Ride on a ちゃり

パワー不足のエンジン搭載ロードバイクの走行記録

甘利山から林道を巡って石空川渓谷へ 2020(前編)

今週はダメだな〜と諦めていた週末の天気でしたが、金曜夜の天気予報では、関東近辺の内陸部に晴れマークが出現しました。日曜(7/12)であればなんとかなりそうです。秩父?日光?と、各地の天気を比較検討した結果、山梨県韮崎付近がベストのようです。韮崎となると前回断念した甘利山があります。県道甘利山公園線が工事通行止めのため断念したのですが、よくよく調べてみると、清哲、御所沢小武川、小字沢と3つの林道を経由する迂回路が設定されていました。これは、行け!という天命です。どうせ行くのであれば、山頂まで登山して、さらに石空渓谷の北精進ヶ滝も楽しんでこようと、欲張りルートを設定したのでした。

7:25@韮崎中央公園運動場をスタート。路面は多少濡れていますが、雲は切れ、これから向かう山並みがはっきりと見えています。AR山ナビで甘利山の位置を確認、今日もたっぷり楽しめそうです。

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韮崎中央公園は、釜無川と塩川に挟まれた河岸段丘の上に位置しています。したがって、まず、釜無川へとダウンヒル。帰路は、疲れ果てた脚でここを這い上がらねばなりません。

7:37@桐沢橋で釜無川を渡河すると、距離20km、標高差1,200mのヒルクライムが始まります。この地点の標高は450m、目標の甘利山駐車場は1,650mです。富士山が雲の上に浮かんでいました。

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清哲(セイテツ)林道に至る道は県道12号線から分岐しますが、その入口は、なんの変哲も無い地元道で分かり難かったです。「鳳凰三山この先右折」の標識と、その先の電柱の「青木鉱泉」(鳳凰三山登山口)の看板が目印です。

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桐沢川沿いの田園地帯を抜けると未舗装路、全長1.26kmの市営林道清哲線です。よく踏み固められたダートは、ノーマルタイヤでも十分に走行可能でした。

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7:54@舗装路が復活すると、すぐに県営林道御所沢小武川線の終点ゲートです。ここから本格的な上りがスタートしましたが、雨上がりで湿度100%、サングラスが曇って前方がよく見えなくなります。これじゃ熊が前に現れてもわからんぞ!なんて思いながら進みます。

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ひと登りすると視界が開けます。清哲林道、釜無川河岸段丘、そしてその先に八ヶ岳を見ることができました。

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処理された倒木の横を通過。切断面が新しいので倒れたのは最近のようです。

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メインルートの甘利山公園線は、スタート直後から10%超区間が続き、あまりの辛さに降参した思い出があります。こちらのルートは、斜度5%以上、10%以下という程々の上りが続きます。標高700mを越えると高湿ゾーンを突破、視野もクリアになりました。

saetta0404.hatenablog.com

沢越えのアップダウンを通過し、8:49@伐採地に出ると、右側に湿原の沼が見えます。この先でも沼の横を通過します。なかなか変化に富んだ林道です。

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そして運命の瞬間がやってきます。左コーナーをゆっくり回って行くと、50m前方に黒い動物の姿が、、、 

ファーストコンタクト!

ク、クマですが、子熊でした。ほぼ同時にお互いを確認、お互いにビックリ、お互い動きが止まりました。が、子熊の方が反応が早く、慌てた素ぶりで山へと逃げ込みます。おじさんは一人取り残されました。取り敢えず一難去りましたが、近くに母熊がいる可能性があるので、少し様子を見てから再スタート。もし大人の熊だったらどうなっていただろう?と、今思い返すとヒヤヒヤものです。でも、慌てた子熊の姿は、どこか可愛らしくもありました。

9:03@オープンな場所を通過。谷抜こうの山の斜面に白いガードレールが見えます。

あれは別の林道?それともあそこまで行くの?

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9:19@やはり、あそこまでやってきました。ちょうど標高1,000m付近です。この林道、眺めも良好です。

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9:35@林道分岐地点に到達。道標では、左が甘利山となっていますが、通行止の甘利山公園道路に至ります。今日は、右の小武川林道から甘利山を目指します。まずは1km程の水平移動区間です。

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9:44@次の林道分岐点。ここは道標通り左折して県営小字沢林道を行きます。甘利山までの距離7km、標高差550mのミドル級ヒルクライムに備え、ここでエネルギー補給を行いました。ちなみにここに至るまでに四台の対向車とすれ違いましたが、私を追い抜いて行く車、バイク、自転車は皆無です。

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小字沢林道序盤は、斜度10%区間。薄日が差してきて気温も上昇。オーバーヒート対策に、ヘルメットは脱いでリュックにくくり付けました。降り続いた雨で山から水が流れ出していて、路面はビショビショ、土砂も散乱していました。セミの鳴く森の中をいつもののんびりペースで上って行くと、前方から自転車が慎重に下って来ます。挨拶を交わしてすれ違いましたが、この日遭遇した自転車はこの一台だけでした。

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少し蒸し蒸しするコンディションでしたが、沢筋の冷気は強烈で、気分がシャッキっとします。

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木立に遮られてよく見えませんが、それなりの落差の滝もあります。

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10:34@市営小字沢林道のゲートを通過。県営林道から市営林道にスイッチします。甘利山は近いぞ!という気分になりましたが、まだ3km以上ありました。疲労も蓄積し、ここからがキツかったです。

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10:47@ようやく斜度が緩みます。途中に一瞬ですが斜度15%なんて場所もあり、写真どころではありませんでした。気がつけば周囲はカラマツ林となっています。

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11:06@ようやく甘利山駐車場に到着しました。甘利山公園線の通行止で、仕方なく走った今回の林道ルートですが、正規ルートよりも数倍楽しめた気がします。林道ルートで上って、甘利山公園線を下るというのがオススメと思います。

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駐車場に車は二台だけ、人影は全くありません。下界を一望できるベンチに腰を下ろして、おにぎりを食べて一服です。

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3年前に初めてここを訪れた際は雲の中、そのため甘利山登山はパスしましたが、今回は山頂を目指します。案内板によれば徒歩20分です。

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11:37@甘利山登山スタート。左の道を行き、右の道から戻る予定です。左の道は階段ルート、右の道は林間の登山道でした。

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案内板に「富士山と甲府盆地が一望できます」とありましたが、まさにその通りです。甘利山駐車場まで上って来たなら、これを見ない手はありません。

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階段パートが終了するとレンゲツツジの群落の中の木道となります。見頃は6月中旬のようで、すでに今年の花は終了していました。どうやら前方の丘の上が山頂のようです。

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12:00@甘利山登頂完了。誰もいない山頂で富士山を眺めながら、至福のひと時を過ごしました。

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千頭星山が近くに見えますが、あそこまで行くには、さらに2時間必要とのこと。次回は、レンゲツツジのシーズンに千頭星山を狙いましょう。

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12:25@北精進ヶ滝を目指し甘利山を後にしました。

後編に続く