Ride on a ちゃり

パワー不足のエンジン搭載ロードバイクの走行記録

はじめて行く足柄峠(貧脚者向け)−後編-

2月に地蔵堂までの前半をレポートしましたが、その後編です。2月は、曽我の梅林を見てから登坂でしたが、今回は早咲き桜を見ての登坂です。この峠だけを目的とすることは、私には余りに辛く、他の餌で誘い出す必要があるようです。

今回は、一の堰の桜からほど近い南足柄運動公園をスタートポイントとしてみました。小田原から南足柄を結ぶ広域農道があり、その南足柄側の起点が運動公園です。この道は苅野で足柄道とクロスしますので、そこから本ルートに入ることができます。

気温は10℃を越えていますので、ウィンドブレーカーを脱ぎ、エネルギーゼリーを補給してスタートしました。前日ルートラボで調べた限りでは、苅野まで距離3.4km、平均勾配が5%くらいと手頃なコースに思えたのですが、いきなり10%の登りが始まりました。ルートラボでよくある平均の罠です。広域農道は、上って上って下るのような道のため、現れる登り区間は8〜10%でした。おまけに最後のところでドーンと50mくらい下って足柄道と交差しました。龍福寺からの正規ルートのほうが体に優しいです。

苅野から矢倉沢までは再び10%の上りで、失った50mを返せと心で呟きながら進みます。足柄峠も4回目となると体がだいぶ慣れてきて、地蔵堂までの前半区間の苦しさは織り込み済みとなっており、大きな波乱は無くクリアできました。

 地蔵堂までは4回目ですが、そこから先は昨年5月以来の2度目です。昨年5月のときは、2回の休憩の休憩の末、ギリギリの状態で峠に到達しました。明らかに私にはオーバースペックな峠でした。そんな訳で、今回は「休憩1回で到達」が目標です。

地蔵堂からは、緩くカーブした斜度10%の上りが始まります。距離にして900mくらいですのでヤビツの蓑毛と似ています。しかし、こちらの方が辛く感じます。脚が地蔵堂までの区間で痛めつけられているためです。感覚的には、ヤビツの後半に蓑毛の登りが現れる感じです。さらに、この10%区間の後半になると写真のような「え、あれを上って行くの!」というガードレールの連なりが視界に入ってきます。昨年はこの景色に心が折れ、写真左手の平坦部分で一回目の休憩となりました。後から考えるとこれは正解でした。辛い10%区間はこの写真に見えている範囲で終了で、残りはもっと辛い12%以上の区間となるのですから、、、

 

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道は斜度を増し、森の中をS字を描くように進みます。一枚の写真の中にカーブが2つ収まっているというおかしな世界です。このS字区間で燃え尽きて立ち止まっている小径車の方をパスしました。まるで昨年の私のようです。「こんちは」と挨拶できたので、今日はまだ少し余力があるようです。

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同じようなS字がデジャブのように現れます。ギアは遥か昔にインナーローの30T、時速5kmでカタツムリのように進みます。左カーブはセンターライン寄りをキープ、右カーブで一瞬だけ斜度が緩むポイントだけが楽しみとなります。コース取りとペダルを廻すことだけに深く没入して行きます。アドレナリン大放出状態となり苦しさを感じなくなってきています。

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頭上がだいぶ開けてくると、見晴し台というバス停が現れます。昨年は、ここのベンチでひっくり返って休みました。見晴し台という割には全然見晴らしは良くありませんが、休憩するならここしかしかありません。

計画ではここで休憩のはずでしたが、少し先に立ち止まっているランニングマンが見えましたので、それを目標に登り続けました。ランニングマンは、かなりお疲れの様子で100m走っては休憩というパターンを繰り返しています。その休みの間にジワジワと差を詰めて、とうとう追い抜きました。でも、またすぐに追い抜かれます。これを何度か繰り返し二人で上昇して行きます。

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そして前方に14%の看板が現れます。はじめてのときは、

この期に及んでさらに斜度をアップするとは、なんというやつだ足柄道!

と思いましたが、2回目からはこの標識は、

もうすぐゴールです。ラスト頑張りましょう!

と読めるようになります。この時点で私がランニングマンに先行していましたので最後の力を振り絞ってダンシング、ランニングマンを振り切って峠に先着しました。久しぶりに心拍数174を記録です。

運動公園からここまで80分(遅)というのが私のタイムでしたので、普通の方であれば60分くらいと思います。

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万葉公園前を通過し、尾根筋を少し下ったところに足柄峠の標識があります。標識にある「あづまはや」って何のこと?と思い調べてみると、日本武尊が、東征の際に海神の怒りを鎮めるために自分の身代わりに海に身を投げた妃のことを「あづまはや(=わが妻よ!)」とここ足柄峠で嘆いたと伝えられているそうです。

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「あずまはや」で満足してダウンヒルしてはいけません。さらに御殿場方向へ少し進めば足柄城址跡があります。足柄城址跡は公園となっていて、真正面にド〜ンと富士山を拝むことができます。今日は曇りなので駄目だろうと思いつつ公園に行ってみましたが、やはり真っ白でした。もう一度、出直せというお告げでしょうか。

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写真を撮りながらダウンヒルをしていると、ポツリポツリと再び雨が降り始め、地蔵堂のうどん屋さんは今回もパスすることとなりました。

今回、足着きなしで登り切れたことを冷静に考えて見ると、気温10℃のおかげで給水なしで済ませることができたのが大きかったです。なにしろ時速5kmです、ちょっとバランスを崩せば倒れる瀬戸際で勝負しているので、給水はかなりリスクの高いアクションとなります。次回訪れるときにはこの対策が必要そうです。

 

走行距離:160.4km、獲得標高:1,422m、消費カロリー:2,660kcal