笹子峠+上日川峠で消耗度110%
土曜日(9/10)、1ヶ月ぶりに山へ行ってきました。山梨県の2つの峠(笹子峠、上日川峠)が目的地です。計画開始から大夫時間が経過していますので、いろいろなサイドメニューまで準備したのですが、
結局半分しか実現できませんでした。ルートラボで描いたコースでは、笹子峠、上日川峠とも平均斜度6%と手頃な峠道をイメージしましたが、実際に走って見ると、上日川峠の平均6%はトリックでした。
4:00に起床し、5:01@根岸の京浜東北線に乗ります。まだ日の出前です。
東神奈川、八王子、高尾と3回乗り換えて、ようやく大月行きの中央本線(6:30@高尾)に辿り着きます。八王子駅には、たくさんの登山者の姿がありましたが、この大月行きはガラガラでした。一本後の松本行き(6:35@八王子)は、きっと混んでいるのでしょう。
7:05に大月着。自転車を組み立て、7:30に大月駅をスタート。念のため熊ベルも装着しました。この時点では、曇り空、気温も22℃です。笹子駅からスタートするほうが近いですが、ウォームアップなしでヒルクライムを開始しなければならず、敢えて大月駅を起点としました。
笹子川に沿って、緩やかな登りの国道20号線を走ります。若干体が重く感じられるスタートでした。8時前の街道は交通量こそ多くありませんが、土曜日ですのでダンプが横を通過して行きます。やはり日曜日のほうがストレスは少なそうです。
笹子駅を過ぎると斜度がアップします。同時に日が射してきて体感温度が一気に上がりました。8:35、走行距離(大月から14km)以上にグッタリして、笹子峠への分岐点に到達。ここから先は、車を気にせず走れる世界となりますのでホッとしました。
登り始めてしばらくは、日差しを遮るものは無く、汗が噴き出します。集落を抜けると待望の木陰が見えてきました。大弛峠と同じ展開です。
木陰に入ると一気にクールダウン。事前調査通りの平均斜度6%の登りを淡々とこなして行きます。
9:10、分岐から4kmほどで矢立ての杉に到着。杉の木は道路から100mほど離れたところにありましたが、ビンディングシューズでも歩ける道でした。樹齢1,000年を超すと言われる巨木は、時間の流れを感じさせます。その雰囲気を写真に収めたいのですが、コントラストの激しい被写体の撮影はどうも苦手です。
9:30、矢立ての杉から1.6kmほどで笹子隧道に到着。笹子峠は正規分布の平均斜度6%、斜度の安定した坂道で登りのリズムを掴みやすく、はじめてのヒルクライムに最適です。交通量も極少(車3台、バイク1台)でした。
照明のない暗いトンネルを抜けると甲州市です。強烈な青空に出迎えられました。
笹子隧道からは7.5kmのダウンヒルです。路面は悪くありませんが、太い木の枝が落ちていて注意が必要です。大和橋西詰の交差点で国道20号線に入り、甲斐大和のセブンイレブンまで大型車の轟音に怯えながら登り返します。ここで水と補給食を調達して上日川峠へ向けて出発しますが、既に10:30です。笹子峠に予想以上に時間を使ってしまいました。
景徳院入口の交差点から県道218号線に入ります。上日川峠まで、距離19.2km、標高差964mです。さっそくウェルカム10%のお出迎えを受けました。
武田勝頼の菩提寺景徳院は、山門の写真撮影だけで先を急ぎます。
景徳院を通過してからが苦行の始まりでした。特に竜門峡から天目トンネルまでの2kmは、平均斜度11%。おまけに直射日光に晒され、いっぱいいっぱいです。竜門峡や日川渓谷レジャーセンターのあたりは渓谷撮影ポイントですが、そんな余裕はゼロです。
11:14、天目トンネルに到達するころにはもう限界、たまらずトンネル内で休憩しました。
超涼し〜い!
暑い戸外から冷房の効いた室内に入った感じです。
振り返れば、随分と登ってきたことがわかります。まだまだ先は長いのに消耗度80%、先行きが不安になってきました。
天目トンネルを抜けると焼山沢真木林道との分岐があります。焼山沢真木林道のほうが眺めが良いのですが、それを享受するには厳しい登り(平均斜度9%、5km)を乗り越えて行かなければなりません。今日の私にそんなパワーはなく、大人しく県道218号線を直進しました。
道は、2%と10%が交互に現れる階段タイプの登り坂に変化します。このタイプは、リズムが一定せず、登りに没入できません。涼しい風とようやく現れ始めた木陰だけが救いです。
天目温泉を通過する時、「強アルカリ性温泉」という看板が目に入ります。ここでひと風呂浴びて帰りたい誘惑に駆られました。期待通りの山中の静かな道ですが、今日は辛い!!
12:14、上日川峠まで残り10kmとなったところで、疲弊して2回目の休憩をしました。勢い良く流れる水場の冷気を利用してクールダウンします。
残り10km、頑張るぞ!と走り始めると、いい感じの流れに遭遇。「五郎沢」と書いてありました。ここで休んだほうが良かったです。
階段タイプの登りは変わりませんが、平坦部分がどんどん長くなってきました。これは危険の兆候です。垂直方向への歪みが溜まってきていますので、それがどこかで解放されるはず・・・
そして、ペンション「すずらん」を通過したあたりから、再び厳しい登り区間に突入しました。
12:55、どこまでもつづく登りに根負けし、日陰に座り込んで休憩しました。動く気がしないので、空を見上げてパチリ。今日は青空が憎い。
13:24、ようやく上日川ダムのピークに到達、切り通しの名も無き峠でした。消耗度95%です。途中、ダムへ下る道がありましたが、下った分を上り返す気力がなくパスしました。しかし、県道からは木々が邪魔をしてダム湖はほとんど見えませんでしたので、無理をしてでも行くべきでした。
上日川ダムのピークから一旦ダウンヒルします。途中にめずらしい木製の砂防ダムがありました。土石流が発生すると粉砕されてしまうのではと心配になります。
下ったからには、また登らなければなりません。最後の登り区間を時速5kmのゾンビモードでよろよろと登って行きます。伐採で視界が開けた場所から名も無き峠が見えました。下った分を取り返したようです。
最後の1kmは緩い下り坂となり、13:55に上日川峠に到着。消耗度110%です。ちょうどバスの発車時刻でたくさんの登山客がいました。100mほど高いところにあるふくちゃん荘までは舗装路があるので、自転車で上がることも考えていましたが、人の往来が多くてとても無理です。これだけ登山者がいると大菩薩嶺への登山道で渋滞が起こっていても不思議ではありません。
ロッジ長兵衛は、外部補修の工事中のようでしたが営業しており、昼食にありつけました。高菜チャーハンで炭水化物と塩分を補給し、ホッとします。
上日川ダム、日川渓谷と見逃したスポットが多かったので、同じルートを甲斐大和へ戻ることを考えましたが、名も無き峠へもう一度登る脚はもはやありません。素直に県道201号線を塩山へ向けダウンヒルしました。
視界が開けた場所に出ると、大菩薩嶺に繋がる山並みの麓にこれから下って行く道の白いガードレールが見えます。
柳沢峠へ向かう大菩薩ラインのループ橋も見えました。
塩山側は、ガチ急勾配の連続です。ブレーキを引く握力がなくなり、雲峰寺前の駐車場で休憩しましたが、そこでアケビを発見。こんなにたくさんの実をつけたアケビを見るのは初めてでした。
大菩薩ラインまで無事に下り、裂石温泉で「大菩薩の湯」に立ち寄りました。柳沢峠の際にその前を通過しましたので、場所は確認済みです。入浴料610円、汗を流し、ジャグジーで全身マッサージ、露天でくつろぎ、すっかり生き返りました。タオルと着替えを持参した分、いつもの輪行セットより重量増となり苦しみましたが、十分取り返しました。
「大菩薩の湯」からは見通しの良い直線的な下り坂、汗をかくことも無く16:04に塩山駅に到着しました。信玄公の前で輪行の準備をします。帰りの列車は、16:58@塩山の特急「はまかいじ」。特急券を購入したいのですが、切符売り場は登山客で混雑しています。特急券は車中でも購入できるだろうと、SUICAで改札を通過しました。
特急「はまかいじ」は、横浜まで乗り換えなしですが、ネットで検索しても輪行の情報がほとんどありません。混んでいないか?自転車を置く場所があるのか?と一抹の不安を抱えながらホームで電車を待ちましたが、到着した列車を見てホッとします。乗車口付近に十分なスペースがあり、自転車を置くことが可能です。そしてラッキーにも自由席に空きがあり、無事座ることができました。
輪行の際に最後部座席の後ろに自転車を置きますが、「はまかいじ」は壁に固定されたテーブルが邪魔をして、自転車を置くのは厳しそうです。自転車を置くことができるのは乗車口付近に限られます。ちなみに勝沼、大月、八王子と進行方向右側のドアが開きますので、左側のドア付近に置くのがベストポジションです。
18:41に横浜に到着。八王子からは横浜線の線路を走り、横浜駅の京浜東北線のホームに入線。降りたホームで電車を待てば根岸まで運んでくれますので、私には何とも好都合な列車でした。
消耗してヘロヘロとなりましたが、やはり山は楽しい。秋の紅葉シーズンへ向け、鍛え直しです。
走行距離:64.8km、獲得標高:1,724m、消費エネルギー:2,412kcal