雨上がりの焼山沢真木林道
我慢できませんでした。梅雨の切れ間のワンチャンス、7/2(木)に山梨県は上日川峠まで行って来ました。2016年11月に訪れた焼山沢真木林道ルートの再訪です。当初、甘利山から北精進ヶ滝というルートを考えていたのですが、県道甘利山公園線が、7月末まで工事通行止めであることが判明して今回のルートに変更。やはり事前調査は重要です。
7:25@笹子トンネルの甲府側出口にある道の駅「甲斐大和」をスタート。久しぶりの青空ですが、前日夜半までは激しい雨が降り続いていたので路面状況が気になります。
まずは、県道218号線で天目山を目指します。初夏の日差しですが、昨晩の雨のおかげで路面からの照り返しはソフトです。このルートは3回目、はじめの10km、標高1,400mまでが厳しいことは、体にインプット済みです。
7:51@景徳院から日川渓谷レジャーセンターまでの12%区間第一弾を通過。きついヒルクライムでしたが、日陰は冷んやりするくらいの気温だったので、オーバーヒートの心配はありません。
8:05@第二弾の12%区間をクリアすると天目山トンネルです。真夏は、ここまで来るだけで消耗します。このトンネル内の冷気に救われた思い出があります。トンネル横には側道らしき道。山越えの旧道か?と思いましたが、地図で確認すると米背負峠という別の場所へと続いていました。
8:09@天目山温泉を通過すると林道焼山沢真木線の入口があります。このままr218を走れば上日川峠に至りますが、正直余り面白味のない道です。私のオススメは、焼山沢真木林道です。
オススメですが、斜度は林道の方が厳しいです。最初の沢を越えたところからいきなりこの林道の最大斜度となる15%の上りがスタートします。10%から15%が300mほど続きます。前回はペダルを廻すのだけで精一杯となり写真を撮る余裕はありませんでしたが、今回は激坂スタート前に記録しました。斜度は厳しいですが、路面は綺麗に整備されていてフラット、力の損失なく這い上がれました。渓流沿いの道なのでメマトイが煩わしいのが難点です。
上りきったところで、再び沢を越えますが、橋の上には大きな水溜り。この先の橋でも同じように水溜りができていたので、やはり昨晩はかなりの雨量だったようです。
12%区間が繰り返し現れますが、瑞々しい緑の中をピークは過ぎたハルゼミの声を聴きながらマイペースのヒルクライム、ストレスフリーです。とはいえ交通量はゼロではありません。山仕事の車と登山客の県外ナンバーの車が極たまに通過して行きます。かつては住居もあったようですが、全て廃屋、最後の住居跡は崩れかけていました。
2016年に走った時は、とても綺麗な路面だったのですが、この4年間で損傷を受けた箇所が多数ありました。このルートを下りで走る際は要注意です。
淡々とペダルを踏むことに没入し、意識があるような、ないような、ヒルクライムハイ状態。カラマツ林が姿を現し、植生が変化したことで意識が戻ります。標高1,400m、湯ノ沢峠登山道の入口を通過すると斜度が緩んで来ました。太陽が雲に隠れ日差しがなくなると空気が冷たいです。長袖アンダーが正解だったかもしれません。
左手に大蔵高丸(標高1,781m)が見えてきました。あの山はどこから登るのだろう?と疑問が湧きます。
9:18@休憩ポイントの東屋に到着。ここで上日川峠までの中間点です。この場所からは富士山や南アルプスの絶景を望めるのですが、残念なことに今日は雲の中でした。
東屋の日陰では汗が冷えます。少し日が当たるくらいの場所の方が快適な気温でした。エネルギー補給していると、汗のミネラルを求めて虫達が集まって来るので、虫除けスプレーを全身に噴霧して防御。多少は効果ありました。
東屋からはオープンな尾根筋を進みます。
上日川ダムが見えてきましたが、大菩薩嶺は雲の中です。標高1,600mまで来ると道は平坦な高原の快走路になります。
9:54@林道分岐点に到達。左方向は上日川林道起点です。右方向は焼山沢真木林道で、湯ノ沢峠*まで2kmの未舗装路が続きます。前回この場所を訪れた際は、普通のロードバイクだったので右方向に進むことは考えもしませんでしたが、今回の興味の対象は、2kmの未舗装路です。とはいえ、雨のシーズンのため最悪の路面状態が予想され、多分走れないだろうと、タイヤは舗装路用のコンチネンタルGP5000-32Cでやって来ました。
*湯ノ沢峠方面は、2020.07.06から07.15の期間、橋梁工事のため通行止です。
未舗装路のスタート地点を覗いてみると、路面状況は予想に反して良好。フラットダートの道には、水溜りもありません。これなら行ける!と判断し、今シーズン初となる未舗装路に突入しました。
とても走りやすい未舗装路でした。基本ダートで、斜度のキツイところに小ぶり砂利が敷かれています。湯ノ沢峠には登山向けの駐車スペースがあり、定常的にそれなりの数の車が行き来します。このため、路面がよく踏み固められているようです。
10:14@湯ノ沢峠駐車場。4台の車が駐車していました。トイレもあります。湯ノ沢峠周辺案内図を見て朝の疑問が解消しました。大蔵高丸は、ここから登るのです。次回はここから登山もありだなと思い、登山道を偵察して見ると、水溜りが多数見え、足元も悪そうでした。登山するのであれば、時期を選ぶ必要がありそうです。
10:29@往復30分ほどの冒険で上日川林道起点に戻って来ました。
今日のルートの最高地点は標高1,660m、上日川林道にあります。したがって、起点からしばらくは上り基調、その後、アップダウンを2つ繰り返します。
オレンジ色の蝶の姿が目に留まりました。ギンボシヒョウモンです。アザミが好物のようで、食事に夢中で近づいても逃げません。
大規模な伐採現場を通過。木材を運び出すためのワイヤーが複雑に張り巡らされています。
昨日の雨の影響で沢の水が溢れて洗い流し。思った以上の水を跳ね上げて、濡れてしまいました。
11:06@上日川林道終点。ここから再びr218を走ります。上日川峠までは残り5kmですが、一旦下って上り返すという、ちょっと意地の悪い仕様です。
11:29@上日川峠(標高1,585m)に到着、同時に雲が切れて陽が差してきました。2台のロードバイクが先着しています。県道201号線は通行止なので、r218を来られたようです。
平日ですが駐車場はほぼ満車、ロッジ長兵衛も営業中していました。おにぎりを食べながら、さてどうするかと思案します。時間的に大菩薩峠往復も可能ですが、雲が多く、せっかく登っても眺望は期待できません。何よりも、足元が悪いのは確実で、ドロドロになりそうです。明日も仕事、ここは無理せず、温泉に浸かって帰宅することに決定しました。
11:57@往路は薄暗い森でしたが、帰路は太陽が復活。ライトグリーンの美しい林間コースです。
往路で気になった林道土室日川線。入口は舗装路だったので偵察して見ると、50m先で未舗装路となっていました。迂闊に侵入できないタイプの林道のようですので、すぐに退散です。
4年前に植林されたばかりだった広葉樹の若木が成長し、食害防止のネットから枝を広げていました。ダムを隠すほどの森に成長するのには、まだまだ年月が必要そうです。
12:25@r218唯一のランドマーク上日川ダム。誰もいません。
ロックフィルダムの岩組の隙間にピンク色の花が咲いています。なんと高山植物の女王コマクサでした。人工的に植え付けを行なったものだそうですが、こんな場所で目にすることができるとは思っていませんでした。多くの株が、既にピークを過ぎていましたが、被写体を厳選して撮影しました。
4年前にも撮影した日川に掛かる橋の上からのショット。シャッタースピードを遅くした撮影がどうにも苦手なのですが、珍しく手ブレせずに撮れた自己満足の一枚です。
13:01@天目山の集落まで下って来ると前方に富士山が姿を現しました。この日は、昼頃から夕方にかけて天気が良くなって行ったようで、テレビのニュースでも三ツ峠からの夏の富士山を紹介していました。
13:12@時間に余裕があるので景徳院を少し探索。戦国の雄、武田家終焉の地が、この日川沿いの田野です。武田勝頼は、織田、徳川連合軍との戦いに敗れ、ここで自害しました。後年、その菩提をともらうために創建された寺院が景徳院だそうです。r218に面したところにあるのがその山門と思っていましたが、奥に、屋根の棟に武田菱があしらわれた立派な山門がありました。その他史跡が色々ありましたが、ここは武田氏滅亡のストリーを事前学習していないと、堪能できない場所かもしれません。
この後、天目山温泉で汗を流し、勝沼で桃を購入して帰路につきました。中央高速道もスムーズに流れ、18:00には帰宅。1個100円で入手した桃は、甘くてジューシー、奥様から大絶賛を頂くことができ、遠征は大成功に終了しました。
走行距離:49.3km、獲得標高:1,301m、消費エネルギー:1,378C