。木の枝が散乱した道を慎重に下っていきます。
13:36@瑞龍院のところで、林道区間で初めて三人組の自転車と遭遇。休憩してなにやら相談している横を「今日は」と挨拶を交わしてすれ違いましたが、彼らはあの荒れた道を登っていったのでしょうか?
13:39@再び安房GLとクロスするポイントが千倉林道の出口です。次の畑林道1号線へは、このまま直進しますが、その先でミスコースしました。
ガーミンがミスコースのアラームを鳴らします。ガーミンのルートマップは非常に便利なのですが、ルート作成時に並行する人しか通れない道を選択したことが原因でアラームが鳴ることもしばしばです。この時も、途中にそれらしき分岐が存在した記憶がなかったため、ルート作成の問題と思い、そのうち復帰するだろうと先へ進んだところ、こんな道になってしまいました。
さすがと、これを見て観念しました。この未舗装路がどこに続いているのか調査したいところですが、もう時間がありません。(多分行き止まりです。)
今度はガーミンを信じて1kmほど戻り、13:51@林道畑1号線入口を発見しました。このポイントで左へ行かなければならなかったようです。普通に判断すると、右がメインルートで、左は、民家の庭先か、畑にでもおりて行くような脇道でした。
安房GLの下を潜り、枯れ枝が散乱したコンクリート舗装の道をズンズン進むと、トンネルがあり、それを抜けて少し行くと安房GLに突き当たります。これで三度目です。
13:57@林道畑2号線入口が、安房GLの反対側に見えます。この2号線の入り口で、小松寺ですれ違ったハイカーと再び出会い、挨拶を交わしました。私が、山倉林道、千倉林道と走る間に、彼はここまで歩いたようです。
事前の情報蒐集で、この畑2号線はかなり荒れている印象を受けたのですが、前半戦の上りは予想に反して普通でした。
14:05@しかし、トンネルが近付くにつれ、急速に路面状況は悪化していきました。どうやら雨が降るとこの部分は川と化すようです。
更にトンネル入口には、落石が散らばっていました。トンネル天井部分の地層が剥がれて落下したようで、いつ頭上から石が落ちてきても不思議ではない感じです。危ないですが行くしかありません。危険を覚悟でトンネルに突入しました。トンネル内もどこに石が転がっていてもおかしくないので、乗車はせずに押し歩きです。
トンネル出口もご覧の荒れようでした。やはり水に流されてきたものが堆積した感じです。障害物を避けながら慎重に下るしかありません。
14:11@暗い森を抜けると一瞬で空と海の明るい世界に飛び込みます。安房GLのトンネルの真上あたりです。このシーンの切り替わりが畑2号線のハイライトですね。
金谷から6時間かけて太平洋に到達しました。海岸線を野島崎へ向かいますが、向かい風で少しへこたれます。
14:29@野島崎に到着。本日のミッション完了です。
ミッション完了?というか、今日の往路が完了しただけです。復路に備え、休憩を兼ねてガッツリ食べておくことにしました。磯料理「みずるめ」で地魚のフライ定食(1,000円)を注文、本日の地魚はキスです。天ぷらではなくフライというのは初めてで、あっさりとした味のサクサクしたフライを美味しくいただきました。
15:20@金谷のフェリー乗り場を目指して野島崎を出発。県道86号線で房総半島先端部分を縦断し、最短距離で館山に向かいましたが、もはや脚に力がありません。館山からは、国道127号線を進みますが、斜度2,3%の坂にも四苦八苦する始末です。頭の中で、「休憩!」、「休〜憩〜!」と叫ぶ声が聞こえますが、休めば17:20のフェリーには間に合わないので、グッとこらえて脚を回し続けました。
17:05@心配していたフェリー乗り場付近での渋滞もなく浜金谷に到着。17:20のフェリーに乗船できました。
これまでの房総半島遠征では、この帰路のフェリーの30分間で、かなりの疲労回復を図れたのですが、今回は回復度20%程度。自宅までの35kmの途中でエネルギーポイントが底をつきました。最後はペダルを回しては慣性で進むの繰り返しで、這うように帰宅しました。コース的に余り期待できなかったので色々詰め込んだのですが、見所、走り所満載で、欲張りすぎました。
走行距離:175.9km、獲得標高:1,388m、消費エネルギー:3,463kcal