夏の北アルプス(後編:絶景と激坂に悶絶の黒菱林道)
白馬村遠征の後半戦です。
奥様は八方池トレッキングの別行動、それぞれのアクティビティを12:00を目標に完了させ、八方のゴンドラリフト駅に集合というプランです。私の目的地の黒菱平は、白馬駅から11km、800mアップです。写真の通りスタート地点から目標地点が見えていますので、「ふ〜ん、あそこネ」位の感覚で9:00に出発しました。この時点では、ヤビツが11.8kmで670mアップであることをすっかり忘れておりました。
松川左岸を遡り、黒菱平に至る黒菱林道へ向かいます。
雪国の幹線道路の路面はかなり痛んでいます。そこで、一本裏の道を探して侵入してみると、サイクリングロードのような快走路でした。
白馬大橋を渡り、和田野の森のペンション群の中を進みますが、8%前後の直線的な登りが2km程続き、汗が噴き出します。
9:38、黒菱林道の入り口に到着。全長6,189mと表示されています。ここで水分補給してアタックを開始します。ちなみにここから先の写真は全て帰路に撮影したものです。
林間の道を少し走るとゲレンデに出ました。眼下に白馬の街が展開して、ウォ〜と思った矢先に、黒菱林道が牙を剥きます。
10%超区間が立ちはだかります。最もキツいところは12%あり、ペダルを踏み込んで行かないと進みません。
途中からは牧場ゾーンに突入し、ところどころに大きなグレーチングが出現します。タイヤがはまる心配はないのですが、威圧感たっぷりで、心理的に揺さぶられてペダリングのリズムが乱れました。この10%超区間をなんとかクリアすると、「残り5km」と書かれた看板が現れます。
エッ、残り5km???
気持的にはもっと走った気分だったので愕然、たった1kmしか進んでいない事実に動揺が走ります。
標高が上がり、眺めは更に素晴らしくなっていきます。しかし、斜度が緩む気配は微塵も無く、景色を楽しむゆとりなどありませんでした。基本ゲレンデ&牧場ですので木陰もなく、日差しを浴びて体力をどんどん消耗します。
10:13、「あと3km」の看板を見て休むことを決断しました。この3km地点はリフト乗り場で平坦なスペースがあり、再スタート時の心配はありません。辺りを見回しても腰を下ろせる適当な場所がなかったので、エーイと、自転車を道に倒し、自らも道にドテッと座り込みました。
よく、「もう駄目だ」と思って休憩すると、そこから先はたいしたことはなく、休まずに登り続ければよかったと思うことがありますが、この林道に関しては、ここで休んで大正解でした。残り2km付近から、3km地点のリフト乗り場を見下すとこんな感じです。
カメラを引くと、、、
まだまだ、たっぷり登りがありました。
さらに登ると、道はゲレンデを離れ、北側の斜面へ回り込んで行きます。
キター!!!!
いきなりの絶景でした。
いままでに味わったことのない高低差です。2つめの絶景☆Getです。恐る、恐る、愛車を入れての記念撮影を敢行しました。
残り1kmとなっても、容赦のない登りは続きます。既に時速5km以下、止まってしまうと再スタートが厳しい斜度です。
ラスト50mですが、もの凄く長〜い50mでした。
11:00ちょうどに黒菱平(標高1,507m)に到達しました。感覚的には、今シーズン最強のヒルクライムです。半端ない達成感でした。帰宅して、ルートラボで調べてみると、林道部分の平均斜度は9%、厳しいはずです。スタート前は、黒菱林道を1時間半くらいでサクッと終了して、白沢峠(緒方峠)へ行くことを考えていましたが、とてつもなく甘い考えでした。
激坂と戦っている最中にスマホの着信音があったので見てみると、奥様から八方池到達の連絡が入っていました。非常にアバウトな計画でしたが、ほぼオンスケジュールです。予定通りゴンドラ乗り場で奥様をピックアップし、八方の湯で汗を流して帰路につきました。
今回は天候が今ひとつでしたが、これだけ楽しめました。となると北アルプスがクリアに見えるであろう春、秋のシーズンの感動は、想像を絶するものがあります。是非とも再訪したい場所です。
走行距離:28km、最大標高差:846m(ガーミンのデータ保存に失敗しました)