真城峠、戸田峠を越えて西伊豆スカイライン、富士山は見えるか?
3月に初めて西伊豆スカイラインを訪れ、天空へ駆け上がる道に感動しましたが、富士山を拝むことができなかったことが心残りでした。再訪のチャンスを伺っていたのですが、この一ヶ月でグッと気温が下がり空気も澄んできて、いざ決行!です。前回は、最もポピュラーな修善寺ルートで臨みましたが、今回は、沼津から海岸線を走り真城峠(「さなぎ峠」と読みます、難読地名です)、戸田峠を超えて行くこととしました。
5:38発の根岸線で大船へ出て、6:04発の沼津行きの東海道線へ乗り込みました。最前部の車両には既に3台の自転車、考えることは皆さん同じのようです。熱海、函南、三島とそれぞれの目的地へ向かわれました。土曜日でしたので通勤、通学の人の流れがそこそこあり、座ることなく沼津に到着。このルート、楽するにはグリーン車を使うしかなさそうです。
7:54@沼津駅をスタート。地図とルートはガーミンに仕込んできたのですが、通常のスタートボタンを先に押したところ、ルート案内が動作せず途方にくれます。何らかの起動方法はあるはずですが、操作性が高いとは言えないガーミンですので簡単には解りません。仕方なく山勘でこっちが海だろうという方向へ走り始めました。
沼津の街を少し迷走しましたが、案内標識に救われました。迷ったことで狩野川に掛かる橋を通過したのですが、さっそく白い富士山を見ることができました。邪魔な雲が消えれば完璧です。
国道414号線沿いのセブンイレブンで朝食を食べて、補給食を調達。前回、補給食が足らなかったことを反省して、おにぎり2個、4個入りミニあんぱん、羊羹1個(持参)、エナジーゼリー2個(持参)、水500mlと重装備です。
8:51、トンネルを抜け県道17号線に入ると、江浦湾が眼前に広がりました。ここから青の世界を走り抜けます。
9:02@内浦湾淡島の富士山ビューポイント。期待した景色を見ることができました。
湾の反対側には、今日の目的地の山並みがドーンと聳え立っていました。本当にあの上まで行くのか?と思ってしまします。
ヨットハーバーと富士山。
そして西浦から駿河湾越しのパノラマ。各駅停車状態です。日常的にこの風景を見ていると生活感、人生観が違ってくるよな〜、なんて考えてしまいます。
9:41、古宇から県道127号線に入り、いよいよヒルクライムの開始です。
事前の情報収集で、真城峠までは5kmで470mアップと厳しい登りを覚悟していました。が、前半2kmは、斜度7、8%で穏やかに上がって行きます。
途中に視界がひらけた場所がありましたが、眺めは残念です。
10:01、前方に怪しげな傾斜のカーブが見えます。場数を踏んできたので、危ない気配を察知する能力が高まってきており、頭の中で黄色の信号が点滅しました。
カーブを曲がると予想通り10%超区間がスタートしました。繰り返し10%超区間(最大斜度13%)が襲いかかってきます。路面の状態は良いものの、12%が延々と続き、筋肉が悲鳴を上げ始めます。交通量が少ないのが救いで、蛇行しながら時速4kmでとにかく前へ進みました。エンジンもオーバーヒート気味、走りながらウェアのファスナーを開いてクールダウンさせる必要がありました。
少し斜度が落ち着つき、峠が近い雰囲気となってきたので、「ここまで来れば安心です」と書くつもりで写真を撮りましたが、この後も10%の登りが現れました。私の危険察知能力もまだまだです。
10:42@真城峠に到着。逆光のため戸田方向から撮影しています。少なくとも夏場は早朝以外この峠越えはお勧めできません。
真城峠からの眺めです。苦労した割には、インパクトが全然ありません。
せっかく登ったのに100mほどダウンヒルします。10:54@県道18号線に合流し、左折して戸田峠へ向かいます。合流地点の18号線の斜度は11%、ギアチェンジを忘れて飛び込んだので、ペダルが廻せなくなって転倒しそうになりました。
戸田峠まで4kmで400mアップ、平均斜度的には真城峠より厳しいスペックです。しかし、18号線は最大斜度が11%でしたので、走った感覚では少し楽でした。比較の対象がおかしいですが、、、
18号線は、はじめに谷筋の南側斜面を進み、後半は折り返して北側斜面を登っていくようなルートでした。走り始めて少しして、北斜面の上〜の方に白いガードレールを発見した時には、ヤッパリねと溜息が出ました。
11:24、北側の斜面を登っていると、眼下に戸田の街が見えてきて、少し元気が湧いてきます。
11:42@霧香峠(むこう峠)の展望所に到着。100m先は戸田峠ですが、日当たりも良かったので、ここで一息入れました。ベンチ等はなく、石垣に腰を落ち着けました。
展望所ですが、眺めは今一つ。登ってきた道筋がガードレールで確認できたくらいでした。
おにぎり1個とエナジーゼリーを補給し、西伊豆スカイラインへ突入しました。11:59@戸田峠を通過します。数台の自転車が駆け抜けて行きました。修善寺ルートの時は、ここを11:03に通過していますので、だいぶ遅れています。雲も少しかかってきました。
12:19@西伊豆スカイラインのビューポイントに到着すると、
な、何と空に浮かぶ富士山!!
また一つ、ミッションコンプリートです。眼下の戸田の街並みもバッチリです。
ビューポイントからひと登りしたところで振り返ると、山頂に雲がかかり始めていました。どうやらギリギリのタイミングで間に合ったようです。
そして次は、天空のコーナー、
青空はどこへ行ったんだ〜〜
青空がないとただの10%坂です。
午前中、暖かかったので水蒸気を含む上昇気流が発生、それが冷やされて山の上には雲が形成されてしまいました。ほぼ無風でしたので、雲に動きもありません。青空めがけて駆け上がる夢は敗れました。
戸田駐車場で、今日のルートを再検討しました。仁科峠まで行く計画でしたが、既に12:30を過ぎており、私の脚力では仁科峠到着は14:00頃になりそうです。日没を考えると時間的余裕はほとんどありませんし、この雲では景色も期待できません。そこで計画を変更、新たな目標は、
達磨山登頂!!
ランニングシューズに履き替え、12:48@達磨山登山開始です。入口の標識に頂上まで0.7kmとあります。
な〜んだ、すぐじゃん!
拍子抜けする距離です。
登山道に階段が現れます。この階段の段差が、真城峠に痛めつけられた脚には少し辛い。階段じゃなくてハードルじゃないか!と愚痴をこぼしながら進みます。
尾根筋に出ると、頂上が見えてきました。
ピークを一つ越えるともう山頂です。
13:05@達磨山登頂成功。標高982mですので、駐車場から100mアップしました。
付近に高い山がないため360度の眺望がありました。眼下には、朝走った内浦湾の風景が広がっています。
西伊豆スカイラインもここから見れば、伽藍山まで見通せます。僅か700mの登山で、この風景を堪能できますので、ここはお勧めです。天気の良い日は行かなければ損とも言えます。でも風の強い日は、遮るものが何もありませんので超危険スポットに豹変しそうです。
本日の上りは終了で、伽藍山から船原峠へダウンヒルを開始。途中の土肥駐車場に立ち寄ると、14:00にして既に夕方の風景でした。
修善寺へ向け西伊豆バイパス(国道136号線)を走っていると紅葉が見頃でした。期待していなかったのでラッキー!今年の紅葉もこれで見納めです。
帰路は、修善寺から輪行。15:38の修善寺発特急「踊り子」に乗車、横浜まで乗り換えなしは便利です。しかし、「踊り子」の座席は狭くてNG、疲れた脚を伸ばせません。最後部座席の後ろにスペースはあるのですが、壁にテーブルが固定されていて自転車は置くとシートは倒せません。「はまかいじ」と同じく乗車口デッキに置かせてもらいました。
富士山を堪能できたので今日は90点、天空の道で10点減点です。100点取るには、再挑戦するしかありません。
走行距離:61.3km、獲得標高:1,190m、消費エネルギー:2,082kcal