際立つ稜線と見事な黄葉:乗鞍エコーライン@2019秋
昨年は乗鞍の紅葉を見逃してしまったので、今年は是非とも目にしたいと思い、位ヶ原山荘のブログをチュックしていました。例年、標高2,000m以上のエリアは、9月最終から10月初めにピークを迎えるのですが、今年は遅れ気味で9月最終の週末はやっと色づき始めた状況でした。今年もタイミングが合わずに見逃してしまうのだろうか?と思っていると、スイッチ・オン、紅葉が一気に進み始めた旨の情報がアップされました。天気予報からすると、安定して晴れるのは10月5日(土)のワンチャンス、行くしかありません。
金曜日の帰宅後、慌ただしく準備。最近このパターンが多いです。24:00に自宅をスタートしました。
03:00@中央高速の八ヶ岳PAで力尽きました。星空で気温は12℃、乗鞍は寒いだろうなと思いながら目蓋が閉じます。
04:50@ふと気がつくとこの時間です。ちょっと寝坊です。こりゃまずいと、眠い目をこすりながら運転再開。
06:40@乗鞍高原に到着。畳平行きのバス乗り場には、既に大行列ができていましたが、駐車場には空きがあり、スムーズに駐車場所を確保、ホッとします。車から降り、駐車場を見回すと、そこかしこで自転車を組み立てる光景が展開されています。皆さん気合十分です。そして乗鞍方面を見上げると、青空を背に今日のゴールがくっきりと見えるじゃありませんか!慌ててカメラを取り出して、まずは撮影しました。関東地方では10月というのに30℃を越える日が続いていましたが、金曜日に日本海を北上した台風が余計なものを流し去ってくれたようです。これまでにない空気の透明感でした。
7:18@準備を済ませて乗鞍高原をスタート。気温は12℃ですが、風が弱く日差しがあるのでそれ程は寒くありません。が、2年前のトラウマ(凍える寒さに泣き)があるので、完全冬装備をリュックに背負います。
8:05@通行制限のゲートのある三本滝に到着。この時点で、先週の三国峠の標高を越えています。今日も既に多くの自転車に追い抜かれましたが、三本滝でもスタート準備をしている自転車乗りの姿があります。
レストハウス横でトイレを済ませます。ここを逃すと次は位ヶ原山荘(標高2,350m)ですのでお忘れなく。
8:09@ゲート前からスキー場のゲレンデを見上げると、最初のビューポイントが見えます。天気が良いので、あそこからの眺めが楽しみです。
ゲートの係員さんと
行ってきます!、行ってらっしゃい!
と挨拶を交わしてスタート。
8:19@1stビューポイントに到着。この辺りで標高1,900m付近でしょう。
同じぐらいの目線に雲がありますが、遠くまでしっかり見通せました。三本滝には8:00@乗鞍高原発のバスが到着しています。
標高2,000m付近から木々が彩が鮮やかになり、各駅停車が始まります。
8:35@バスがやってきました。トップシーズンとあって5台編成です。安全な場所に避難してやり過ごします。
印象的なストレート。今年は黄色いぞ!
標高2,000m付近から斜度がきつくなります。2,000mを越えての斜度10%は何とも堪えますが、鮮やかな色彩が苦しさを緩和してくれます。
9:07@温泉の匂いのする冷泉小屋(標高2,200m付近)を通過。
9:22@黄色い世界に突入しました。
9:30@位ヶ原山荘(標高2,350m)。例年ここで休憩するのですが、雲が湧いてくる前に畳平まで到達しようと往路はパスしました。
9:38@位ヶ原山荘から50m程アップすると第二のビューポイント。お気に入りの場所です。見事な黄葉は例年通りですが、透明度の高い空気によりエッジの効いた景色が展開されます。富士見岳の山肌を横切るゴール付近の道も、苦労して上った九十九折れの道もいつになく明瞭です。
9:47@雲海の先の御嶽山や南アルプスの山並み。残念ながら富士山は見えません。
9:51@森林限界を突破するとナナカマドゾーンが始まります。しかし、今年のナナカマドは、オレンジ色が残る赤でした。
しかし、今年の黄色は凄い!特にこのコーナーは見事で圧倒されました。
赤、黄、緑と庭園のような場所の背後には穂高連峰がクッキリ。
沢沿いに群生するナナカマド。二、三日すれば真紅に染まるのか、これが今年の限界なのか、興味あるところです。
それにしても乗鞍の雪渓が、年々小さくなっています。もはや風前の灯です。近年、温暖化の影響で猛威を振るう台風を考えると、紅葉自体もピンチなのかもしれません。
10:32@肩の口小屋。剣ヶ峰登山口周辺には何台か自転車が止められていました。最短ルートで登頂を目指す猛者たちですね。一方で私は、体が動かなくなってきました。最高地点まで残り1km程ですが、この区間がシンドかったです。
見下ろすと先ほどの庭園のような場所や位ヶ原山荘が見えます。これは例年通りですが、今年はスタート地点の乗鞍高原付近までクリアに見えて驚きです。
10:53@最高地点(標高2,716m)のバス停に到着。長野と岐阜の県境です。風の通り道で、この日も強風が吹き抜けていました。一気に体感温度が低下します。
絶好の天気ですので剣ヶ峰を目指したいところですが、呼吸が辛くて堪らない状況です。せめて目前の富士見岳に登ろうと歩き始めましたが、急斜面を目前にして足が動くことを拒否。今回も登山は叶いませんでした。
代わりに乗鞍スカイライン方面を探索に向かいます。
岐阜県側は白い雲の海にタップリと覆われていました。平湯付近は曇り空なのでしょうか?
乗鞍スカイライン側には、ナナカマドの姿はなくハイマツのグリーン一色でしたが、穂高、槍ヶ岳と言った北アルプス主峰群を正面に捉えることができました。これで十分に満足、風も強いのでここで引き返しました。
11:16@畳平に到着。銀嶺荘前の自転車ラックは既に満車、仕方なく裏手の壁に自転車を立てかけて二階の食堂へ向かいます。今回はラーメンを啜りましたが、やっぱり標高の高いところでの麺類は今ひとつですね。銀嶺荘名物の自転車定食にチャレンジしたいところですが、今年も消耗していて胃が受け付けません。
11:57@真冬用のジャージと手袋を装着してダウンヒル開始。下はスタート時点から冬用ビブですので、完全冬装備です。その結果、今年のダウンヒルは、全く寒くありませんでした、、、というか若干暑い、、、なかなか思うように行きません。
透明度の高い空気による景色が印象的な今年の乗鞍でした。来年もまた訪れたいところですが、睡眠時間を削っての強行軍には体がついて行けなくなってきました。もう少しユトリあるスケジュールを考える必要ありです。きっと時間だけはあるのでしょうから、、、
走行距離:42.6km、獲得標高:1,309m、消費エネルギー:1,332C