Ride on a ちゃり

パワー不足のエンジン搭載ロードバイクの走行記録

梅雨入り前に日光遠征

春のシーズンの締めくくりとして6月5日(日)に遠出を計画していました。私事で翌月曜日に休暇を取得したので、多少の無理もできます。そこで、

韮崎→瑞牆山→信州峠→野辺山→清里→韮崎

の山岳コースを準備をしていました。ところが日曜午前は傘マークで目的地変更が必要となりました。天気図を見る限り、北へ行けば行くほど晴れマークになります。そこで急遽目的地が日光へ変更となりました。

いろは坂だけでなく霧降高原もと欲張ったので、獲得標高2,000m越えは確実のコースになってしまいました。100km以内で最高到達点をクリアするという私の実力値の範囲内ですが、無茶、無謀とギリギリのラインです。

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朝5:00、弱い雨の降る中、自転車を車に積み込み出発しました。首都高を順調に走り抜け、東北道を北上します。栃木県に入ると、狙い通り雨も止みました。

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7:20、日光に到着。青空です!

ベースキャンプは、日光運動公園駐車場です。日光市街からは少し離れていますが、スタート&ゴール地点となる霧降大橋にアクセスしやすい場所です。

今回迷ったのがウェアです。日光は高度508m、最高到達点となる山王峠は1,734mと高度差1,226mにもなります。行楽地の天気予報で中禅寺湖(1,272m)の気温を調べると14℃位、四月上旬の気温のようです。そこで、上は長袖インナーに半袖ジャージ、下は長パンを選択しました。さらにリスクを考慮して、ウィンドブレーカーや春秋用長袖ジャージ、食料(エナジーゼリーとミニあんぱん)を背負います。

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7:45、運動公園をスタートし、霧降大橋へ向かいます。男体山には雲がかかっています。

霧降大橋を渡って日光市街へ入ると直ぐに5%の登り坂、ウォームアップ不足で突入したため何気に辛いスタートです。市街地を抜けると赤い神橋が現れ、日光に来たことを実感します。それにしても水が綺麗でした。

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次々と現れる5%の坂を何本もクリアしながら10kmほど進むと、中禅寺湖まで12kmの看板が現れました。ここからヤビツに登る感じかと自分の感覚を調整します。それにしても暑いです。特に長パンはオーバースペックだったとこの時点では悔やみました。

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8:54、いろは坂に突入します。意気込んで橋を渡るといきなり下り坂、アレ?となりますが、ほどなく登りが始まります。

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時々8,9%が現れますが、6%を基調とした林間の登り坂をマイペースで淡々と進みます。方向転換するヘアピンカーブには、「いろはにほへと・・・」の順で、標識が立っています。この「る」のカーブで標高1,100mです。標高900mを越えた辺りから空気がヒンヤリしてきて、長パンでも苦にならなくなってきました。

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9:30、黒髭平展望台に到着。一息入れます。

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黒髭平からは尾根筋を走る感じで、さらにひと登りすると明智平です。ロープーウェイを5分程待って撮影しましたが、汗が冷えて寒いです。男体山は、まだ雲に覆われています。

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明智平からは、下り専用の第一いろは坂を望むことが出来ます。第一の方がクネクネの雰囲気です。いろは坂=対面通行の記憶があるので考えて見ると、初めて日光に来た時は小学生の時だから、、、

ありゃりゃ50年前だ!

今回の訪問が半世紀ぶりであることが判明しました。

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明智第一、第二トンネルを通過すると、観光スポットのゾーンに突入します。まずは、華厳の滝です。まだ10:00で観光客もまばら、ゆっくり見物できました。

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続いて中禅寺湖。曇り空でしたが、静かでいい雰囲気です。湖を眺めながらの一服は至福の時です。

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湖畔を駆け抜けて少し上がると竜頭ノ滝です。一番お手軽な茶店のところから見物しましたが、この滝、本来は遊歩道を散策して楽しむべきなのでしょう。

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ちょうど茶店ですので、ここで昼食にします。暖かいものが欲しい気温です。メニューを眺めていると「名物お雑煮」とあるので注文してみました。揚げ餅と山菜のお雑煮です。お餅が3つ入っていてボリューム満点で500円、炭水化物だけでなく油分も摂取できるのでサイクリストの補給食として理にかなっていそうです。汁も濃いめで塩分補給にもなります。さすがと汁は残しましたが完食しました。この補給は貴重でした。もし補給をしていなかったら、この後の行程はかなり悲惨なものになったかもしれません。

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戦場ヶ原への登りの途中で、雲に隠れていた男体山が見えてきます。

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11:10、戦場ヶ原を通過します。

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戦場ヶ原の新緑は、これからのようです。

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戦場ヶ原を抜けたあたりで右折し光徳牧場へ向かいます。ジェラートを食べるような気温ではありませんので牧場はパスして先を急ぎました。

11:26、本日のメーンディッシュ林道奥鬼怒線の入り口に到着。いきなりのウェルカム10%です。気持を観光モードからヒルクライムモードへ切り替えます。

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前半は、鬱蒼としたミズナラの林を上がって行きます。斜度は8%位です。光徳牧場までは人の気配がありましたが、この林道に入ると人の気配は全く無くなりました。鳥、カエル、虫の鳴き声と自分の呼吸音だけの世界です。時折、笹薮がガサガサと音を立てます。熊ベルが欲しくなりました。

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道は九十九折れとなり高度を上げて行きます。高度が上がるにつれて植生も変化し、白樺の林が現れます。

11:57、峠(1,734m)に到着。切り通しになっていて見通しはありません。

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峠の標識も無く、唯一存在したのが登山者向けのルート標識。ほんとうの山王峠は300m先のようです。

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ここで決断のポイントです。この先へ進めば、何が何でも霧降高原を攻略しなければ帰宅できません。無理せずにここから引き返すのが無難です。しかし、脚の限界には達していませんので「行かないで後悔するより、行って後悔する」ルール適用です。あんぱんとエナジーゼリーを体に補給し、ウインドブレーカーを着込んでダウンヒルを開始しました。

峠を少し下ると見晴らしの良い場所に出ました。「あの山は何?」といつも思うのですが、大抵、解らずじまいです。

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人気の全く無い道を下り続けます。ブラインドコーナーが多く、落石や木の枝が転がっている道ですので慎重に進みます。下るにつれて蝉の鳴き声がどんどん大きくなってきます。早すぎない?と思いましたが、真夏のような大合唱でした。

かなり下って眼下に川俣湖が見えてきました。まだ200mは下る必要がありそうです。

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13:04、ようやく林道の出口に到達。途中、登り区間もあり50分程かかっています。この間にすれ違った車は数台、自転車は1台のみでした。

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川俣温泉を通過しましたが、宿は渓谷ギリギリに建てられています。地震があったら大丈夫か心配になります。川俣温泉には間欠泉あり、吹き出すのを待つ観光客の姿がありましたが、時間が惜しいのでパスして先へ進みました。

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川俣湖までは、ほぼフラットな道です。午後に入って、天気が良くなってきました。そうなると長パンが暑いです。この区間では、野生の猿にも遭遇しました。

川俣湖の水位はだいぶ下がっていました。

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川俣湖からは鬼怒川沿いに県道23号線を下って行きます。どうせまた登るのだからこんなに下らなくてもと愚痴ります。修行がまだまだ足らないようです。途中、大嫌いなトンネルも4つ通過しましたが、いづれもよく整備されたトンネルです。かつ車がほとんど走っていませんのでプレッシャーを感じることはありませんでした。

14:04、黒部ダムに到着。上流の栗山発電所で利用された水が大量に流れ込んでいましたがダム湖のようなものはなく、ただの広い河原です。不思議なダムでした。川俣温泉から黒部ダムまでの20kmの区間には、数件の食堂があり営業していました。交通量の少なさを考えると驚きです。また、所々に自販機があり、飲料水を確保できます。

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黒部ダムを過ぎると登りが始まります。そして写真のトンネルを通過したところで霧降高原右折の標識が現れます。信号が青だったので本能的に右折して登りに突入してしまいましたが、山王峠を出発してから2時間経過していましたので、ここは一休みするべきでした。

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まずは、大笹牧場まで6km、350mの登り、6〜8%の傾斜が延々と続きます。山王峠からの下りで、少し回復したはずの脚からあっという間に力が吸い取られました。インナーローの30Tの力を借りて、出涸らしとなった脚を廻し続けます。

14:50、ヘロヘロな状態で大笹牧場に到着しました。牧場の赤い建物が見えた時はホッとしました。

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大笹牧場は、砂漠のオアシスです。アイスクリーム、牛乳などの乳製品だけでなく、いろいろな食べ物があります。久しぶりに数人のサイクリストを見かけました。皆さん大笹牧場を組み込んでコース設定をしているようです。ここが定休日でないことを事前確認することは、このエリアを走る際の重要事項です。

牛乳(濃厚でおいしい)、コロッケ、あんぱんを体に補給し、ベンチで休憩しますが簡単には回復しません。時刻も15:00を過ぎていますので、疲れた体に鞭打ち霧降高原へのスタートラインに立ちますが、いきなり8.3%の看板に出迎えられます。

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霧降高原までは、あと400m登らなければなりませんが、それを阻止するかのように日差しが強まります。さらに9.5%とか8.7%の黄色い標識が次々に現れます。とうとう体力が底を尽き、日陰で休憩しました。

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歩いてしまうのは悔しいので、ここからは「1km走ったら休憩OK」で刻んで行く作戦に変更です。1km走り切ると、あのカーブまでとか、あの木のところまでと、できるだけ距離を伸ばします。広〜い牧場を脱出したところで再び休憩。さらに見晴らしの良いポイントで写真撮影を理由に一休みしました。

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16:21、ついに霧降高原最高地点の六方沢橋に辿り着きます。

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橋を渡ったところの駐車場が1,437mの最高地点でした。これで本日の上りは終了です。

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ウィンドブレーカを着込み、日光まで一気に900mを下ります。はじめのうちは、急勾配のテクニカルな下り坂でしたが、途中からはストレート中心の下り坂となります。ダウンヒルが苦手の私でもハイスピードで駆け下り、30分ほどで日光運動公園に到着しました。

お土産に湯葉を購入。やしおの湯(入浴料510円)で汗を流してさっぱりして、ゆっくり安全運転で帰宅しました。

走行距離:101.4km、獲得標高:2,243m、消費エネルギー:3,410kcal