嶺方峠で2019春シーズンをスタート
5月12日(日)の早朝、何故か東京駅の新幹線ホームにおりました。
今週は、ヤビツに行ってリハビリの最終チェックの予定でしたが、週間天気予報によると12日が好天のピークでその先の天気は余り期待できません。冬の間に2019春シーズンに訪れる場所をあれこれと考えていたのですが、頸椎のトラブルで何ら実現できていない私です。既に春シーズンも終盤、「この日曜日にどこを走るか?」は、極めて重要な意思決定となり、いろいろと迷った結果、選択したミッションは残雪の北アルプス@嶺方峠でした。「峠のトンネルを抜けると眼前に北アルプスがドーン!」という嶺方峠はサイクリスト憧れの地、雪解け前を狙うのであれば、この日がラストチャンスです。まだまだ体調に不安がありますが、決行するしかありません。
横置き輪行袋での初の新幹線輪行でもあり、自転車の置き場所が不安でしたが、杞憂でした。北陸新幹線の車両最後部座席後ろのスペースはタップリありました。私の自転車は、末広がりのドロップハンドルで通常のロードバイクよりも横幅が広いのですが、最大までシートを倒しても干渉しません。
荷物の不安から解放され、シートにどっかり腰を下ろし車内放送を聞いていると
停車駅は、上野、大宮、長野、、、
え、え、3番目が長野なの? "かがやき"は、高崎や軽井沢に停車しないのですね。長野がものすごく近いです。
7:38@長野駅に到着。自宅から奥多摩へ行くよりも早いし、楽チンでした。
今回の遠征ルートをいろいろ考えましたが、行きたいところ満載です。
しかし、現状の体力は未知数、あまり欲張っても仕方がありません。また、午後になると北アルプスは逆光となるので、1、2、3の写真スポットには午前中に到着しないと意味がありません。そこで、嶺方峠に午前中に到達することだけを目標とし、残りはそれをクリアしてから考えると割り切りました。
8:00@コンビニで食料を調達しながら国道406号線へ向けて善光寺参道を進みます。長野駅も、この石畳も、和風モダンでオシャレです。善光寺参りはパスして先を急ぎました。
スタートして5kmも走っていませんが、既に景色は山の中。恐るべし長野!です。この先で戸隠へ至る県道76号線が分岐して行きます。戸隠も行きたい場所リストの上位にあり、その際はこのルートだなとチェックします。
ルート作成時点で分かっていましたが、R406にはトンネルが多数あります。トンネル嫌いの私としては不安材料でしたが、交通量がそれほど多くないこともあり、車は十分に車間をとって追い抜いてくれるので、それほどストレスは感じませんでした。
裾花ダムが見えてくると断続的な斜度10%の上りが現れます。今日の修行の始まりだ!と気合を入れたのですが、嶺方峠までの区間でガーミンが10%を表示したのはここだけでした。
裾花大橋の上で、先行していたランドナーの方が写真を撮っています。何が見えるのかなと橋の中央部へ進むと、北アルプスの頂上付近が顔を覗かせていました。
R406は、裾花川に沿って緩くアップダウンを繰り返します。柳沢峠に向かう大菩薩ラインに雰囲気が似ていますが、斜度的には大菩薩ラインのほうが数倍厳しいです。
鬼無里村に入ると、北アルプスがはっきりと見えてきました。雲一つありません!期待が膨らみます。
旅の駅「鬼無里」という施設があり、ここでトイレ休憩&エネルギー補給。
10分ほどの休憩で出発すると、隣接しておやきで有名な「いろは堂」がありました。まだ開店前です。いろいろなブログで高評価のおやきに興味がありましたが、本日はグルメ封印で先を急ぎました。ここまでは順調です。AM11:00@峠到着を目標にセットします。
こんな緩い上りで大丈夫か?と思ってしまう道が続きます。
「最終の店」と書かれると思わず立ち止まります。
今回のコースに組み込むか迷った奥裾花渓谷への分岐点を通過。「ブナと水芭蕉ライン」というネーミングに興味をそそられましたが、往復30kmが追加となり、立ち寄れば午前中に嶺方峠に辿り着けなくなります。
鬼無里集落の終端にある「鬼無里にようこそ」の看板を通過すると、ようやくヒルクライムがスタートします。ここからが正念場と、いつもより頑張って脚を回します。といっても斜度6、7%なので、そんなに辛くありません。途中で戸隠山(飯綱山かも)が見えるポイントが一か所あるだけ、全く見所のない上りです。
白馬村に入ると道は北西へと転じ、地図で見るグネグネ道ゾーンとなります。ルート作成時には、この辺りが難所かと思っていましたが、実際には斜度5%程度と肩透かしでした。
最後は白沢洞門を通過するので、山に囲まれた場所をイメージしていたのですが、周囲には立ちはだかるような山は無くなり、トンネルなんてあるのか?と心配になります。
白沢洞門は、カーブの先にひっそりとありました。ハーハーゼイゼイ苦しみぬいた末に到達する場所と勝手に思い込んでいたので、あっさり到達して拍子抜けします。目標としていたAM11:00はオーバーしてしまいましたが、まずまずです。
ドキドキしながらトンネルに突入。そして、念願の絶景に出会うことができました。
微かに霞んでいますが、雲一つ無く、北アルプスを一望できました。このシーズンとしてはベストに近い景色です。先着していたロードバイクの若者と「ヤッタネ!」と言葉を交わしました。
最高のコンディションなので、峠は混雑しているのではと思っていましたが、車1台、バイク1台、自転車2台と空いていて、思う存分撮影ができました。この景色を眺めながら昼食と思いましたが、ベンチなどはいっさいありません。仕方なく、白馬村へとダウンヒルすることにします。
ダウンヒルは、首に負担がかかるので、無理をすると右手が痺れます。景色を楽しみつつ、いつもより慎重に下って行きました。
桜のピークは過ぎていましたが、大出公園のつり橋の写真はバッチリです。公園の木陰で昼食(といってもコンビニおにぎりですが)としました。
続いて、松川に架かる橋の上から北アルプスを堪能。
計画では、青鬼集落で水田に映り込む北アルプスを撮影する予定でしたが、白馬周辺の水田はちょうど田起しの最中でした。水を張った田圃はまだ少数で、かつ、水を入れた直後のため、水は茶色く濁っていました。ここよりも標高が高い青鬼集落へ行っても、期待する景色は望めそうにありません。さてどうするかと考えます。
絶景が約束された1.は極めて魅力的でしたが、120%体力を使い切るので、白馬で一泊しなければ無理です。2.の場合、中央線で帰宅することになりますが、私の中央線の切り札「はまかいじ」は、2019春の時刻表から姿を消してしまいました。これだけ天気がいいとなると登山客も多く、特急あずさは大混雑が予想されます。自転車を抱えて3時間立って帰るのは勘弁です。北アルプスの景色を堪能し、満足度は既に200%でしたので、大人しく3.を選択しました。
帰路は、県道33号線を利用しました。長野まで42km、こんなこともあるかと前日予習済みのルートです。
美麻トンネルという長いトンネルの存在が心配でしたが、白馬側からは下り基調ですんなりと通過。その後も長野までの工程の90%が下りの道でした。
青具交差点で、県道31号線(長野大町線)へ。幹線道路なので交通量はありますが、路肩も広く問題ありませんでした。r31には、美麻、小川、中条と3か所の道の駅があり、補給にも困りません。
r31は、中条の先で有料道路となるので、旧道へと迂回します。
白く霞んでいますが、空気が澄んでいれば、中々の景色の場所がありました。
突然、大きな川が現れて驚きましたが、犀川でした。
長野市街に近づくと国道19号線となります。裾花川を越えれば、すぐに長野駅でした。
15:15@長野駅に到着。白馬→長野はゆっくり走っても2時間半あればクリアできることが判りました。白馬からのエスケープルートとして使えますね。もの凄く遠いと思っていた白馬村が、一気に近くなった気がします。
帰路の新幹線も混雑はなく、ゆったり座って過ごすことができ、大正解でした。
今回、念願かなって嶺方峠を走ることができましたが、峠からの眺めの大きさは、写真では表現しきれないものがありました。是非現地で堪能されることをお勧めします。
走行距離:91.3km、獲得標高:1,172m、消費エネルギー:1,807C