Ride on a ちゃり

パワー不足のエンジン搭載ロードバイクの走行記録

櫛形山林道、丸山林道を探検

乗鞍日帰りというのは、私には体力的に無理ですので、帰路はどこかで一泊することになります。昨年は、諏訪に泊まって麦草峠へ行きましたが、今年はどうしようと悩みます。

霧ヶ峰は? 夏に蓼科へ行ったのじゃん。

瑞牆山は? 紅葉のタイミングで行きたいよ。

大弛峠は? 乗鞍の翌日じゃ、無理に決まってるでしょ。

そして、最後に残ったのが丸山林道です。通行止めで途中までしか行くことができないようですが、常々訪れたい思っていました。また、池の茶屋から40分登山すれば櫛形山もゲットできますので、ここに決定です。そんな訳で、今回は、甲府に一泊となりました。

丸山林道は、富士川町から県道413号線でアクセスするのが普通のルートですが、どのブログにも厳しいヒルクライムのことが書いてあります。これはまずいと、他のルートはないかと探し、櫛形山林道を経由するルートを選択したのですが、正解であったのかは、ちょっと?です。

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今回のベースキャンプは、櫛形総合公園です。7:48@駐車場を出発しました。駐車場から威圧するように櫛形山が見えました。それにしてもこの山は、どこが頂上なのかわからない形をしています。

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天気予報が「今日は昨日より気温が上がります」と言うので、上は夏用の袖なしインナーに半袖ジャージ、下は登山をするのでライトトレールタイツにレーパンとしたのですが、甲府盆地の空気は爽やかでスースーします。二日連続の服装選択ミスか?とスタート直後から心配になりました。

8:06@川沿いの道を遡上すると、最初のランドマークとなる桃花橋ループが見えてきました。かなりの威圧感です。恐る恐る登り始めましたが、斜度7, 8%と見た目より穏健な上りでした。

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農道へ外れて撮影しています。この道はループ橋へは行きません!

ループ橋を上り切れば一息つけると思っていたら、

その先も上り坂! さらに斜度も一段アップ!!

本日のヒルクライムのスタートポイントは、ループの入口だったと気づきます。ループの穏やかさに騙されました。文句を言ってもしょうがありません、先は長いと無理せずゆっくり上ります。

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8:19@スタート早々一汗かきましたが、500m程で長峰林道入口の案内板がありました。

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林道に入ると、すぐに三大王子神社、子授け安産の神様とのことです。ここで反対方向から自転車が2台下ってきました。ここは、地元の方の練習コースなのでしょうか?

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一瞬だけ斜度13%なんてところがありましたが、長峰林道はすぐに終了。8:26@市営林道櫛形山線の起点を通過します。

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 斜度8%を基調にして、コーナー付近では10%を超えるような上りが始まりましたが、前日の乗鞍で高地順応しているので、そんなに辛く感じません。心拍数も150以下で落ち着いています。

8:43@開けた場所に出てきました。とりあえず、ここは撮影ポイントAと命名します。正面に見える山を見て、

あれが櫛形山か、ずいぶん遠いな〜

と思いましたが、帰宅してGoogle Mapで調べると、この写真は夜叉神峠方面を写しています。となると、あの山は、高谷山あたりですね。

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このポイントで、また下ってくる自転車とすれ違いました。これで、このルートは地元の人気ルートに違いないと確信したのですが、これがこの日遭遇した最後の自転車となりました。

道は、森の中をひたすら上って行きます。路面は、林道としては良好です。南斜面ですが、木々に日差しが遮られて、冷んやりとします。やっぱり長袖アンダーの方が正解でした。

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9:12@櫛形山林道ゲートに到着。デフォルトの「通行止め」以外に、建設会社の

工事中につき通行止め

の看板が追加されていました。横には工事内容を記した掲示板も設置されています。

私A: あれ、これは、まずいのかぁ???

私B: 日曜日だから工事はお休みでしょう

私C: 3台も反対方向から自転車が来たから、大丈夫じゃない

と頭の中で会話が始まりましたが、ここまで来て迷っても仕方がありません。前進しましょう。

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しばらくすると後ろからエンジン音が聞こえて来てます。ゲートが閉まっていたのに車?と思っていると、その車が私の横で止まります。運転していたのは、山仕事のおじさんでした。その人から、

この先、橋の架け替え工事をやってるで通れんかも〜

と、グサッとくるコメントを頂きました。一瞬、呆然としましたが、

ありがとうございます。通れなかったら引き返しま〜す

と、かろうじて返事をしてお別れしました。私が林道へ入っていくのを見て、心配されたようで、一声掛けてくださったようです。ありがとうございました。

今日は早じまいかな〜と思いながら、斜度8%、時々10%という道を進みます。

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9:44@櫛形山支線のゲート(閉鎖中)を過ぎるとようやく斜度が緩みました。でも、道は北向きの斜面へと進み、クーラーの効き過ぎた環境を走っている感じとなります。

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9:55@北向き斜面を抜けると、視界が開けた場所に出ました。ここを撮影ポイントBと命名します。そろそろスタートから2時間経過、ここで一休みすることにしました。

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谷の向こうの山肌に林道桃ノ木鳩打線のガードレールが見えます。右の谷筋には、道路や人家が見えていました。帰宅後地図を調べると芦安村のあたりで、この谷筋をどんどん進めば南アルプス登山の起点である夜叉神峠に辿り着くような場所でした。

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一番奥にチョロっと見えた岩山は北岳???

10:00@おにぎりを一個食べて出発です。平坦区間は終了で、また10%を上ります。

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林道桃ノ木鳩打線のゲート(閉鎖中)を通過すると、再び斜度は落ち着いてくれました。異様に静かな自然林の中を進んで行くと、前方に「300m先工事中」の看板が見えて来ます。

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10:20@工事現場に到着。予想通り工事はお休みです。そーと現場を覗いてみると、なんとか通過できそうです。現場を荒らさないように、自転車を担ぎ、慎重にこの橋を渡りました。

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10:28@南高尾山林道との分岐点に出ました。左に下っていけば、伊奈ヶ湖へ行くようです。ひょっとして、ここから上ってくればよかったのでしょうか?でも、伊奈ヶ湖方面は、すごい勢いで下っていました。

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斜度は緩みましたが、まだまだ上りは続きます。そのうち、ゴーーーという音が聞こえて来ました。同時に、なんとなく高原道路的雰囲気になって来ます。

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10:49@平成峡なる場所に出ました。「ゴーーー」は、この沢を流れる水音でした。平成に入ってからこの場所に遊歩道を整備し「平成峡」と命名したようですが、観光スポットとしては、いささかインパクトを欠きます。

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11:00@見晴らし平に到着。事前調査で見た写真の通り、モニュメントがあり、富士山が見えます。ここからの眺める富士山は「関東の富士見百景」の一つです。車が2台ほど止まっていましたが無人でした。ここベースに櫛形山登山のようです。

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甲府盆地は靄っています。正面の雲のかかった山並みは、金峰山国師岳です。

11:21@菓子パンとエナジゼリーを補給して出発です。

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見晴らし平を過ぎれば下り始めるかと思っていましたが、ダラダラとした上りが続きます。同じような道がデジャブのように現れます。この時、櫛形山は、まだまだ先と思って走っていたのですが、この右手の斜面が櫛形山そのものでした。

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11:56@特に峠といった場所はなく、なんとなく下りが始まりました。そして、富士山のビュースポットが現れます。それも何箇所も。

見晴らし平よりこっちの方が富士山よく見えるじゃん!

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今回は、写真にトンボや蜂など思わぬものが写っていました。

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笛吹川釜無川が合流して富士川となるあたり

さらに下って行くと、台風の大雨で沢から溢れた水が路面を流れ下ったような場所に出ました。路上に石や木片が散乱していて危険です。慎重に下ります。

12:05@なんだこれは?と思ったら、義丹の滝展望台でした。

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滝の名称となっている「義丹」は、奈良時代の名僧、修行中にこの滝を発見したとのことで、雨乞いの霊所として知られると案内板に書いてありました。

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展望台に立っても、滝は小さくしか見えません。

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思いっきりズームしてようやくです。

丸山林道めがけて道はズンズンと下っていきます。

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12:16@ついに櫛形山林道出口に到着。右手には丸山林道の入口が見えます。スタートから4時間半、ようやく櫛形山林道をクリアしました。たっぷり走った感もあるし、雲もだいぶ出て来たし、もうここで帰ろうかと思いましたが、そうそう訪れることができる場所ではないので、行けるところまで行ってみることにします。

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丸山林道入口、また斜度10%が始まります。

またしても斜度8%、時々10%の上りですが、10%の割合が櫛形山林道より多めです。入口付近の路面は少し荒れていましたが、しばらく進むと整備された綺麗な路面になります。

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丸山林道相手に30分ほど抵抗しましたが、このカーブで降参です。路肩で一休みしました。この辺りから180度ターンのカーブが幾つも現れるのですが、カーブの傾斜が12%、13%、14%とアップしていきます。

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13:06@やった!丸山林道のゲートに到着と思ったら、丸山支線のゲートでした。この写真を撮影したところで、カメラのバッテリーが切れます。この先はスマホでの撮影となりました。

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13:21@前方に事前調査で写真を見た、特徴的な岩壁が見えてきました。もう、ほとんど止まるようなスピード、限界が近いです。岩壁の下あたりで180度ターンすると、斜度が緩み、なんとかまだ前進できました。

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13:39@いつものようにヘロヘロ状態で、池の茶屋林道の分岐地点に到着しました。

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池の茶屋林道方面、終点はまだ2.5km先です。

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丸山林道方面、この先は、立ち入り禁止です。

当初の計画では、池の茶屋林道を終点まで走り、櫛形山に登山する予定でしたが、もはや体力も時間も残っていません。空もすっかり雲に覆われてしまいました。「今日は、ここにて終了!」と帰ることにします。通行止が解除されて、奈良田まで行けるようになったら、また来ましょう。

 実はここからの帰路でも苦戦しました。帰るためには、標高差1,400mのダウンヒルを行わなければなりませんが、櫛形山林道分岐点を通過してから平林地区までの路面状態が最悪でした。木々に覆われ薄暗い上に、穴だらけ、石だらけです。必然的に、ブレーキを多用して下りましたが、ついには後輪ブレーキの効きが悪くなり、前輪ブレーキ頼みの恐怖のダウンヒルとなりました。なんとか富士川町まで下って来た時には、精神的に消耗しきってグッタリです。丸山林道は、往路の上り専用、帰路は櫛形山林道というコース設計が正解でした。

15:16@櫛形総合公園に帰着。自転車を車に積み込み、一息入れてStravaを確認すると、今日のアクティビティの「櫛形山 見晴らし平 TT」の欄に見慣れぬマーク(トロフィーに10という数字)があります。

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そして「櫛形山 見晴らし平 TT」の詳細には、

な、なんと、私のタイムが、

第10位!!

にランクインしています。これは、快挙です!

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皆さん、もう落ちはお分かりと思いますが、

10名中10位、☆堂々の最下位☆

ということです。そして、この挑戦者数の少なさは、この方向に櫛形山林道を走ってはいけないことの証明なのかもしれません。

最後に一波乱ありましたが、櫛形山林道は大部分が自然林の林間コースでした。これからの紅葉シーズンが楽しみです。

 

走行距離:53.6km、獲得標高:1,705m、消費エネルギー:1,876kcal

 

追記:

いつもお世話になっている自転車屋さんで、効きの悪くなってしまった後輪ブレーキを調べてもらいました。ブレーキのセンターやブレーキシュー自体も若干ズレていましたが、最大の原因は、テンションボルト(カンパの一番お安いブレーキ、ベローチェはこのネジで調整します)が緩んでいたことでした。前日、乗鞍の決して良いとは言えない路面を20km下り、翌日、超悪路の丸山林道に突っ込んだ訳で、ボルトも緩みます。スタート前にちゃんと整備しなければいかん!と言う教訓となりました。