Ride on a ちゃり

パワー不足のエンジン搭載ロードバイクの走行記録

移動性高気圧のチャンスを活かせ!(三国峠から秩父)

様々な峠を自転車で通過して来ましたが、三国峠は高評価の峠でした。切り通し隘路、その先に見えるのは、白い雲と青空、まさしく峠、峠のお手本でした。

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そして、そのピークを越えた埼玉県側に峠の道標がありました。それにしても「悪路注意」の看板を、ここに設置する?です。この峠唯一の減点ポイントです。

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三国峠(標高1,740m)

長野側も埼玉側も眺めが良い点も高ポイントです。

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三国峠(長野県側)

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三国峠(埼玉県側)

ひとしきり写真を撮り、長野側にあるベンチ(これも加点ポイント)に腰を降ろして昼食としました。

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平日とあって誰もいない峠でおにぎりを齧っていると、突然、峠に自転車が出現しました。

え、え、上って来たのか!

と衝撃が走ります。ライダーは、私と同年代の男性でした。秩父から登って来たんですか、凄いですね。」と尋ねると、「は、は、は、こいつは電動ですよ。」と種明かしされました。富士スカイラインに続いて電動バイクです。今回はヤマハ製、着実に普及し始めているようです。バッテリーのことを聞くと、途中で交換されたとのこと。平地なら100km走れるけど、中津川林道が相手となると消耗が激しく、予備のバッテリーが必須だそうです。重いバッテリーを背負って来たので肩が凝ったとこぼしていました。これから川上村を巡って、再び、秩父へ戻るそうです。人力バイクとは、発想が違います。

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13:25@本日のメイン中津川林道(正式には市道大滝幹線17号線)、18kmに及ぶ未舗装路DHをスタートしました。計画より25分遅れです。秩父の街は60km先、日没までに辿り着けるでしょうか。

事前の情報収集(先人のレポートに感謝!)で、次の点は把握していました。

  • 前半9kmは、急傾斜の下りでガレた路面あり
  • 後半9kmは、中津川沿いの緩やかな下りで路面は良好

実際に走り始めてみると新事実が判明。峠スタート直後の路面は、自転車を降りて押そうかと思ったほど超ガレガレでした。幸いにも超ガレガレは100m程で終了して、ホッとします。

路面自体は、ドライ、ウェット、ガレガレとなんでもありで、コロコロ変化します。調子に乗ってスピードを出してガレガレ区間に突入すると命取りです。サドルから腰を浮かし、下ハンを握ってブレーキをかけながら慎重に下りました。

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ドライな路面

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ウェットな路面

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ちょっとガレた路面

路面に関して一つ注意点があります。写真撮影できるのは、気持ちに余裕がある時です。ガレガレ区間を通過中は真剣勝負、写真どころではありません。危険箇所を乗り切り、ホッとしたところでパチリとなります。したがって、自転車ブログに掲載される写真の路面は、比較的良好な場所となる傾向があります。この点を理解して写真の路面を眺めてください。

13:43@みくにばし通過。風雨に晒され磨耗した銘板を読み取るのに苦労しました。

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みくにばし

特徴的な両神山が見えてきます。埼玉県側の方が雲が多いです。

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両神山

道路脇の苔むした倒木。何年かけてこの姿になったのだろう?

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斜度もRも緩いカーブ、そんなに危険な場所とは思えませんが、このガードレールには何があったのだろうか?

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かつての森林鉄道のレールが、標識の支柱やガードレールに再利用されています。

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帰宅後現像した写真には、イイ感じの林道風景が何枚も写っていましたが、当日この景色を楽しむ余裕はなく、安全なルートを求めて視線は路面に釘付けでした。

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ダウンヒルの最中、何度もコケそうになります。その原因の多くは、砂利の堆積した場所に前輪がハマり、急なスピードダウンが起こるケースでした。そもそもそんな場所を回避する走行ラインを探しているのですが、どうしても避けられない時があります。このピンチを脱するには、ペダルを回して前進するしかありません。しかし、トルクをかけすぎると後輪がスリップするし、ギアが重いとスムーズにペダルを回せません。ダウンヒル開始直後は、ギアはアウターにセットしていましたが、何度がピンチを経験して、インナーの軽いギアに変更しました。

14:30@奥秩父林道との立体交差に到達。思っていた以上に高低差がありました。

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林道立体交差

ルートを作成していた時は、この奥秩父林道も探検することを妄想していたのですが、ここまでのDHで消耗して、とてもそんな余裕はありません。それでも、気力を振り絞り、クロスする橋の上を偵察に向かいました。

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14:45@砂防ダムも、沢に架かる橋も、年季が入ったものばかりです。

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14:49@崖下に中津川沿いの道が見えて来ました。ここまで、下ハンを握り、スタンドアップという姿勢で下ってきましたが、あそこまで行けば楽になるはずです。

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急傾斜区間を脱出し、中津川沿いの道に出たところで少しスピードアップすると、早速、前輪が砂利が積もった場所に突っ込んで急激なスピードダウン。かろうじて左足のビンディングを外し、体は無事でしたが、自転車は転倒してしまいました。左側に倒れたのでメカはセーフ、危ないところでした。

14:56@気持ちを落ち着ける為に、大滝村12kmと記された道標で休憩、一息つきます。奥秩父林道に寄り道ましたが、前半の9kmに90分、予定を30分オーバーですが、この先も、焦らず、無理せず、を自分に言い聞かせます。

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15:08@崩落箇所を修復したことがはっきりとわかる場所を通過。斜面の表層の土砂が無くなり、岩肌がむき出しとなっています。ガードレールも新品です。

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路面は、フラットで走りやすい状態になってきましたが、時々、ガレガレ区間が出現するので気が抜けません。バイクのエンジン音が聞こえてくると路肩に避けます。バイクの方もハンドサインで Thank you! と追い抜いていきます。

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15:31@第2トンネルを通過。コンクリートの吹き付けが新しいです。

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2号トンネル

15:39@原生の森への道は、通行止でした。橋の上から覗くと、深い渓谷を形成しています。

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紅葉を見てみたい渓谷

14:48@ヘアピン状に流れる中津川。ここまで見事なヘアピンを初めて見ました。

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15:56@林道ゲートを通過。ゴールは近いぞ!と思いましたが、未舗装路は、まだまだ続きました。

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16:05@トンネルが見えたので、第1トンネル、と思ったら大岩隧道でした。

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大岩隧道

16:07@第1トンネルもちゃんとありました。全長18kmに短いトンネルが3つと、トンネル数は少ない林道でした。

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1号トンネル

16:09@ついに舗装路に到達。ホッとすると同時に、滑らかな路面の快感が突き抜けます。普段以上に走りが滑らかです。18kmのガタガタ道でボディバランスを鍛錬してきたので、自転車操作の感覚が研ぎ澄まされているようです。

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16:17@森林科学館に到着。中津川林道DH、濃密な時間でした。ここで最後の休憩を取ります。秩父まで残り40km、日没までに街路灯のある市街に到達できるか、微妙になってきました。

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森林科学館

16:36@中津峡の女郎もみじは、まだ青葉です(9/26時点)。

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中津峡

中津峡沿いに滝沢ダムを目指して県道210号線を下っていきます。八丁峠へと続く金山志賀坂線が通行止となっているため、r210は行き止まりの道となっており、この時間帯の交通量は、ほぼゼロです。ご褒美の超快走区間でした。

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16:51@もみじ橋から右岸に移動します。左岸の道はトンネルが多く、国道140号線に合流すると交通量が増えるので回避しました。

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塩沢もみじ橋

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17:04@滝沢ダムが見えてきました。

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17:14@雷電廿六木橋。このループ橋の回避も右岸の道を選択した理由です。既に薄暗くなり、街路灯が点灯しています。

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市街地に到達した時には、すっかり暗くなっていました。コンビニで、輪行に備えてエネルギー補給して、18:30@西武秩父に到着。次の特急は、19:25発のLaViewでした。窓の大きな最新車両でしたが、真っ暗で何も見えず、ちょっと残念でした。

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特急Laview

走行距離:99.7km、獲得標高:1,112m、消費エネルギー:2,055C

ついに中津川林道を走破、めでたし!なのですが、ちょっとモヤモヤしています。楽しめたのか?というと、疑問が残るのです。とにかく必死に下り切っただけで、楽しめていないのです。やっぱり、ヒルクライムして隅々まで堪能しなければと思います。三国峠ヒルクライムで再訪したいところですが、峠への9km区間は、斜度10%超区間満載で半分以上押し歩く覚悟が必要、悩ましいです。まずは、中津川沿いの9km区間で紅葉を楽しむというのが、無難なところかなと考えています。