新緑の御荷鉾スーパー林道(観能〜八倉峠)<前編>
GWを利用して、昨年から計画してきた御荷鉾(みかぼ)スーパー林道チャレンジを決行。好天に恵まれ、山奥一人旅を満喫してきました。いつものことですが、写真で溢れてしまい、前半、後半に分割してレポートします。
Wikipediaからの引用:
御荷鉾スーパー林道は、群馬県藤岡市から同県甘楽郡南牧村勧能に至るスーパー林道である。延長約67.1kmであり、関東地方の林道としては最長の部類となる。
先週の白銀林道の結果から、グラベルを含む林道は、時速5km/h(私の脚力の場合)で見積もらないと危ないです。となると全線を走破するには、およそ13時間必要な計算になり、とても一日では無理です。そこで今回は第一弾として、南牧村勧能から八倉峠までの34kmを対象にルートを作成しました。
下仁田を起点として、観能から林道に入り、3つのピークを乗り越えて塩の沢峠、尾根筋を走って八倉峠に至り、下仁田へ戻る75kmのコースです。途中に、蝉の渓谷、大仁田ダム、スーパー林道展望台、林道大崩落跡などのランドマークがあります。また、大仁田ダムからPeek3までの区間に存在する未舗装の6kmを無事に突破できるかが、最大のポイントです。
当初、輪行で下仁田まで行くことを検討しましたが、下仁田駅到着が、高崎まで新幹線を利用しても8:42となるため断念しました。とにかく、早くスタートして、時間的余裕を確保したかったのです。このため、3:30@自宅を出発して、6:30@道の駅「しもにた」に到着しました。
7:00@道の駅をスタート。今日のコースは、途中に補給ポイントがないため、たっぷり食料を準備しました。
おにぎり(3)、ミニあんぱん(4ヶ入り x 1)、たまご蒸しパン(1)、エナジーゼリー(1)、羊羹(1)、スポーツドリンク(500ml x 1)、水(500ml x 1)
下仁田駅を目指して国道254号線を走り出すとすぐに鏑川(かぶらがわ)を超えます。いつものように欄干から覗き込むと、いい感じの景色に気分が高揚します。
輪行で訪れる時のために、下仁田駅も偵察します。駅の構内に駐輪場?ローカル線の雰囲気が漂う、静かな空間でした。
下仁田駅からは、県道45号線を行きます。すぐに、南牧川と西牧川の合流点にある青岩公園があります。素通りできず、ここでも写真撮影。初めての土地は、目にするものが新鮮で、ちっとも先へ進めません。
7:27@県道172号線(直進)との分岐点。観能へ向かうK45は、ここを右折ですが、帰路は、八倉峠からK172を下り、このポイントに戻ってくる予定です。
わざわざ山奥へ行かずとも、このあたりの南牧川で一日川遊び出来そうな雰囲気。とにかく、水が綺麗です。
見た瞬間、通過しようと思ったのですが、停まってしまいました。
やまふぐ???
下仁田名産の刺身こんにゃくのことなんですね。
南牧村に入ると、前方に壁のような山並みが見えてきました。今日の目的地はアレか?と、ちょっとビビります。
山藤の花がちょうどピークを迎え、いたるところに紫色が点在していました。
7:55@塩の沢峠方面へ向かう県道45号線(左折)と佐久方面へ向かう県道93号線の分岐。私は、K93を直進します。今日のルートで、塩の沢峠で力尽きた場合は、ここに下ってくる予定です。
8:01@南牧村中心部。左へ行くと大仁田ダムです。今回は、ルート作成の際に、入念にエスケープルートを検討しました。未舗装区間で何らかのトラブルに見舞われた場合は、大仁田ダムからここまで下ってくる必要があります。
8:16@最初のランドマーク、蝉の渓谷に到着。
硬いチャート層が長い時間をかけて侵食された渓谷美と案内板に記載されていました。「蝉」というのは、「狭水」の転訛と言われていて、なるほどという景色です。
K93を走っていると、集落の古い家が特徴的な構造をしていることに気づきます。街道に面した2階部分に縁側と手摺がどの家にも設けられています。昔、養蚕を行なっていた時代の名残なんでしょうか?
8:40@ようやく観能集落に到着。写真の左側に見えるガードレールが御荷鉾林道です。道の駅から20km、8:00には到着する予定だったのですが、頻繁な途中停車で大幅遅れです。
K93から360度方向転換して林道に突入。
まずは、お約束のWelcome 10% overです。5分ほどもがくと斜度は落ち着きました。
「今日の道は甘くないぜ!」と突きつけられたようなシーン。落石の大きさが、これまで林道で遭遇したスケールと違います。
9:05@順調にPeek1に到着。エナジーゼリーを半分飲んで、ダウンヒル開始。
ただし、迂闊にはダウンヒルできません。路面は悪くありませんが、たくさんの落石が転がっており、かつての土砂崩れ現場は、車幅分だけ土砂が片付けられているような状況です。カーブの先に何が現れても対処可能なスピードで下って行きました。
山深いですが、林道愛好家のバイクが、時々、追い越して行きます。1時間に1台くらい、四輪車とも遭遇しました。私は、この道の運転は辞退します。
谷底に白いガードレールが見えます。帰宅後、地図で確認しましたが、砥沢集落から入ってくる林道ぐらいしか該当する道はないようです。
道が大きくターンするポイントで、後ろから軽トラックが来たので先に行ってもらいます。この先で路面は、舗装路の上に土砂が堆積し、ダート化していました。このポイントで未舗装の林道が合流しており、そこから雨水に流された土砂が舗装路に流入する構造になっていました。ここも、迂闊に突入すると危険でした。
9:29@砥沢集落からの道(直進方向)と合流。写真の通り、スーパー林道の道幅は、広いです。高規格林道として設計されたので、通常の林道よりも幅広に作られています。しかし、林道完成後の維持管理は地元負担です。結果として、道幅の半分以上が、崩落した土砂と枯葉に埋め尽くされていました。車一台分の通行可能スペースを維持するのが精一杯というのが実情です。
合流地点からPeek2への上りが始まります。両側が硬そうな岩盤の切り通しを通過。この林道の随所で目にする光景です。
まだ標高700m付近です。前方の山並みは遥か上です。
崩落現場がだんだん衝撃的になってきます。土砂崩れというよりも岩盤の剥離崩壊です。
9:53@大黒岩隧道を通過。短いトンネルで、GoogleMapに記載されていません。
斜度6%〜9%の上りが続き、自然と顔が下を向きます。これはいかんと頭をあげると新緑が綺麗です。
ライトグリーンの森を淡々と上って行きました。
切り通しの先で道が下っています。Peek2に到着か?と思ったらフェイクでした。少し下って、また、上りです。このパターンが何度か繰り返されました。
ガードレールが消えた場所に出ました。そのうちこの付近一帯がごっそり崩落してもおかしくありません。
カーブの雰囲気が変わってきました。Peek2が近いか?
遥か下には走って来た道が見えます。
おっと、障害物発見!
バイクや車が今日も通過しているはずですが、いつからあるのでしょうか?とりあえず、道路脇に撤去して通過しました。台風の通過後は、この手の倒木が多数あると思われます。
いつのまにかPeek2を通過し、道は下り坂となりました。フェイクPeek2に何度も騙されたので、写真撮影は省略モードに入っており、Peek2の写真は無しです。荒船山方面の山並みだと思いますが、山の名前がわかりません。
下りになって、花を撮影する余裕が生まれます。山躑躅のオレンジ、ピンク、パープルが、ライトグリーンの世界に彩の変化を加えていました。防虫スプレーを全身に振り撒いてからスタートした効果でしょうか、今日は虫にまといつかれることがありません。
10:49@大仁田ダムへ向かう南牧村からの道が左から合流します。
10:58@放流中の大仁田ダムに到着しました。観能から15kmを2時間15分ですので、良いペースです。この先に本日のメーンイベント、未舗装6kmが待ち受けています。ここでたっぷり休憩しましょう。
後編へ続く