北総を横断して犬吠埼へ(前編)
一月に佐原から成田へ向けて北総の丘陵を走りましたが、丘と丘の間には田圃が広がり、田圃と雑木林の境界にクネクネとした細い道があることに気づきました。静かで長閑そうなカントリーロードです。帰宅して調べてみると、「谷津田」というキーワードに辿り着きました。
谷津田とは、関東地方の台地と平野の境目にたくさんある田で、小さな谷間につくられた細長い田のこと。「谷地田」、「谷戸田」と呼ぶ地域もある。
谷津とは谷にある湿地を意味し、主に関東地方の武蔵野台地と関東平野の境目に多く見られる小規模な谷にある。
湿田そのものが失われつつあり、湿田に依存した生物に絶滅危惧種が多数いることや、谷間のために田が小さく不定形で機械化されにくく、多くの生物が残されていることなどを背景として、生態系や里山の生物の保全が近年注目されている。
そして、田圃と山林の接点のクネクネ道は「谷津道」と呼ばれ、房総のサイクリングルートとして活用されていることを知ります。谷津道を詳細に解説しているブログも発見し、"よ〜し、谷津道を走るぞ!"と意気込んでルートを作成し始めたのですが、、、
南房総以外の千葉県の土地勘が全くありません。紹介されている谷津道がどこからどこへと繋がるのかさっぱりわからないのです。酒々井、八街、匝瑳と読むことすらできない地名にも戸惑います。途方にくれながらも、色々なブログを読み漁り、なんとか作成できたのが今回のコースでした。
幕張→花見川CR→印旛沼→佐倉→北総台地の谷津道→九十九里→犬吠埼→銚子
今回は、犬吠埼を目指します。
7:36@総武線幕張駅に到着。寂しい駅前で自転車を組み立てます。高層ビル街の海浜幕張とのGAPにちょっとビックリです。駅前のコンビニでおにぎりを調達してスタートしました。
8:05@すぐに花見川です。この左岸のサイクリングロードを遡り印旛沼を目指します。
花見川CRは、典型的な川沿いのサイクリングロードでした。覚悟はしていましたが、印旛沼までは冷たい向い風区間です。
8:22@しばらく走ると路面は未舗装となります。一部区間が未舗装ということは事前学習済みでしたが、、、
ものすごく走りやすいフラットダートでした!!! かつ、周囲を木立に囲まれて雰囲気も良好です。楽しくなって、ハイテンションモードに突入し、寒さは吹っ飛びました。
赤い橋の袂で舗装路に出ましたが、その先も未舗装路が続いています。ルンルンとダートを進みました。
路面の様子が少し変わってきました。周囲は家庭菜園の完全な土の道です。が、これまた楽し!と進みます。
8:41@そして、行く手を遮る京成本線。
調子に乗って、右岸へスイッチするポイントを見落としました。 右岸への渡河ポイントだった弁天橋(さっきの赤い橋)まで引き返します。ミスコースしたのですが、未舗装路を走る距離が増えたので、何だか得した気分です。
8:49@右岸の一般道を走り京成本線のガード下を通過。
8:51@線路を越えると再び左岸に復帰します。千葉用水総合管理所のところは、直進はできず、右手の細い道を入っていきます。
総合管理所の敷地を越えるとCRが復活し、川の名前が花見川から新川に変わります。
9:14@神崎川との合流点(18km地点)。この先で新川は南東に向きを変え、追い風区間となります。
9:29@追い風に乗って快調に進むと西印旛沼。湿地を流れる水路なんていう風景は、神奈川エリアでは目にすることはできません。新鮮な景色でした。
9:33@県道64号線を横切ると印旛沼の景色が広がりました。
9:42@佐倉ふるさと広場に到着。オランダ風車がゆっくり回転していました。ストリートビューで事前チェックしたので、この風車の存在を知っていましたが、何も知らずにやってきたら驚くこと必至です。
ふるさと広場の隣の"マルシェかしま"で1回目の休憩をとりました。サイクルラックが設置されており、テーブル&ベンチもあります。暖かいコーヒーを買って菓子パンを一つ補給しました。
9:55@出発の準備をしているとカヌーの一団が到来。カヌーも向い風は辛そうでした。
いよいよここから谷津道区間です。距離13kmほどの区間ですが、地図上の白い細い道を辿って行きます。道は複雑に入り組んでいます。ガーミン用のデータ作成も地図を目一杯拡大して入力しなければならず、目がショボショボになりました。
10:13@国道296号線から谷津道へ曲がるポイント。何の変哲も無い路地です。ストリートビューで事前学習したにもかかわらず、一旦行き過ぎてしまいました。
10:20@住宅街を抜けると一気に田園風景となりました。
谷津道は、期待通りのカントリーロードでした。信号機は皆無、交通量は極小、時々トラクターと遭遇します。思っていた以上に道幅があり、路面の状態も良好でした。
土地勘がないので、どの辺りを走っているのか全くわかりません。唯一出会ったランドマークは、スイカ模様のガスホルダーでした。
谷津道区間を走り抜けると頭上を旅客機が通過するようになります。成田への着陸コースの真下にいるようです。その割には騒音を感じませんでしたが、風向きのせいでしょうか?
11:17@空腹を感じ休憩ポイントを探していると、芝山仁王尊の看板が目に入ります。境内に腰を下ろす場所があるだろうと寄り道することにしました。
何も知らずに訪れた芝山仁王尊ですが、天応元年(781年)に創建された関東有数の古刹でした。
境内のベンチに腰を下ろし、おにぎりをいただきました。雲が切れて陽の光が差し始め、暖かく、春っぽくなってきました。スタートから55km、ちょうど今日のコースの中間点でした。
後編へ続く