Ride on a ちゃり

パワー不足のエンジン搭載ロードバイクの走行記録

蓼科スカイライン、双子池を経由して大河原峠

今年の猛暑に対抗するには2,000m級の峠しかないと、今週(8/19)も大河原峠(標高2,093m)への遠征を準備していましたが、突然、爽やかな秋の空気に包まれた週末となりました。この気候だと標高2,000mの気温はどうなるんだ?ひょっとして寒い?と、これまでと逆の心配をしなければならない状況です。起点となる長野県佐久市の気温を調べてみると、朝は13℃、日中は27℃です。13℃? かなり涼しいというか、寒いレベルですが、いまひとつピンと来ません。峠で凍える自分の姿が一瞬頭を過りましたが、直前で遠征先を変更するのも面倒と予定通り決行することにしました。

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ヒルクライム佐久2018は、9月9日です!

大河原峠は、佐久市茅野市の境界付近に位置します。したがって、どちら側からもアクセスできます。隣に位置する麦草峠には、茅野からアプローチしたので、今回は、佐久からアプローチすることにしました。ルートを作成するために地図を眺めると、大河原峠へ通じる道がたくさんあります。

  1. 林道鹿曲川(かくまがわ)線
  2. 乙女湖女神湖からのルート
  3. 春日温泉、望月牧場からのルート
  4. 高千穂高原から未舗装林道を行くルート
  5. 蓼科スカイライン

この中でも注目したのは、1.の林道鹿曲川(かくまがわ)線でした。ところが、この林道の探検レポートをチェックすると、凄まじい写真付きで、もはや廃道であることが報告されています。このルートは問答無用で却下です。茅野からアクセスする場合は、必然的に2.のルートとなりますが、観光地を通過するために交通量が多くてストレスを感じそうです。3.は、舗装路のようですが、自転車で走ったという情報を発見できませんでした。4.は、いつもルートの参考にさせていただいているボラザぢぃさんが走破された道ですが、あまりの難易度の高さに謹んで辞退。最終的に残ったのが、5.でした。「蓼科スカイライン」と名前は如何にも高原ハイウェイ風ですが、Googleマップ上では、林道鹿曲川線よりかなり低いレベルで扱われています。白い細い線が記載されているだけで、付近の林道群と区別がつきません。まぁヒルクライム佐久のルートなので大丈夫だろうと判断しました。

最終的に、往路は蓼科スカイライン、復路は乙女湖女神湖経由で県道40号線、152号線というルートを作成しました。乙女湖女神湖付近は観光地ですが下りならば大丈夫でしょう。おまけとして、林道大河原線(未舗装)を走り双子池を探索することを組み込みました。さらに、体力が残っていれば大河原峠から双子山(標高2,224m)に登ります。

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今日のベースは、国道142号線沿いの道の駅「ほっとぱーく浅科」です。蓼科スカイラインまで6kmと、ウォームアップにちょうどいい距離です。

6:43@道の駅を出発。気温は予報の通り13℃。どんな姿で臨めばいいのか迷いましたが、ジャージ&レーパンの下に長袖アンダー&登山用タイツと、二週間前の大弛峠と同じ出立です。寒いのでは?と心配していたのですが、日差しのおかげで凍えるようなことはなく、運動に最適のコンディションでした。

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日中は交通量の多いR142も、日曜の早朝は静かです。国道沿いのコンビニで水と食料を調達します。

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緑の田圃と秋空と浅間山のシルエット。先月、湯の丸高原から見えたのは、この辺りだったんですね。

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「***スカイライン」と言うと、高原有料道路として開発された道のイメージがありますが、佐久市のHPには、

蓼科スカイラインは、佐久と清里をつなぐ国道141号線から蓼科山大河原峠をのぼり、女神湖まで通ずる全長38.6Kmの林道「大河原線」「唐沢線」「夢の平線」の愛称です。

と書かれています。広域農道に「嬬恋パノラマライン」とネーミングするのと同じく、林道群に愛称として「蓼科スカイライン」と命名されたようです。

7:16@蓼科スカイラインの起点です。おかしな角度で急上昇しています。事前の情報収集でわかっていましたが、もはや笑うしかありません。

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まだ脚もフレッシュ、斜度10%を受け入れる余裕があります。路面は良好、交通量は極小ですので、マイペースで走ればいいんです。

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写真を撮っていたら、早くも追い抜かれました!

序盤3kmは斜度10%と覚悟していたのですが、適度に脚休め区間を挟みながらの断続的な斜度10%でした。

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7:37@斜度が緩み、少し油断していると、再び黄色い標識が現れました。でも、これが序盤戦最後の斜度10%でした。

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美笹の別荘地ゾーンに入ると、完全に斜度は緩みます。牧場の牛小屋の横を通過すると、あの匂いが鼻を刺激します。

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7:56@県道150号線との交差点。布施温泉からK150でこの交差点に至るルートも検討の余地ありです。

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美笹の別荘地は、どこのお宅にも車が停まっていて人の気配があります。この付近で標高1,000m、高からず低からずで高原別荘地として適度な標高なのかもしれません。

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別荘地の中を走る高規格道路

8:07@蓼科仙境都市まで12km地点の標識で、美笹別荘区間は終了。ここから大河原林道の起点まで、平均斜度7%の上りが延々と続きます。

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蓼科仙境都市というのは、標高1,900m付近に開発された天空都市(別荘地)だそうですが、当初の計画通りには経営できなかったようです。道沿に仙境都市の看板がポツポツと設置されていますが、衰退感が滲み出ていました。

8:22@臼田への分岐点。いつもならば、この場所で写真を撮ろうとは思わないのですが、蓼科スカイライン中盤には、これといった撮影ポイントがなく、このルート標識さえも貴重な被写体です。

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8:40@淡々と斜度7%を登り続けます。やはり何もないので、無理やり撮影。

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8:59@標高が高くなると共に植生も変化。斜度も8%成分が増えてきました。そろそろ休憩タイムですが、適当な場所を見つけられません。

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9:09@標高1,551m地点で強制ストップ。ワイヤーロープのガードレールに自転車を立て掛け、立ったままでエネルギー補給を行いました。立ち止まると汗が急速に冷えて体温を奪われます。ノンビリするわけにはいかず、5分ほどで休憩を切り上げました。

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9:19@「それにしてもこの道路にゃランドマークが何もないな」などと思っていると、未来のランドマークが出現しました。JAXAが深宇宙探査用施設を建設中です。完成すれば、高さ69m、アンテナ直径54mの大望遠鏡がここに出現します。次にこの地を訪れる時は、この望遠鏡目当てになるのかもしれません。

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9:31@ついに仙境都市の建造物が山の上の方に見えてきました。まだタップリと標高差があります。

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9:47@林道大河原線起点。ここから少しだけ下りますが、その先からこのルート最大の難所が始まりました。

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距離的には1kmほどの区間ですが、斜度10%超でした。前半と後半に分かれていて、間に50mほどの休憩区間(斜度7%)があります。後半の方がきついので、この休憩区間の利用方法は重要です。当然ですが、私は立ち止まり息を整えました。

10:05@大河原峠左折の標識が現れると、辛い10%超区間も終了です。左折すると斜度は落ち着きました。

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この突き当りが、廃道鹿曲川林道との合流地点です

リゾート施設のような建物が現れますが、人の気配がありません。

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会員制施設と書いてありましたが、人の気配が薄い

仙境都市区間に入ると、廃別荘、廃施設が目立ちますが、道は、気持ちのいい高原路です。やはり標高1,900mの別荘地というのは、日本では無理があるようです。

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10:40@進行方向とV字にクロスしているため林道大河原線の入口を危うく通り過ぎるところでした。ここから双子池までは、未舗装でも比較的フラットで整備された道と考えていたのですが、そうは簡単にはいきませんでした。

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ルートを描いた時にはフラットに見えましたが、実際は、上っているか、下っているかでした。路面の状況は、様々、これまで経験した各タイプ(ガレガレ、ザレザレ、ダート、石畳)を取り揃えた感じです。私の技量では乗車率40%といったところです。今回のルートの最高到達地点は、大河原峠ではなく、この林道区間で記録しました。

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おなじみガレガレ路面、まだ乗車可能レベル

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振動はありますが、一番安心して走れた石畳風路面

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美しいカラマツ林ですが、路面はザレザレでスリッピー

林道に突入して30分、道が急激に下り始めました。目的地が池ですから窪地にあるので、下りというのは理にかなっていますが、

コースは大丈夫なの? ミスってるとリカバリーが大変だぜ〜

と弱気の虫が囁きます。空腹でもあり、心が揺らぎます。

11:16@自転車を押して急坂を降りると、双子池入口がありました。ホッ!

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双子池は右、前方に雨池への標識が見えます

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双子池への進入路

双子池への道も乗車率は30%程度、後半は、ガタガタの下りとなります。

11:22@双子池ヒュッテが見えてきました。

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11:24@最後は自転車を抱えて斜面を下り、双子池(標高2,030m)に到着しました。ヒュッテの人が、突然現れた自転車に驚きます。池の周辺にはキャンプ場がありますが、皆さんテントを離れ、お出かけの時間帯でした。

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まずは、雌池。登山道が池の奥へと続いていましたが、ベストの撮影ポイントを求めて、歩き回る余力はありません。

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続いて雄池。写真でよく目にするのは、こちらです。

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残念ながら薄曇りで、光の具合が中途半端です。神秘的、幻想的な雰囲気の池を期待していたので、ちょっとアレ〜でした。麦草峠の白駒池の方が、私としては高評価です。

とにかく空腹だったので、ベンチに腰を下ろしエネルギー補給しました。

11:47@蓼科スカイラインへ戻るには、ザレザレの急坂を自転車を押し進む必要があります。オーバーペースにならないように、焦らず、着実に登ります。

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12:24@双子池探検完了。往路44分、復路37分です。空腹が解消して乗車率がアップした復路は時間を短縮しました。

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さぁ、大河原峠と再びスカイラインを走り出しましたが、トリカブトの群生を見つけて、すぐにストップ。野生のトリカブトだ!とパシャパシャと撮影しました。

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12:37@ようやく大河原峠に到着。駐車場は満車ですが、人影は多くはありません。

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大河原ヒュッテと蓼科山

蓼科スカイラインの途中からも佐久方面への視界がひらけた場所がありましたが、結局、峠からの眺めが一番でした。

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他の峠と一番違っていたのは、カフェADAMOがあることです。双子池では、おにぎりは1つだけとセーブしたので、お腹に余裕があります。

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カレーやパスタもありましたが、BLTサンドイッチを注文。パンの焼け具合が最高で、美味しくいただきました。水は貴重品ですので、紙コップに紙皿で提供されます。

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BLTサンドイッチで元気を回復、次の目標、双子山プチ登山に向かいましたが、登山口が泥濘んでいます。

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泥濘んだ道を50mほど辿りましたが、状況は改善しません。登山道が水路と化していました。この道を登っても楽しくありません。撤退!、撤退!です。

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13:09@大河原峠を出発。峠の乙女湖側からは、朝に通過したJAXAの施設が見えました。

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13:19@兜巾(トキン)の岩。道路沿いに岩があるだけだろうと思っていたのですが、歩かないと見ることができないようです。ちょうどバイクの人が戻って来たので、どのくらいですか?と尋ねると、ものの5分 とのこと。双子山登山がボツになったので、せめて兜巾の岩に行くことにします。

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森を抜けると、高さ5mほどの溶岩塊が前方に立ち塞がります。

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岩の下から見上げたのですが、こんな写真になってしまいました ^^;

かなり苦労して、岩の上へよじ登ると、小さな祠があるだけです。

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通常は、な〜んだ、損した!で終わるところですが、岩の上からの眺めで十分に元が取れました。ロードのシューズでは、危険な登り、降りとなりますので注意ください。

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直下に下って来た道

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大河原峠と双子山、奥には蓼科山

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春日温泉、望月方面

兜巾の岩から少し下っとところに、林道唐沢線と夢の平線の分岐点があったのですが、写真を撮り忘れました。今回は、乙女湖へ至る夢の平線に進みましたが、林道唐沢線を行けば、春日温泉へ下ることができます。

夢の平線には、何箇所か登り返しがあり、疲れた体には堪えました。

13:50@蓼科神社の鳥居がある蓼科山七合目駐車場には、登山客の帰りを待つ観光バスがたくさん停まっていました。

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14:08@乙女湖女神湖までは、予想以上に距離がありました。乙女湖女神湖は、完全に観光地です。湖畔を少し走って、人気のないところで休憩としました。

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乙女湖女神湖からは県道40号線を走ります。想像した通りの観光道路でした。想定外だったのが、アップダウンがあったことです。路肩が狭く交通量の多い道はストレスMaxでした。蓼科第二牧場のあたりからは、広い歩道が整備されていて、ストレスからようやく解放されました。

14:29@立派な雨境峠の石碑に遭遇します。峠?と思ったのですが、ここから先はダウンヒルオンリーとなりました。

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雨境峠の少し先に蓼科第二牧場の「牛乳専科もうもう」という売店があり、アイスクリームをゲット。私が到着した時は、比較的空いていたのですが、ベンチでアイスを食べている間に混雑し、行列ができていました。

K40からK152へ入ると交通量は激減。リラックスしてダウンヒルを楽しめました。このK152ですが、逆方向に走る場合は、10%の標識が何箇所もあったので手強いかもしれません。

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蕎麦は花のシーズンでした

R142の交通量は、朝とは大違いです。路肩も狭く、荒れていたので、無理をせずに歩道を利用しました。

15:30@道の駅に無事到着。

大河原峠を攻略できたので、2,000m超級山岳コースの残りは、御嶽山田の原(2,180m)となりました。何度も検討しているのですが、御嶽山は遠くて日帰りが厳しいです。今年は、乗鞍ではなく、御嶽を目指すしかないか、、、

走行距離:73.1km、獲得標高:1,715m、消費エネルギー:ガーミンの保存に失敗