天気に翻弄された大血川林道+県道薄小森線
いよいよ梅雨入り、週末の天気にヤキモキするシーズンとなりました。土曜日と日曜日の天気予報を見比べて、どちらが雨の確率の低いか、何処が晴れているかと考え、迷うのです。そして、雨上がりの土曜日の早朝、関越自動車道を秩父へと向かいました。
8:05@埼玉県小鹿野町にある道の駅「両神」をスタート。徐々に雲が切れ、青空が見えてきました。今日は、大血川林道で三峰神社(標高1,102m)を目指します。この林道も昨年は通行止の期間があり、手付かずとなっていた道の一つでした。
まずは県道37号線(皆野両神荒川線)をヒルクライム、ピークで秩父市に入ります。程よいウォーミングアップです。
r37沿いに林道御岳山線の起点があります。大血川林道とペアで走りたかった林道ですが、残念ながら現在は通行止。
すれ違い不可の狭いトンネルを抜け、国道140号線まで一気にダウンヒルします。
8:30@贄川(にえがわ)交差点。ここからR140を行きます。熊谷から秩父を経由して甲府へと至る幹線道路ですが、この時間はストレスを感じるような交通量ではありません。
荒川に架かる白川橋の上から谷底を偵察。高いところが苦手なくせに、橋があると必ず覗きに行く谷底マニアです。
8:49@太陽寺入口でR140とはお別れ。大血川橋で荒川右岸へと渡ります。この付近は、秋の紅葉が綺麗です。
林道起点の大血川観光釣り場まで4km、地味な上りが続きます。
9:24@大血川林道の標識。ここが総延長12.7kmの林道の起点のようです。空模様は、日が差したり、翳ったりと目まぐるしく変わり、体感温度が乱高下します。
9:27@大血川渓流観光釣り場。食堂などの施設もあります。ここなら川魚を食べてもいいかな?なんて思いながらその前を通過しました。
渓流釣り場から10%超区間がスタート。写真で見ると素敵な道ですが、渓流に沿ってグイグイと上って行きます。先週、南ヶ岳林道で修行した効果で激坂耐性がアップ、キツイながらも着実に前進できました。
苔むした岩がゴロゴロした渓流を眺めて一息入れます。雨上がりですが、流れる水の透明度は非常に高いです。
ヘアピンカーブは渓流から離れるサイン。九十九折れの道となり、斜度が少し緩みます。と言っても平均斜度 8%、噂通りタフな林道です。500m毎に起点からの距離を記したポストが置かれていますが、なかなか数字が増えていきません。
10:03@天空の禅寺「太陽寺」。寄り道する余裕はなくパスします。ここでメマトイの総攻撃を受けました。撮影に集中できず、自転車の車輪が切れてしまいました。
10:27@今回も道端で休憩。標高1000mを超えた辺りから雲の中に突入しています。今日も自転車との遭遇は無し、数台の車とすれ違っただけです。
10:58@1つ目のピーク。道の左側に、お清平、霧藻ヶ峰(きりもがみね)への登山道、反対側の白い車が駐車している辺りに休憩用の東屋があります。
11:01@少し下ると駆ヶ越トンネルです。六月といえども、このコンディションでのダウンヒルは寒く、長袖のインナーを着てくるのだったと後悔します。
照明のない駆ヶ越トンネル、カーブしているので真っ暗闇、かつ、一段と寒い。ようやく見えた出口もボンヤリ霞み、焦点が合いません。
ここは心霊スポットか?
真っ暗なトンネルを抜けると、真っ白な世界でした。これだけガスっているので出口が霞んで見えたのでした。
道は再び上りへと転じます。
この林道一番のビューポイントのはずのコーナーは、白いスクリーンです。ここまで見えなければ、諦めがつきます。
11:20@三峰トンネルも真っ暗な入口がお出迎えしてくれます。ここが、今日の最高到達地点で標高1,200mを越えるようです。トンネルに入る前に、30秒ほど目を閉じて暗闇への順応を図り、突入しました。
トンネルを抜けたところに10kmポストがありました。先の駆ヶ越トンネル出口とは違い、クリアな景色が展開します。和名倉山にかかる雲が上へ上へと急速に動いて行きます。一気に山頂まで見えるのではと、しばらく眺めていましたが、この辺りが限界でした。
11:37@三峰トンネルから先はダウンヒル、あっさりと大血川林道終点に到達します。終点ゲート手前には、12.5kmのポストがありました。
11:41@三峰神社駐車場。管理人のおじさんに料金が必要かと尋ねると、「自転車は無料だけど、邪魔にならないように停めてください。」とのこと。自転車をガードレールに立てかけ、参拝へ向かおうとすると、
ポツ、、、ポツ、、ポツ、ポツ、ポツ
雨です。慌てて自転車を雨宿りできる場所に移動させます。あっという間に路面が黒くなりました。雨雲ズームレーダーで状況を確認しましたが、雨雲が通り過ぎるまで待つしかなさそうです。
秩父の天気予報に雨マークなんては無かったのに、、、
と愚痴りながら、路線バスの待合所のベンチで様子見しました。
12:05@雨が少し小降りになったので、三峰神社見物を強行。
急ぎ足で回っても30分ほどかかりました。再び、雨雲ズームレーダーを確認すると、秩父の山間部で雨雲が次々に湧き出す感じです。これでは待機していても仕方がないので下界へ脱出することにしました。
12:50@二瀬ダムへ向けて県道278号線のダウンヒルを開始。すぐにズブ濡れになりました。r278は、観光道路となっているので、途中で林道吉ヶ谷線へエスケープするというのが、この日のルートプラン。吉ヶ谷林道は、交通量ゼロで作戦成功と思ったのですが、小さな集落を通過すると道は次第に怪しくなり、ついには未舗装路となりました。
この日のタイヤはグラベルキングでしたので、なんとか対応できたのですが、傾斜はどんどんと厳しくなり、ついには恐ろしくて乗車できない角度に達します。降参して、滑るガレガレ道を恐る恐る歩いて下りました。
二瀬ダムまで下っても雨でした。今回のルート、後半は栃本方面へ向かう予定でしたが諦めざるを得ません。道の駅に戻り、温泉につかることにします。
13:44@三峰口付近。こんなことになるのではないか、という予感がありましたが、路面は完全ドライ、雨の降った形跡もありません。
14:09@道の駅に近い県道367号線の両神小森交差点。r367は、ここから両神山登山口の両神薄(りょうかみすすき)へ至ります。ルートを作成している際に目に止まり、どんな道なのか気になっていましたが、行き止まりの一本道なので、ここを走ることはないなと思っていました。
たっぷり日差しを浴びたので、濡れた衣類も乾いてきました。日の長い季節ですので、日没まで4、5時間の余裕があります。このまま帰宅するのでは消化不良です。そして、こんなチャンスは二度とありません。
r367探検決定!
何も下調べしていないので、情報は、道標に書かれた「白井差、丸神の滝、節分草自生地」という3つのキーワードだけです。ちなみに「白井差」は「しろいさす」と読みます。
小森川に沿って、斜度1〜3%の道が続きます。このユル〜い上りが、r367の特徴でした。当然ながら、並走する小森川の流れも、渓谷としてはユル〜いのです。
まず、山の斜面に節分草自生地らしき場所が現れましたが、厳重に柵で囲われいます。料金所と書かれた掘っ建て小屋がありましたが、クローズしています。どうやら、節分草が開花するシーズンにだけ、オープンするようです。
14:23@夜討ち沢双龍の巌。駐車スペースと案内板がありました。室町時代、関東管領に謀反を起こした長尾景春に太田道灌が夜討をかけた際にこの沢が戦場になったという伝承があるそうです。非常に微妙な場所でした。
14:38@大規模な砕石場。平日は、大型車の往来がありそうです。ここまでは、道幅が確保されていましたが、この先は、すれ違い困難な区間が現れます。
対岸に両神キャンプ場を見ながら、ユル〜い上りの道が続きます。
15:05@県道起点からちょうど10km付近に丸神の滝東側入口がありました。
日本の滝百選の一つ!
この時初めて知ります。埼玉県では、唯一だそうです。
滝へ向かう前に、小森川の渓谷を撮影。ユル〜い流れの渓谷はいい感じでした。
15:13@滝へ向けて出発。沢筋を森の奥へと進みます。入口の橋を渡ったところに、滝の写真がありましたが、本当にこんなのがあるの?的な胡散臭い写真です。また、普通、滝まで何分というガイドがありますが、どこにも見当たりません。さらに、誰もいません、人がいた気配も感じられません。何だか怪しいぞ?と疑いながら、先へと進みます。
沢を渡る橋の欄干に初の滝情報を発見。「滝まで350m」そんなには遠くありません。
橋を渡ったところから、斜面の急登が始まりました。斜度20%はありそうです。トレッキングポールが必要な登りです。
次の橋、残り250mです。
距離的に遠くはありませんが、このまま斜度20%で250m進むと標高差50mとなります。そんな訳ないと思いましたが、そんな訳ありました。厳しい急登が続きます。北精進ヶ滝への道よりもハードかもしれません。
15:24@ゼイゼイと荒い息遣いで、伐採された空間に出ました。
そして、左を向くと、丸神の滝がありました。落差76mの美しい滝でした。
滝を見物するためのベンチに腰を据え、ゆったりと丸神の滝を堪能。
疑ってすみません <(_ _)>
です。見物路入口やネット上に存在する写真はかなり水量が多い時に撮影されたようで、かなり迫力のある姿ですが、小森川のユルさを考えると、このくらいの水量の優しい姿がマッチしています。
帰路、若者一人とアベック一組とすれ違いました。誰も訪れない場所というわけではないようです。
16:00@r367は、まだまだ先へと続いていますが、滝見物で十分に満足。ここで引き返すこととしました。
16:20@帰り道はユル〜い下り坂。スピードが出すぎる心配はなく、心地良い10kmのダウンヒル、20分ほどで道の駅に帰還します。道の駅に併設された温泉「薬師の湯」で汗を流し、そして本日最後のミッションへと向かいました。
お目当は、秩父のB級グルメ「わらじカツ丼」です。小鹿野には、その有名店「安田屋」があり、立ち寄ることにしていました。
メニューは、カツ丼オンリーです。ご飯少なめでオーダー、それでもライド後の空きっ腹だから完食できるボリュームです。時々無性に食べたくなるB級グルメの王道を行く銘品、美味しくいただきました。
天気に翻弄された一日でしたが、丸神の滝に救われ、美味しい食事で終了したので、良しとしましょう。
走行距離:74.3km、獲得標高:1,335m、消費エネルギー:1,681C