Ride on a ちゃり

パワー不足のエンジン搭載ロードバイクの走行記録

天城峠を越えて八丁池へ

伊豆半島の色々な場所に行っていますが、まだ、天城峠を訪れたことはありませんでした。川端康成の「伊豆踊り子」や、石川さゆりの「天城越え」などで超有名ですので(この2つを並記するのも妙ですが・・・)、すっかり観光地化しているだろうと思っていたからです。しかし、旧下田街道が未舗装のまま残されていたり、途中に接続する寒天林道から八丁池探訪も可能なことを知り、俄然興味が湧いて来ました。後はいつ決行するかだったのですが、三連休は天候も安定しそうです。この秋のラストチャンス!と行ってきました。

f:id:saetta0404:20181124110548j:plain

「天城の瞳」の愛称、「青スズの池」の別称でも呼ばれる八丁池

7:40@久々の早朝輪行函南駅をスタート。東海道線は、函南からJR東海エリアのため、改札でSuicaの精算が必要でした。

f:id:saetta0404:20181124110618j:plain

クリアに見える富士山が、冬の空気の到来を教えてくれます。

f:id:saetta0404:20181124110634j:plain

狩野川の土手の道は、よく整備されており、超快走路でした。

f:id:saetta0404:20181124110659j:plain

f:id:saetta0404:20181124110717j:plain

まだ、鮎釣りができるのですね!

何度見ても惹きつけられる大仁城山。瑞牆山にせよ、妙義山にせよ、岩峰にはパワーがあります。

f:id:saetta0404:20181124110736j:plain

f:id:saetta0404:20181124110751j:plain

余りに天気がいいので、西伊豆スカイライン経由で天城峠というプランが浮かびますが、私の脚力では八丁池と西伊豆スカイラインを両立させることは不可能ですので、諦めます。

9:05@修善寺を通過。ここからは、狩野川左岸の国道139/414号線と右岸の県道349号線という選択肢があります。今回は、交通量が少ないことを期待してr349を走りました。

r349も湯ヶ島温泉に通じる道です。交通量は決して少なくありませんが、ストレスを感じるほど多くもありませんでした。信号は皆無でしたが、見所も皆無です。被写体は狩野川の流れくらいでした。

f:id:saetta0404:20181124110811j:plain

春日神社付近、建設中の天城北道路の高架橋

f:id:saetta0404:20181124110825j:plain

松ヶ瀬付近の吊り橋の上から撮影

9:48@明徳付近でR414と合流。アップダウンを繰り返していた道は、ここから上り基調となります。

f:id:saetta0404:20181124110848j:plain

湯ヶ島の街を通過中に、横道の先の寺院が目に入り、ちょっと寄り道。自転車旅の楽しさです。

f:id:saetta0404:20181125060419j:plain

しろばんばの里:弘道寺

10:18@浄蓮の滝で休憩し、観光&エネルギー補給。柱状節理という特徴もある日本の滝百選の一つです。ワサビ田とセットで一度は訪れても良い場所です。ただし、滝までに約200段の階段があります。

f:id:saetta0404:20181124110907j:plain

f:id:saetta0404:20181124110928j:plain

400番台の国道ですが、R414(下田街道)は道幅も広く整備されていました。平均斜度も5%程度で、苦しいヒルクライムの記憶はありません。しかし、西伊豆スカイラインの後に走るとなると、印象も違ってきそうです。

f:id:saetta0404:20181124110952j:plain

10:48@浄蓮の滝で休憩したので道の駅「天城越え」は通過です。道の駅の公園スペースのモミジは綺麗に色付いていました。

f:id:saetta0404:20181124111013j:plain

11:06@旧道の分岐点に到着。案内標識に「水生地下駐車場」と記されています。こんなところに観光用の地下駐車場を建設したのかと驚きましたが、帰宅後に調べて見ると、水生地下(すいしょうちした)という地名でした。もちろん、地下駐車場はありません。

f:id:saetta0404:20181124111034j:plain

ここからが、今日のメイン区間(約19km)です。水生地下(標高607m)、旧天城山隧道(標高708m)、八丁池(標高1,170m)と高低差600m弱のヒルクライムコースとなります。

f:id:saetta0404:20181124124218p:plain

11:08@旧道入口は舗装されていましたが、直ぐに未舗装路となります。車両通行可で、路面はよく踏み固められていました。細いロードのタイヤでも注意すれば走行可能なレベルです。

f:id:saetta0404:20181124111056j:plain

f:id:saetta0404:20181124111119j:plain

11:16@銘板に白橋とある橋付近の地名が水生地です。白橋の先で八丁池へのハイキングコース(本谷林道)が分岐していました。

f:id:saetta0404:20181124111135j:plain

水生地付近の渓流

11:27@時代を感じる旧天城山隧道(長さ445.5m)に到着。定番の峠の茶屋があるかと思っていましたが、トイレがあるだけでした。旧道入口から隧道までに遭遇したのは、タクシーを含め4,5台の車と徒歩のグループ1組です。祭日でもこの程度の集客とすると商売は厳しそうですね。

f:id:saetta0404:20181124111423j:plain

トンネル内に照明はありますが、決して明るくはありません。この隧道の雰囲気を壊さないレベルの照明です。ライトを点灯してトンネルを通過しました。結構長く感じます。

11:42@苔むした寒天橋までダウンヒル。橋の欄干に腰を下ろし、おにぎりを食べて、八丁池探索に備えました。この時間帯、天城山上空には雲がかかり、少し寒いくらいです。今週は、冬装備で正解でした。

f:id:saetta0404:20181124111444j:plain

寒天橋から舗装路復活

寒天橋のたもとが寒天林道の起点です。この林道、林業関係車と路線バスのみ通行可です。

f:id:saetta0404:20181124111513j:plain

寒天林道入口は、巻き取り式のワイヤーゲート。

11:50@八丁池探索スタート。渓流に沿って上って行く道は、そこそこの斜度です。しかし、交通量はほぼゼロですので、道幅いっぱいを利用してマイペースで走れます。落石等はなく路面状態は良好でした。

f:id:saetta0404:20181124111549j:plain

九十九折れの区間となるとカーブの勾配が斜度10%超となりますが、先週の虫沢林道ほどは過激ではありません。周囲の景色で気分を紛らわせながら、ゆっくり上って行きました。森の中から鹿の鳴き声が聞こえてきます。

f:id:saetta0404:20181124111612j:plain

f:id:saetta0404:20181124111647j:plain

f:id:saetta0404:20181124111703j:plain

f:id:saetta0404:20181124111719j:plain

12:38@終点のバス停、八丁口に到着。ちょうどこのタイミングで路線バスがやってきました。

f:id:saetta0404:20181124111744j:plain

八丁口は、方向転換の為のロータリー

12:41@八丁口からはハイキングコースとなります。激坂区間の存在を察知していましたが、全般に情報不足でした。そして実際に目の前に現れたのは、コンクリート舗装の超激坂区間でした。ガーミンが表示した最大斜度は16%、勿論、私は押し歩きです。

f:id:saetta0404:20181124111811j:plain

八丁池周辺は、天城の人気コースです。それなりの数のハイカーがいるので、孤独感はありません。

三筋山への分岐を通過すると、道は未舗装となりました。斜度とガレ具合からここも押し歩きます。自転車を八丁口に置いてくるのが正解だったのではと思い始めます。

f:id:saetta0404:20181124111842j:plain

12:56@巨石のある左カーブ。ここから斜度が緩み、乗車が可能となりました。自転車を押してきた甲斐がありました。

f:id:saetta0404:20181124111911j:plain

樹皮のないツルツルした赤褐色の木が出現。ヒメシャラというツバキ科の落葉高木だそうです。

f:id:saetta0404:20181124111942j:plain

13:02@八丁池まで1.6kmの標識を通過。自分の感覚的には、2kmは進んだつもりだったので、「寒天駐車場0.6km」という表示に衝撃を受けました。帰宅後調べたところ、0.6kmはショートカットルート(ウグイス歩道)の距離と判明しましたが、現地では困惑しました。きっちり地図を持って行かないとパニックになります(反省;)。

f:id:saetta0404:20181124112009j:plain

既に落葉していますがブナの森です。

落葉したブナの森の中で、一本だけ紅葉したモミジが印象的でした。

f:id:saetta0404:20181124112032j:plain

13:21@乗ったり、押したりを何度か繰り返すとテーブルとベンチのある広場に出ました。この先は登山道となるので、自転車は、ここで留守番です。

f:id:saetta0404:20181124112058j:plain

周辺にはこの季節でもグリーンの葉が瑞々しいトウゴクミツバツツジが群生していました。

f:id:saetta0404:20181124112128j:plain

広場の少し先に真新しい小屋がありました。な、なんと、トイレでした。人気コースだけあって施設も充実しています。

f:id:saetta0404:20181124112157j:plain

道は八丁池へと下り始めます。グネグネした幹の木は、先ほどのトウゴクミツバツツジです。

f:id:saetta0404:20181124112227j:plain

木々の間から八丁池が見えてきました。

f:id:saetta0404:20181124112250j:plain

13:34@八丁池に到着。同時に陽が差してきました。心地よい暖かさを感じます。

f:id:saetta0404:20181124112312j:plain

汗をかかなければ訪れることができない場所です。時折ハイカーがやってきますが、静かな世界でした。この池は、冬季結氷するので、天然スケートリンクが開設された時代もあったそうですが、とても信じられません。現在は、観光地感ゼロです。

f:id:saetta0404:20181125180616j:plain

f:id:saetta0404:20181124112355j:plain

池の畔りで最後のおにぎりを食べましたが、この季節、このロケーションでは温かいものが欲しくなります。ますますコンロが欲しくなってきました。

14:00@名残惜しいですが、八丁池を後にしました。帰路は80%程度乗車して下ることができ、30分で八丁口に到着。

西日の当たる寒天林道をゆっくりと下って行くと、往路で見逃した風景を発見します。

f:id:saetta0404:20181124112431j:plain

f:id:saetta0404:20181124112459j:plain

14:55@寒天橋に帰着。往復3時間の探訪コースでした。

この後、時間があれば二階滝や河津七滝を訪れる予定でしたが、15:00を過ぎ夕方の気配が漂ってきました。滝めぐりはキャンセルして河津駅へ直行することにします。

旧下田街道(河津側)をフルに走るルートを選択したところ、後半は再び未舗装路となりました。この区間は、ロード用タイヤではパンクのリスクがあります。早めにR414へ脱出した方が無難です。

f:id:saetta0404:20181124112521j:plain

初めてのグラベルにちょうどいい路面です。

15:09@R414に合流しました。この未舗装区間、時間的には10分ほどでしたが、体感的にはずっと長く感じます。緊張し、集中しているためか、時間が濃密です。

f:id:saetta0404:20181124112539j:plain

15:18@河津ループ橋を通過。全景を写真に収めたかったのですが、適切な撮影ポイントを発見できずに不完全燃焼でした。そこそこの交通量があるので、ループ橋を天城峠方面へ向け上るのは、私的には気が進みません。

f:id:saetta0404:20181124112556j:plain

f:id:saetta0404:20181124112612j:plain

平地部まで下ってきましたが、陽は傾き、山に遮られ、急速に薄暗くなって行きます。

f:id:saetta0404:20181124112634j:plain

15:45@河津駅に到着。今日も無事でした。金目鯛の塩焼き弁当ラスト1個が半額となっていたので購入。帰りの列車の中で美味しくいただきました。

f:id:saetta0404:20181124112657j:plain

今回の探訪で、新緑の八丁池も見たくなりました。徒歩ルートのバリエーションが豊富な場所なので、自転車を水生地か、八丁口に停めて、行動するのも面白そうです。

走行距離:71.0km、獲得標高:1,382m、消費エネルギー:1,864C