Ride on a ちゃり

パワー不足のエンジン搭載ロードバイクの走行記録

オクシズの峠道:笠張峠、富士見峠、大日峠、百畳峠(後編)

大日峠から百畳峠までは、距離15.4km、標高差600m、途中の井川スキー場から先が勘行峰(かんぎょうみね)林道となります。平均斜度で考えるとどうということはありませんが、標高マップを見るとなかなか曲者です。

f:id:saetta0404:20200921162300p:plain

大日峠から百畳峠

大日峠スタート直後に平均斜度8.4%、後半の天稜星水から先に2つのアップダウン、そして平均斜度10%と今回のルート上最も厳しいヒルクライム区間が、最後の最後に登場するのです。

さらに百畳峠に関しては、以下のブログ記事で参考情報を収集。

転がる記: 勘行峰林道・百畳峠

#131 百畳峠(富士見峠&大日峠&牛首峠経由)でヒルクライム!連続する峠を攻略!

これだけ入念に情報収集を行ったのに、実は、今回のルート作成時にチョンボをやらかしました。牛首峠を百畳峠と勘違いしてルートデータを作成していたのです。当日、私が認識していた標高マップは、牛首峠までだったのです。したがって、ガーミンにセットされたデータは、距離にして2.5km短く、当然ながら平均斜度10%区間の存在には、全く気づいていません。百畳峠の標高が1,600m程なので、なんか変だな?と一瞬思ったのですが、、、

大日峠は県道27号線とのクロスポイントですが、この地点には休憩場所はありません。休憩するのであれば大日駐車場がお勧めです。

11:24@井川スキー場を目指し出発。

f:id:saetta0404:20200920101107j:plain

11:44@富士見峠で消耗した脚で臨んだスキー場までの上り区間、苦戦しました。斜度は一向に緩まない、残り距離もなかなか減らない、と心が折れそうになります。思い返すとメンタル的に最も辛かった区間でした。

f:id:saetta0404:20200920101147j:plain

11:55@牧草地のような場所まで上って来ると、頑張ったご褒美を貰えます。眼下に井川ダムをとらえ、一気にテンションが上がりました。

f:id:saetta0404:20200920101215j:plain

12:05@スキー場入口の分岐の先に勘行峰林道起点(=県民の森入口)がありました。勘行峰林道の延長は 12.8kmですが、11km地点の百畳平から林道井川雨畑線合流地点までが永らく通行止です。起点からの距離を示す木製の道標が1km毎に設置されていました。

f:id:saetta0404:20200920101245j:plain

勘行峰林道に入ると、道は林間の緩やかな上りに転じます。大弛峠へ至る川上牧丘林道の中間区間のような感じです。折しも風が強まって来たのですが、木々がブロック、走行への影響はゼロでした。この風は、雲を押し流し、青空が見えてきます。

f:id:saetta0404:20200921162630j:plain

井川湖と井川集落

12:23@中間地点の県民の森ロッジに到着。キャンプ施設になっているようですが、訪れる人の姿は少なく静かです。ロッジはコロナ対策で閉鎖中でしたが、屋外にテーブルがあり、ここで休憩としました。疲れて食欲は湧かないのですが、おにぎりを無理やり飲み込み、強制的にエネルギーチャージを行います。

f:id:saetta0404:20200920101320j:plain

f:id:saetta0404:20200920101353j:plain

12:55@ロッジを出発すると斜度は再びアップ、まずは井川峠を通過します。本来の井川峠は、右手斜面を500m上った所のようです。

f:id:saetta0404:20200920101428j:plain

13:06@天稜星水という湧水ポイント。往路は先客がいたので、帰路にペットボトルに詰めて持ち帰りました。この水で淹れた珈琲は、軟らかくスッキリした味わいで超美味、スーパーの安売りコーヒーが高級ブレンド珈琲に変身しました。

f:id:saetta0404:20200920101527j:plain

天稜星水の100m程先にオープンスペースがあり、井川湖を見下ろせます。振り返ると、井川スキー場から走って来た尾根筋、大日峠、更にその先には駿河湾まで見通すことができました。ここまでの苦労が報われます。

f:id:saetta0404:20200920101551j:plain

f:id:saetta0404:20200920101614j:plain

f:id:saetta0404:20200920101637j:plain

13:24@天稜星水から下って、上って、下った地点でガーミンのルート表示が折り返し地点と告げます。

ここが百畳峠???

いやいや写真で見た百畳峠は、広々した駐車スペースがある場所なので、絶対に此処じゃありません。

f:id:saetta0404:20200920101726j:plain

この写真は、帰路に撮影

この場所には牛首峠を示す手書き看板があったのですが、往路は登山者の駐車車両に隠されていました。

何かがおかしい、でも何が悪いか判らない?

とにかく先へ進む事にしたのですが、そこは平均斜度10%区間なんじゃこりゃー!と心で叫びながら、兎に角、ペダルを踏み込みます。路面には石が散乱し、この林道区間で最悪の路面状態です。

f:id:saetta0404:20200920101808j:plain

激坂と格闘していると、左手に南アルプスが見えてきました。シャッターチャンスを逃すわけにはいかないと、激坂途中で一時停止して写真撮影、一息つきます。

f:id:saetta0404:20200920101837j:plain

光岳

激坂区間(Max.14%)を突破、県民の森で休憩して正解でした。予想もしていなかった激坂でしたが、天気は最高、気分も高揚します。

f:id:saetta0404:20200920101907j:plain

13:55@ついに百畳峠に到達。同時にルートデータの作成をミスした事を理解しました。12時に到着予定だったのですが、ほぼ2時間遅れです。

f:id:saetta0404:20200920101937j:plain

百畳平と呼ばれる駐車スペースに、ベンチと簡易トイレがあります。

f:id:saetta0404:20200920102008j:plain

ここから先は通行止めです。封鎖はされていないのでもう少し行けそうな雰囲気です。しかし、道は急降下しており、進む気は失せました。

f:id:saetta0404:20200920102039j:plain

光岳と上河内岳が見えるのですが、目前の山の稜線が邪魔です。あの稜線の向こう側の景色が見たくなります。1時間登山すれば、あの稜線の主である山伏岳山頂に行くことができるのですが、もはや体力も時間も残っていませんでした。

f:id:saetta0404:20200920102107j:plain

14:10@本日の行程の50%がまだ残っています。名残惜しいですが帰路につきました。

15:09@大日峠まで戻るのに1時間。2つの登り返し区間に加え、穴ボコに隙間のあるグレーチングとトラップ満載の路面を慎重に下ってきたので時間を要しました。ここからは県道27号線で8km先の口坂本温泉へ下ります。ちょうどバイクが上ってきたので、通行止めはなさそうです。

f:id:saetta0404:20200920102201j:plain

左:口坂本温泉、直進:富士見峠、右:井川

r27をダウンヒルに選択したのは正解でした。一部に路面状況の悪い区間がありますが、大部分が新しく舗装された綺麗な路面でした。長く続いた通行止め期間に整備されたようです。ただし、離合困難な狭い道のため、対向車を回避するスペースはありません。スピードの出し過ぎには注意ください。

f:id:saetta0404:20200920102226j:plain

15:28@一気に標高500mの口坂本集落まで駆け下りました。空気がモワッとします。この場所は口坂本集落のはずれ、二車線の道がここから狭い一車線となり、山へと吸い込まれていきます。ここから先は覚悟しろよ!と告げる明確な境界線を感じましたが、次回は、この境界線を越えて大日峠を目指したくなりました。

f:id:saetta0404:20200920102249j:plain

口坂本温泉への分岐のところで彼岸花を発見。厳しい残暑で、すっかり秋を忘れていましたが、この花は暦通りです。

f:id:saetta0404:20200920102312j:plain

15:44@上落合集落の板塀に囲われた立派な邸宅。いかにも先祖代々の山主の暮らす家の佇まいに、スゲー!と心が反応して記念撮影。

f:id:saetta0404:20200920102334j:plain

川沿いの道はアップダウンがあり、微妙に疲れます。ボトルは既に空になっており、自動販売機を探しますが、なかなか現れません。

16:01@玉川地区のキャンプ施設でようやく自動販売機を発見、最後の休憩をとりました。陽は傾き、夕方の気配が漂い始めています。

f:id:saetta0404:20200920102358j:plain

16:36@オクシズの駅「安倍ごころ」に帰着。たっぷり遊んだ一日となりました。

オクシズの懐深さを再認識。県民の森付近の紅葉も見てみたいし、百畳峠から山伏岳への登山にもチャレンジしてみたいなど、まだまだ楽しみが尽きない場所です。

走行距離:94.8km、獲得標高:1,933m、消費エネルギー:2,429C