Ride on a ちゃり

パワー不足のエンジン搭載ロードバイクの走行記録

コロナの夏の大弛峠、北奥仙丈岳

2021.09.13

八月初旬にワクチン接種2回目を完了し、いざ行動開始と目論んでいましたが、コロナの第五波で県内から動けなくなってしまいました。毎年夏場は涼を求めて2,000m級の高地を目指すのですが、今年は三浦半島周辺をグルグルする暑い自転車生活を耐え忍びました。九月に入り漸く第五波も落ち着いてきたので、コロナの夏の思い出づくりと2年ぶりの大弛峠に行ってきました。過去4回この地を訪れていますが、いづれも八月、今回は季節的な違いにも興味があります。

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夢の庭園から金峰山

7:31@道の駅「まきおか」をスタート。ここ(標高550m)から2,365mの大弛峠までヒルクライムして、北奥仙丈岳(2,601m)を目指すというのが今日のプランです。月曜日でしたが、道の駅の駐車場には既に自転車を組み立てる人影があり、先発して行きます。

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最初の難所、葡萄畑ヒルクライム。路面が綺麗に整備され走りやすくなっていました。この区間で強烈な日差しを浴びると一巻の終わりとなりかねません。この日は残暑の予報でしたが、空気感は秋、オーバーヒートの心配は大幅にダウンしています。「山梨県の蔓延防止措置は今日から解除されました。」との防災無線放送を聞きながら、無理せず淡々とペダルを回します。

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8:10@杣口浄水場を通過。日差しが強くなってきましたが、この先で木陰ゾーンに逃げ込めます。

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8:29@「ことがわダム」の「こ」(標高966m、琴川ダムまで8.5km)の看板を過ぎると勾配が緩み、一息つけます。ここから暫くは薄暗い林間コースとなり、真夏は快適ですが、九月中旬ともなると汗が冷えてちょっと効き過ぎのクーラー状態です。

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9:13@「ダ」の看板(標高1,274m、ダムまで4km)の先に、琴川ダムの遠景ポイントがありました。ダムが見えるように伐採され、駐車スペースが作られています。琴川ダムが、日本一標高の高いところにある多目的ダム(ダム天端標高では南相木ダムがNo.1)であることは知っていましたが、こうやって見ると、とんでもない場所にダムの堤体があります。

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9:38@鳥居峠に到着。琴川ダム天端標高が1,464mなので、峠の標高はそれ以上です。

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いつものように鳥居峠広場からダムを撮影。今年は雨が多いのでダムの水位が高いです。

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9:50@柳平の柳沢分校跡の木陰で休憩、エネルギー補給します。この場所で休憩するといつもはアブやブヨの大群に襲われて落ち着かないのですが、今回は驚くほど静かです。そういえば、あの煩いメマトイも今日は現れていません。九月初旬に気温が低かったことで、生態系は秋モードに切り替わったようです。

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10:10@柳平を出発。いきなりの10%区間です。何度も走っているのでわかっているのですが、辛いです。この区間は、上りだけでなく下りも鬼門です。路面に真横にクラックが周期的に走っていて段差が生じています。この段差を通過する際の衝撃は、かなり強烈です。ホッピングで回避するのが定石ですが、10%勾配のダウンヒルホッピングする度胸は私にはありません。

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10:17@林道牧丘川上線ゲートから後半戦スタートです。千貫岩を通過すると断続的な10%区間が待ち受けています。斜度的には、このルートで最も厳しい区間です。

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10:32@最後の10%区間を突破した辺りで道路工事が行われていました。牧丘川上林道は、八月に断続的に通行止めとなっていましたが、この区間を工事していたようです。タイヤをグラベルキングにしてくるべきだったか?と一瞬思いましたが、未舗装区間は50m程でした。

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難所をクリアすれば、ご褒美の平坦区間です。お気に入りの林間区間ですが、唐松の葉の色に八月のような瑞々しさがありません。また、ここでは、野草の花とそれに集まる多くの蝶を観察できたのですが、今回は花も昆虫もほとんど見かけませんでした。それでもアサギマダラと遭遇、今年は諦めていたのでラッキーでした。

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10:50@南アルプスの山並みが一望できるポイントを通過。ここまでクリアに南アルプスの全貌を見ることができたのでは初めてです。八月だと水蒸気成分が多く、遠くは霞んでいるので、ここまで見えません。

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8kmポストを通過すると平坦区間も終了。峠まで平均勾配7%が続きます。ダメージを蓄積した脚に、ボディブローのように平均勾配7%が打ち込まれます。私的にはこのルートの最難関区間で、初めて訪れた際は何度も途中休憩して漸くクリアしました。

11:08@コーナの先に金峰山の特徴的なシルエットを捉え、元気を貰います。

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11:52@少し平坦になる峠まで3kmポイント。ラスト3kmを頑張るためのエネルギーを注入。ここまでは、10分/kmのペースをキープできているので順調です。

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12:28@ラスト3kmは12分/kmまでダウンしましたが、大弛峠(標高2,360m)に到着。寒いのではと心配していましたが、薄手の長袖アンダーに半袖ジャージでちょうど良いくらいの気温です。いつもは周辺の道路にまで車が溢れている峠の駐車場ですが、コロナ&平日ということで、数台の空きがありました。

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12:53@大弛小屋の横から登山開始。北奥仙丈岳までのコースタイムは40分です。

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前半は、シラビソの樹林帯の中のよく整備された木道を上って行きます。歩幅を小さく、ゆっくりゆっくり歩を進めますが、想定以上にキツイ!

やっぱり歳で衰えたか? 今日は諦めて撤退か? ....

とネガティブな思いが頭の中でグルグルします。

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13:23@後半戦は、大きな石がゴロゴロ転がる区間となります。ここを突破すれば稜線に出て楽になると、自らを励まします。

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13:31@稜線に出て少し歩くと前国師岳。北奥仙丈岳の右肩に富士山が見えます。少し遅ければ、雲に隠れてしまうところでした。

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13:45@秩父山地の最高峰、北奥千丈岳(標高2,601m)に到着。結局52分かかりましたが、私の実力ではこんなものでしょう。山頂には昼寝を楽しむハイカーが一人いるだけで、とても静かです。

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山頂からは360度の視界があります。北東には雲もなく遠景を望めましたが、西の空は雲に覆われ、南アルプスは隠れてしまいました。11時ここに到達していれば、素晴らしい眺めを堪能できたのに、残念!

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先ほど富士山を見た前国師岳、左手に見えるのは南相木ダムの湖面でしょうか?

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金峰山も山頂部分に雲がまとわりついて五丈岩を確認できません。

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金峰山までは遠い!と改めて実感

30分シャッターチャンスを待ったのですが、一向に雲は晴れず、諦めて下山を開始。結局、夢の庭園まで下ったところで山頂を見ることができました。

久しぶりの長距離ヒルクライムで、どうなることやと思いましたが、無事に目標をクリア、充実した一日でした。これから秋の紅葉シーズンを迎えますが、第六波到来なんてことにならないことを祈っています。

走行距離:58.7km、獲得標高:1,676m※、消費エネルギー:1,807C

※この日のガーミンのログでは最高高度が2,247mで、大弛峠の標高2,360mと大幅にずれました。実際の獲得標高は、1,800mと思われます。