Ride on a ちゃり

パワー不足のエンジン搭載ロードバイクの走行記録

輪行ルートの開拓と広河原逆川林道

東京を中心に私鉄路線のネットワークが張り巡らされていますが、よくよく考えてみると、そのうち乗車したことがある路線は極僅かです。神奈川方面へ向かう小田急、東急、京急はそれなりに利用するので馴染みが有りますが、それ以外は私にとって未知の領域です。また、それら路線を利用するためには、混雑する東京中心部を通過しなければならず、輪行を躊躇していました。そうは言っても車載はルート設定に大きな制約があり、必然的に未知領域を切り開くことが求められています。そんな訳で、今回は、西武池袋線を利用して埼玉県飯能を目指してみることにしました。

5:10@みなとみらい線の元町中華街駅。実は、飯能行きの直通列車があるのですが、6:46発(8:26着)です。走行時間をたっぷり確保したい私にはいささか遅く、乗換え1回の5:10発(7:24着)を選択しました。

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5:10@元町・中華街駅

各駅停車に揺られて1時間、乗り換え案内の指示に従い、池袋で下車したのですが、、、

アレ、5番線の飯能行きはどこだ???

私にとって池袋も未知の領域、状況を理解するまで混乱しました。現在位置は東京メトロ副都心線池袋駅、乗り換える列車は西武池袋線

ゲゲ!、西武線の乗り場に行かなきゃダメじゃん!!

池袋駅西口の地下深くにある東京メトロ副都心線から東口の西武池袋線へ重い輪行袋を担いで大急ぎで移動、なんとか6:30発の準急飯能行きに間に合いました。ヤレヤレとホッとしていると電車は練馬駅に到着。するとMM線で同じ車両にいた人が乗車してきました。池袋ではなく練馬で乗り換える手があったんだ!とようやく気づきます。

横浜駅から湘南新宿ラインを利用した方がよかったかもと考えながら、西武線に揺られます。車窓から見える景色は、フラットな地形と住宅街、山へ向かっている気配は微塵もありません。それも航空自衛隊の入間基地を過ぎた辺りからがらっと変化、奥武蔵の山並みが見えてきて、ようやく気分がUPしました。

飯能駅南口で自転車を組み立てたのですが、同じ列車で到着したサイクリストは誰もいません。特に南口で不都合はありませんでしたが、北口を利用するのが正解だったのでしょうか?

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飯能駅南口

8:00@駅前のコンビニで水と食料を調達し、本日のライドをスタート。広河原逆川林道で有間峠を越え、秩父を目指しますが、起点となる有間ダム(名栗湖)へは直接向かわず、倉掛峠、天神峠、仁田山峠を経由するルートを引いてみました。広河原逆川林道は、今年5月に通行止が解除されたのですが、9月24日から再び通行止となるので、このチャンスを逃せません。

入間川左岸の県道70号線がメインルートですが、交通量が少ないであろう右岸の道を選択したところ、Garminはこんな道を選択してくれました。確かに車は通りません。

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割岩橋

8:18@右岸の道は、予想通りの静かな道でルート選択正解と思いきや、通行止めの看板が出現します。おまけに歩行者・自転車とキッチリ記されていて、いつもの林道の通行止めの看板とは訳が違いそうです。これは無理と諦め、左岸のr70へと向かいました。

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全面通行止め

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入間川

r70の交通量も気になるほどではなく、入間川沿いをゆるゆると進みます。

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県道70号線

原市場のコンビニで右折、r70を離れて入間川左岸を倉掛峠へと向かいます。

8:36@倉掛ポンプ場。一目でここがヒルクライムの起点と分かる景色です。ズドーンと伸びる斜度10%超の坂道を見て思わず笑ってしまいました。朝一番から壊れます。

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倉掛峠HCスタート

8:40@倉掛峠。距離は500m弱でしたが、ガーミンの表示は常時10%以上、最大15%を表示します。地元車がエンジン音を一段上げて追い抜いていきます。しかし、気持ちは前向き、脚もフレッシュな状態だったので、なんとなくクリアできてしまいました。それにしても、奥武蔵には、小粒だけれど強烈な坂道が潜んでいます。

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倉掛峠

8:44@倉掛峠を下り、県道350号線に合流。しばらく走ると分かれ道が現れます。「子の権現」の文字を見て思わず右に進路をとったのですが、Garmin

道が違うぜ!!!

と告げられ、渋々、左へと進みます。

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県道350号線:山神社

周囲の山がそれほど高くないのが特徴と言えば特徴の道を行きます。

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チェーンソーの音が聞こえてきました。いかにも製材所という雰囲気の田中製材所の前を通過します。バス停の表示も「田中」となっていたので、地名なんですね。

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田中製材所

8:57@林道原市場名栗線の入口。再び分岐です。

この際、子の権現にも寄ってくか!

と一瞬妄想が過りましたが、

有間峠はそんなに甘くない!

と左の竹寺方面へ進みます。

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左:原市場名栗線、右:子の権現

9:05@またまた分岐。竹寺にも興味がありますが、ここでお別れします。左折すると、いつもの林道風景となりましたが、台風の影響で落下物が路面に散乱していました。パンクしたくないので慎重に進みます。

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左:原市場名栗線、右:竹寺

9:28@天神峠(標高490m)付近。ランドマークはありませんが、一気に視界が開けます。いつのまにか山に囲まれていることに気づきます。

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天神峠から仁田山峠は、ダウンヒルと思っていましたが、実際の道は、下っては上るアップダウンの連続でした。おまけに何処が仁田山峠がわからないまま名栗湖への急降下がスタート。その下りの途中に彼岸花の小群落を発見しました。今年の初物です。有名な巾着田はまだ全然咲いていないのに、この場所は先行しています。

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9:48@一気に自転車密度が上昇した有間ダムへの入口。この先に有名な名栗湖の坂があります。

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有間ダム入口

9:57@有間ダム(標高311m)に到着。斜度10%をマイペースで上っていると、5台ほどの自転車に追い抜かれました。ちょうどバスが到着したのでしょうか、自転車以上に登山者の姿が目につきます。

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有間ダム

名栗湖とその先に壁のように聳える有間山を眺めながらエネルギーを補給しました。秩父はあの壁の向こう側です。

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名栗湖

有間湖の右岸を上流へと進みます。登山の人達は、途中の棒の嶺登山口に吸い込まれて行きました。

10:18@有間川左岸へ渡ったところが、広河原逆川林道(サカサガワと読むそうです)の起点でした。

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すぐに道路脇に大ヨケの滝がありす。実は、道路から見えるのは、「下の滝」だそうで、この上部に「上の滝」があるそうです。このタイプの滝をこの先にいくつか眼にしました。

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大ヨケの滝

10:30@有間渓谷観光釣り場の先に林道ゲート。9月24日から来年5月までこの先が通行止めになります。

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林道ゲート

林道ゲートから本格的なヒルクライムがスタートします。距離9.3km、標高差738m、平均斜度8%ですが、前半は常時10%超の厳しい上りが続きます。ここも台風の影響で路面に落下物が散乱していますが、落石や沢から流れ出した小石も多く注意が必要です。

10:56@30分間真剣にペダルを回し、ようやく少し斜度が緩んだところで一息入れます。斜度8%の部分が楽に感じるタイプの坂道、噂通りのハードさです。かなり上ったつもりでも標高はまだ600m程、峠は1,100mなので、まだまだタフな上りが続きます。

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いつものことですが、何台もの自転車に抜かれました。皆さんクルクルとペダルを廻して上っていくのですが、私にはとても真似できません、いったい体の何が違うのでしょうか???

ついに速度が4km/h台にまで落ち、フラついてきました。最後の手段とジグザグ走行を開始します。かなり楽になりましたが、ガードレールのない場所もあるので緊張します。

11:24@西名栗林道終点を通過。この林道も現在通行止です。先人のブログによると、かなりガレガレの林道のようです。

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西名栗林道

11:37@大名栗林道終点を通過。一度は走って見たい埼玉県屈指のロングダート(全長21.7km)ですが、ここもまた現在通行止。オートバイの死亡事故が発生したようで、通行止解除は厳しそうです。

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大名栗林道

12:01@標高1,000m付近になると山の稜線が視界に入るようになってきました。ようやく激坂区間を突破しました。

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12:05@切り立った岩壁が印象的な視界の開けた部分に出ましたが、水滴が顔に当たります。雲の中に突入したのか、微粒子状の雨が降り始めました。

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12:32@有間峠(標高1,142m)。標高1,000mを超えてからのアップダウンの道が長かったです。峠からは名栗湖を望めるはずですが、先ほどからの霧雨で視界はありません。

天気予報は曇り時々晴れだったのに!春の大血川林道に続いての雨!

秩父の山に嫌われているようです。峠の標識は昨年の路肩整備で撤去されてしまい記念撮影ポイントもありません。峠でまったりする予定でしたが、秩父側への下りの途中で休むことにして、給早々に退散します。

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有間峠

12:45@路肩に倒木を見つけ休憩。おにぎりを食べていると雨足が強まってきました。

とっとと帰れ!

と山に言われているようです。

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横着して座ったままで撮影

13:04@標高500m辺りまで下ると路面がドライになりました。山の上が雲の中にあるのがよくわかります。気温、湿度もグッと上り、ダウンヒルで着込んだウィンドブレーカをここで脱ぎました。

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浦山川に沿ってのダウンヒル区間が続きます。

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浦山川

13:42@浦山大橋。橋の上から釣り糸を垂れている人がいます。湖面まで20mはあるので、一体何を釣っているのか興味が湧いて釣り人に尋ねてみると、

ワカサギだ〜、今日から解禁なんだ〜、でも全然駄目だ〜

と教えてくれました。ワカサギなら釣り上げられるなと納得です。

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さくら湖岸の道は、トンネルと軽いアップダウンの連続でした。ここまで来てようやく青空を拝みます。

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秩父さくら湖

13:58@浦山ダム。堰堤の上を歩けるようなので立ち寄ってみました。

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浦山ダム

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ダムの上から眺める秩父市街が今日一番の眺めでした。馴染みのある西上州の山並みも見えます。

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14:20@西武秩父駅。小腹が空いたので、秩父B級グルメを堪能したいと思いましたが、わらじカツ丼の安田屋も豚味噌丼の野さかも行列で諦め。駅前の蕎麦屋で豚味噌焼を食べましたが、運動の後ですので濃いめの味付けが体の要求とマッチして意外といけました。

帰路は、特急で秩父から所沢まで移動し、所沢で元町中華街まで直通のFライナーに乗り換えました。あっさり座れてこれは楽でいいと思ったのですが、土曜日のため池袋から横浜までの区間はかなりの混雑となり、大きな輪行袋は邪魔者でしかない状況となりました。やはり都心を通過する輪行は鬼門です。

走行距離:60.1km、獲得標高:2,117m、消費エネルギー:1,667C